Mr.モグ

採用、試験、面接関係14年の経験から、ワンランク上の「人材選抜」について考えていきます。単なる経験に基づくのではなく、学術的な研究成果など、最新の情報を交えて発信していきます。 人事担当者、学校や各種資格試験担当者、さらに、各種試験の受験者にとって有益な情報を発信していきます。

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採用、試験、面接関係14年の経験から、ワンランク上の「人材選抜」について考えていきます。単なる経験に基づくのではなく、学術的な研究成果など、最新の情報を交えて発信していきます。 人事担当者、学校や各種資格試験担当者、さらに、各種試験の受験者にとって有益な情報を発信していきます。

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最近の記事

面接を受ける「あなた」へのアドバイス

これまで面接官(試験実施側)を中心に記事を書いてみましたが、今回は面接を受ける受験者側を中心にアドバイスをまとめてみることにしました。 よく面接に関するアドバイス本では、「どうしたら質問に答えられるか?」「どんな質問が出るか?」「ドアのノックをどうしたらいい?」「面接の際の座り方をどうしたらいい」といった細かな内容も多いですが、実際の試験官はそんな細かいところを、いちいち見ていたりはしないものです。 面接官が、「あなた」について見るところは、「あなた自身がどんな人か」という

    • 宇宙飛行士の選抜試験

      今回は,いろいろな選抜試験の中でも,宇宙飛行士の採用を取りあげ、どのように選抜が行われるかを見ていきましょう。 我が国ではJAXAが宇宙飛行士の採用を行っており、過去5回の募集・選抜を実施しています。そして、今年秋に新たな募集を行うことになっています。 これまでの募集状況等は以下の通りです。 第1回(1985年):応募者533名、合格者3名、倍率は178倍。 第2回(1992年):応募者372名、合格者1名、倍率は372倍。 第3回(1996年):応募者572名、合格者1

      • 面接試験における人物の簡単な見極め方

        新たに人を採用しなければならないときに、どのようなことをしたら良いでしょうか? どのような場合でも一度採用してしまうと、なかなかやめさせることができません。(もちろん、せっかく採用した人は、やめてもらいたくありません。) 採用の方法としては、いろいろな筆記テストや面接などが考えられます。 採用される側にとっても採用する側にとっても、「ふさわしい人」を、いかに選ぶかというのは非常に重要なことです。 しかし、一言で、「面接」といっても面接のプロでない限りなかなか人を見分けるのは

        • 選抜試験におけるミス防止(その3)

          これまで、「選抜試験におけるミス防止」について考えてきました。単に「出題ミス」といっても,その分類をすると、8つに大きく分類することが出来ることが分かりました。 今回は、この8つに分類された「出題ミス」を無くすために、具体的にどのような対策(もしくは対応)をすれば良いのかについて考えていきたいと思います。(Mr.モグ) 「出題ミス」を低減させる方策前回までの分析により、「出題ミス」は次のような8つに類型化できることが分かりました。 ① 専門・学術用語や公式等の引用ミス ② 

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        • 採用
          4本

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          選抜試験におけるミス防止(その2)

          今回は、「選抜試験におけるミス防止」の(その2)として、特に、選抜試験における出題ミスの内容を分類して,どのようなミスの出現頻度が高いのか分析していくことにします。(Mr.モグ) 選抜試験における「出題関連ミス」防止策「試験」には、大学入試、高校入試、中学入試等といったいわゆる「入学試験」、企業や公務員などの「採用試験」、司法試験、技術士試験などの「資格試験」等いろいろなものがあります。 担当者は、問題の作成及び検討を行い、印刷・校正の読み合せを含めたチェックも行っており、

          選抜試験におけるミス防止(その2)

          選抜試験におけるミス防止(その1)

          これまで、いろいろと人材選抜について取りあげて説明してきましたが、今回から3回に分けて、「選抜試験におけるミス防止」について考えていきたいと思います。(Mr.モグ) 選抜試験におけるミス防止近年、大学入学試験、高校入試、中学入試といった各種の入学試験や、資格試験などの選抜テストにおけるミスが大きな問題となっています。 ちなみに、2000年(平成12年度)から 2018年(平成30年度)までの大学入試でのミスの年度別データは、図のようになっており、ミスの件数は、2000年度の

          選抜試験におけるミス防止(その1)

          選択式試験での「出題ミス」に対する対応の検討

          各種資格試験、採用試験、入学試験などで、ときどき「出題ミス」が起きることがあります。ミスに気づいたときには、既に試験は終わっているので、出題ミスへの対応は、一般的には、次のようになることが多いのです。 1 その問題は全員正答として総合点を算出する(全員正答) 2 その問題は問題削除として総合点を算出する(問題削除) 実際には、どのような対応が望ましいのでしょうか? 出題ミスの程度による分類まずは、ミスの程度について検討します。 1 ミスの程度が大きく通常、回答不能なケース

          選択式試験での「出題ミス」に対する対応の検討

          面接試験で私がいつも考えること

          面接官の「勘どころ」一般的に、話す内容がわかりやすく、(だらだらと長く話すのではなく)ポイントを絞って簡潔に話し、身なりも清潔な印象を与える人は、採用されやすく、逆に、Yシャツが多少乱れていたり、話し方が上手でない人は、採用されにくい傾向にあります。 経験が浅い面接官は、無意識のうちに、受験者の服装などの外見や、話し方等の印象に左右され、合否を決める傾向が強いのですが、本来あるべき面接官は、外見や、先入観に惑わされることなく、その受験者の話す態度や、質問への受け答え等から、

