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栃木県さくら市で460年以上続く伝統の「喜連川天王祭」。歴史と文化を守り続ける「わたしたち」の思い

連日猛暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。本格的な夏が到来し、各地で夏祭りが開催され、賑わいを見せていますね。わたしたちのグループの拠点である栃木県さくら市喜連川では、古くから続く夏の伝統行事があります。

それが、みこしを担いで町内を練り歩く「喜連川天王祭」です。長い歴史の中で地域の人々が守り続け、毎年盛大に開催されてきた伝統のお祭りです。今年は2024年7月27日に開催され、わたしたちもお祭りに参加してきました!

天王祭の様子を伝えるとともに、地域の伝統行事を守り続ける大切さや、それに関わるわたしたちのグループの思いについてご紹介します。

夜遅くまで商店街を熱気で包む、伝統の「喜連川天王祭」

「喜連川天王祭」は、1563年に創建されたとされる喜連川神社のお祭りです。460年以上続くというこのお祭りの見どころは、大きく3つです。当日の様子と合わせて、それぞれ紹介してみましょう。

1つ目は「白張(しらはり)」と呼ばれる担ぎ手たちが、みこしを担ぎ通りを練り歩く「渡御(とぎょ)」です。「あばれみこし」の名で親しまれ、お祭りで一番の注目を集めます。小学生以下の子どもたちが担ぐ子どもみこしもあります。

午前10時頃に神社からみこしがおろされ、渡御は夕方4時半頃から始まりました。みこしを担ぎながら大きな掛け声と共にもみ合う男衆が間近に迫り、迫力満点。休憩をはさみつつも、約7時間に渡って渡御は続きます。

勢いよくみこしを揺らしながら通りを進む白張たち

2つ目は神主や巫女、武士などの姿に扮した人たちが行列になって歩く「百物揃い」。かつて喜連川の地を通った大名行列が起源とされています。

3つ目は、たくさんの提灯を光らせ、小太鼓や笛の音色を響かせながら通りを歩く屋台です。山車(だし)とも呼ばれます。かつては上町、下町、仲町、本町の4つの区画の人々がそれぞれの屋台を巡行させていました。

木彫りの凝った彫刻が施された屋台は、それぞれの町の個性が光ります。夜は提灯が明るく灯り、盛大に祭りを盛り上げます

その他、迫力満点の喜連川公方太鼓の演奏や、通りに軒を連ねる露店などが人々を楽しませてくれます。

力強い喜連川公方太鼓の演奏

夜11時半頃になると、いよいよお祭りもクライマックスを迎えます。神社への奉納に向け、急な階段を一気に上がっていく「お上がり」が行われました。大勢の人々が見守る中、熱気は最高潮に!みこしが神社へ奉納されると、大きな拍手に包まれ、祭りは終了しました。

地域の伝統を守り続けることの難しさと大切さ

大盛況のうちに終了した今年の天王祭ですが、数年前はコロナ禍で中止となり、昨年4年ぶりに本格開催となりました。古き良き縁日の風景が戻り、ほっと心が和みます。こうしてお祭りが再開し、継続されている裏には、伝統を守り続けようとする地域の人たちの尽力があります。

地域の人たちは、このお祭りにどんな思いを持って関わっているのか、喜連川にあるレストラン&バー「P’s」のオーナー・齋藤哲也さんにお話を伺いました。齋藤さんは、屋台の保存や当日の巡行に携わる「喜連川屋台実行委員会」の発起人で、8年前から屋台文化を守り、次の世代へつなげる活動に力を注いでいます。

委員会の活動に関してはインスタグラムで詳しく紹介されていますので、こちらも合わせてぜひご覧ください。

齋藤さんがおっしゃるには、屋台はさくら市の文化財に指定されており、保存と修繕、そして歴史情報の蓄積が必要なのだそうです。それぞれの町で、屋台を守り、伝え、動かす人が必要になります。

冒頭でも触れたように、昔は4つの町の屋台それぞれが祭りに出て、お囃子の演奏に使われていました。その内の1つの屋台がお祭りの間巡行し、巡行する屋台は毎年交代していたといいます。ただ、現在は実行する人手の確保が難しく、巡行できているのは2つの町の屋台のみとのことです。

そこで齋藤さんは、「委員会が毎年巡行する屋台を手伝うことで、今は巡行できていない2機も再び動かすことができるのではないか」と構想しており、地域の人たちにこの想いを伝え続けています。現在、委員会のメンバーは40人ほど。引き続き、お祭りを一緒に盛り上げてくれるメンバーの募集を呼びかけています。

「委員会の活動が地域の人たちに認められるようになることが目標。新しいかたちで喜連川の伝統文化を守りたい」と齋藤さんは話します。

地域の伝統を守るために、わたしたちにもできること

お丸山ホテルでも、地元の歴史や文化の保存に寄与するため、1822年から1980年まで実際に使われていた由緒あるみこしを館内2階フロアに保管し、展示しています。2022年12月には、みこしの公開に伴う神事を行いました。

お丸山ホテルには「さいこうを目指す」というビジョンがあります。これは、「最高」のサービスを提供するという意味のほかに、地域を「再興」する、イベントを「催行」する、「さぁ、行こう!」と思ってもらえるホテルを目指す、という意味が込められています。

街や人々が活気に溢れ、みんなが幸せを実感できる社会の実現を目指し、リニューアルオープンから3年、地域の商工や観光振興に携わる市民の方々と意見を交換しながら、協力し合う関係性を築いてきました。

昨年の天王祭から、お丸山ホテルだけでなく、グループが運営するゴルフ場「セブンハンドレッドクラブ」からもスタッフが参加し、みこし担ぎや屋台引きの役目をお手伝いさせていただいています。

みこし担ぎに参加したスタッフたち
屋台に提灯の飾り付けをお手伝い

地域の伝統は、守っていこうとする人がいなければ衰退してしまいます。わたしたちは、地域を一緒に盛り上げていく一員として、今後もさまざまなイベントや催事をともに創っていきたいと考えています。


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