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AとBといじめと呪いと

A「見えないものを怖がってどうするというのか?
そんなものに囚われて足を竦ませるなんて人生勿体ないじゃないか」


B『…君に何がわかると言うんだい?
すれ違っただけで汚物を見るような目で見られた事は?
すれ違いざまに衣服が触れただけで
触るな腐る!!
と面と向かって触れた部分をはたかれた事があるというのか?
腹たって無理やり触ってやって泣かれた事があるというのか?』

A「関係ないね
過去の事だろ?忘れろよ?」

B『…ああ、全くその通りだね
忘れるべきだね、無かった事にすべきなのさ!
覚えていたってクソの役にもたちゃしない
君は有能だよ、さすがだね』

A「僕だって何も無かったわけじゃない
でも努力して立ち直ったのさ!
時間はかかるかもしれないけど君にもできる!な?」

B『立ち直った人間は
立ち直るべくして立ち直ったのさ
人間は楽な方へ向かって歩くと言うだろう?
君にとって
立ち直る方が楽な道だった
という事さ
僕とは違う』

A「そんな事はない!とても辛かったさ!
でも努力したんだ!」

B『それは違うね
立ち直らないままの自分の方が嫌だっただけさ
だから楽になろうとして立ち直る道を選んだ
僕は立ち直る方が無理だね、立ち直ろうとする方がしんどいんだ
なぜなら、立ち直り続けないといけないからね』

A「…それでも僕は君を助けるさ」

B『勘弁してくれよ
…ほっといてくれ』

A「ほっとかないよ」

B『…僕はもう元には戻れない
無理なんだよ、これは呪いなんだ』

A「それでも僕は楽な道を選ぶよ」

Aは真っ直ぐ僕を見て、笑った。

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