全保育士が敗北した話(野菜嫌いのY君)
柔軟剤が入れ替えが一番苦手な犬男爵です。
(中見えないし、先は狭いし)
今回は僕が経験した全保育士理論が負けた話です。
野菜嫌いY君がなぜ急に野菜を食べるようになったのか
話してみたいと思います。
野菜嫌いのY君
2歳児クラスで一番月齢が高かったY君は
とにかく野菜が嫌いでした。
そしてとても頑固なのです(笑)
食べないなら食べなくていいんだよ。と伝えても
食べる!といい、30分~1時間座っている
いや…もうあきらめてくれよ。と僕は本音で思っていながら
Y君の主張を尊重して見守ってました。
(効率的にうるさい園長の目線は無視)
それはその日だけだったら良いのですが
1か月~2か月と続いたため、ご家庭でも無理しないことや
この間に先生たちが色々食育について学び、クラスで行うことにしました。
実際にやったこと
・絵本(食関係の絵本)を見せて共感するように読んでいく。
・調理と一緒に野菜カットの食育。
・看護と栄養の話
・夏野菜を一緒に育ててみる
等など
1か月ではだいぶボリュームがあることを展開してました
先生方がそれほど熱心に行っていたのですね。
結果
変わらず、食べると言って椅子にずーっと座ってます。(笑)
きっかけ
Y君は最近見始めた仮面ライダーにハマっていました。
仮面ライダーは弱いものを守る。
月齢の高いリーダー格のY君はクラスの安全を守ってました。
比較的会話も出来ていたY君と僕の会話
『仮面ライダーの何になっているの?』
Y君『ゴースト!』
僕『ゴーストでどうやって変身するの?』
Y君『こうやってね、色々な仮面ライダーになれるんだよ』
知ってます。仮面ライダーゴースト。
これは大人も思わず、おおぉとなる作品でした。
ゴーストという名の通り、僕たちも夢中に名になった昭和平成のライダーも登場するのです。
僕『そうなんだ。じゃあ強くなって皆を守らないとね』
Y君『うん!』
次の日…
Y君のママが僕の方に笑顔で声かけてきます。
『先生。どんな魔法をかけたんですか?』っと
僕…???
連絡帳の夕食欄を見ると、野菜完食。。。
え???
その日の給食
野菜をバクバク食べるY君。
それ見て驚きの保育者たち。
思わず『そんな無理しなくても良いんだよ』と伝えてしまう(笑)
食べ終わって午睡の時聞いてみた
『野菜食べたかったの?』
うーんと考えてY君は答えた。
『仮面ライダーになるから』
僕『うんうん』
『野菜も食べて強くならないと!』
内的動機付けが一番伸びる
いくら知識ある保育士たちが全部の保育方法を行っても動かなかった心が
仮面ライダーに負けた瞬間である。(笑)
僕はその瞬間に思った。
理論を学ぶことは僕たちの選択肢を増やすけど
結局他人の気持ちの理解。そして心を動かすことで人は向き合ってくれる。
そう思った瞬間。難しい保育理論が少しシンプル化した。
良い保育とは?
沢山知識を出す先生が良い保育をしているわけでなく
人にいい影響を与える先生が良い先生と僕の中で基準が明確になった
ただ・・・同時にふとっ思ったこともある。
基準がないから給与には反映されないなぁ…とも(笑)
だから僕はキャリアアップ研修を受けまくり
給与ベースが上がる転職を繰り返した。
経験?理論?結局人対人よ。これが僕の行きついた保育観。
御覧いただきありがとうございました。
ふっと僕の保育観に触れた
エピソードを書かせていただきました。
もし野菜を食べないで悩んでいる家庭があるなら
今の僕が担当だったらこういいます。
『まず食べなくても死ぬわけじゃない。』
強制的に食べさせたいのであれば
『3日食べてなかったら、空腹で野菜でも何でも食べますよ』って
とまぁ、無理やり食べることを辞めさせて
どうやって彼らなりの動機をつけていくか。
そこに僕たち大人がフォーカスしましょう。って
一人ひとり性格が違うので。
今夜も美味しいビールが飲めますように!
僕は少し筋トレしてきます。犬男爵でした。
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