          面接試験で私がいつも考えること

          人物試験におけるジレンマ(3)【面接段階が多くなると優秀人材を落としてしまうかも…】

          「人物試験におけるジレンマ」を中心テーマにとりあげて、考察してきましたが、今回はその3回目になります。 前回(人物試験におけるジレンマ(その2))は、「数値モデル」を使って、試験官の人数を増やせば、評価誤差確率が単純に減っていく訳ではないことを示しました。 これにより、効率性の観点から言えば試験官3人で行う方が、コストの割に高い成果が得られることがわかりました。 今回は、「人物試験の段階数(面接回数)」と「評価誤差」の関係について、「数値モデル」を使って考えていきたいと思いま

          人物試験におけるジレンマ(3)【面接段階が多くなると優秀人材を落としてしまうかも…】

          ワンランク上の人材選抜 人物試験におけるジレンマ(2)

          「人物試験におけるジレンマ」を中心テーマにとりあげて、考察してきましたが、今回はその2回目になります。 前回(人物試験におけるジレンマ(その1))で、試験官を増やしたり面接回数を増やすことが、評価誤差を最小化する方法の一つであることが分かりましたが、では、実際に面接官を増やすと、誤差はどの程度低減していくのかなどについて、「数値モデル」を使って考えていきたいと思います。(Mr.モグ) 人物試験における数値モデルの検討多くの採用試験では、それぞれの組織の採用目的に合った「優秀

          ワンランク上の人材選抜 人物試験におけるジレンマ(2)

          人物試験におけるジレンマ(1)

          今回から「人物試験におけるジレンマ」をテーマにとりあげて、3回にわたって考察して行きたいと思います。 『ワンランク上の人材選抜』を行うために、「人物試験」について深掘りして行きます。(Mr.モグ) 人物試験におけるジレンマ多くの採用試験では、それぞれの組織の採用目的に合った「優秀な人物」を選び出すために人物試験(面接試験)が行われています。 他方で、人物試験には、評価者(試験官)の主観による評価バイアスが入り込む余地があることが知られているのは、これまでも説明してきました。

          人物試験におけるジレンマ(1)

          人材選抜におけるジレンマ(人材選抜の効果とジレンマ)(3)

          「人材選抜におけるジレンマ」をテーマにとりあげて、3回に分けて考察します。 今回はその3回目です。「人材選抜の効果とジレンマ」をテーマに考えていきたいと思います。(Mr.モグ) 人材選抜の前提条件人材選抜を行うときに、まず私たちが考えるべきことは、「受験者層の確保」が挙げられます。 いくら難しい「試験(テスト)」や手間暇かけた「選抜方法」を考えたとしても、それを受ける受験者数が一定数確保することができないと、効果的な人材選抜を行うことができません。 さらに、その集めた受験

          人材選抜におけるジレンマ(人材選抜の効果とジレンマ)(3)

          人材選抜におけるジレンマ(二種類の過ち)(2)

          前回から「人材選抜におけるジレンマ」をテーマにとりあげて考察してきましたが、今回は、実際の能力と試験(テスト)の成績との関係について考えていきたいと思います。(Mr.モグ) 実際の能力と試験(テスト)成績との関係試験によって選抜を行う場合、選抜対象者(受験者)の能力と試験成績が、高い相関関係にあることが望まれます。 すなわち、理想的には、「試験の成績」と「実際の能力」が線形(比例関係を示す直線)で表現される(試験の成績が良ければ、それに合わせて実際の能力も高い)ことが望ま

          人材選抜におけるジレンマ(二種類の過ち)(2)

          人材選抜におけるジレンマ(選抜方法の選び方(1)

          これまで、いろいろと人材選抜について取りあげて説明してきましたが、今回から3回に分けて、人材選抜行う際の「ジレンマ」について考えていきたいと思います。(Mr.モグ) どちらのテストを使うべきか(上位群と下位群の選抜比較)ある会社の人材を、営業成績の良い「上位群」と、そうでもない「下位群」に分け、彼らを採用した際のテストの結果を分析したところ、次の図のようになったとしましょう。 すなわち、テストAの得点を分析したところ、「特定のライン(採用ライン)」より高いものは「上位群」

          人材選抜におけるジレンマ(選抜方法の選び方(1)

          心理テストの種類と特徴(その4)

          今回は「作業検査法」による心理テストの代表である「内田クリペリン作業検査」を取りあげて説明します。 この「内田クリペリン作業検査」は、これまでの心理テストとは異なり、受験者に、質問に対する答えや、課題に対する自己表現をしてもらうのではなく、単純な作業を行わせるものであるため、他の心理テストに比べて受験者の回答に歪みが生じにくいとされています。(Mr.モグ) 内田クリペリン作業検査とは ドイツの精神科医Kraepeline,E(クレペリン) は、1桁数字の連続加算過程に働く精

          心理テストの種類と特徴(その4)

          心理テストの種類と特徴(その3)

          今回は「質問紙法」の代表的な心理テストであるロールシャッハテストと文章完成テストを取りあげます。(Mr.モグ) ロールシャッハテストとはロールシャッハテストは、スイスの精神科医のRorschach.H.(ロールシャッハ)が、1921年に考案した投影法によるパーソナリティー検査の一つです。 スイスの子どもたちの「インクの染み」遊びを参考に、インクの「しみ模様」の図版10枚を被験者に見せて何に見えるかを答えさせたり、その理由や、そう見えた場所などについて質問をすることで、被験

          心理テストの種類と特徴(その3)