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【炎上】THE1975マシューの差別発言 それでも来日公演に行くか?

私が最も愛するロックバンドの一つ、THE1975が炎上している。

理由はフロントマンのマシュー・ヒーリーがポッドキャストの番組内で、日本人に対し差別的な発言をしたことが国内外で批判を浴びているからだ。

記事を読む限り、1人のファンとしては擁護することは出来ない。1番腹が立つのは司会者だけど。

洋楽ロックバンドを超えた、マシューのアイドル性

初めてTHE1975の単独来日に行ったのは、2016年の六本木EXシアター。2枚目のアルバムが出て、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでワールドツアーをしていた時期。

私はその頃、来日の単独に行き始めたばかりだったと思う。
フジロックとサマーソニックは何度か足を運んでいた。それまで邦楽オンリーのロッキン・キッズだったが、海外の音楽とパフォーマンスに触れて目と耳が肥えてきていた。
で、割と高いチケット代を払って足を運んだ。

感想として、とにかくマシューギャルの黄色い歓声が凄かった。
洋楽バンドというより、外国人タレントのアイドルを観に行った気分。

「久しぶりの感覚だな〜」と思っていた。
それまで通っていたライブは、歓声、シンガロング、モッシュ、ダイブはあっても、ミニスカにヘソ出しをした外国人ギャルがいることは無かった。

スマホでガンガン動画を撮る文化も、海外ではどうやら目をつぶっているようだった。邦楽ではあり得ない光景で、カルチャーショックを受けた。

その時点で彼らはもう、ロックバンドの域を超えていたと思う。

マシュー・ヒーリーは英国の野田洋次郎

その後、彼は社会的発言をし始める。一時はビリー・アイリッシュと並んで「Z世代の代弁者」的な存在感まで見せていた(のちに本人は「政治的な何かの代弁者になる気はなかった」と言っているが)。

また、LGBTQ +を支援する姿勢を示し、「今後は男女比が50:50にならないフェスには出演しない」とSNSで公言している。
実際、2022年に出演したSUMMER SONICは、ジェンダーレスなラインナップを実現させた。このフェスで、彼らはヘッドライナーを務める。


一方で、今回の騒動以外にも何度か黒人に対する人種差別、LGBTQ差別と捉えられ、プチ炎上を繰り返してきたマシュー。


チグハグな感性。カリスマ的な存在感。アイドル性も含めた人物像。そして飛び交う黄色い歓声。

あっ、これ野田洋次郎だ!

社会課題に向き合おうとしてコケる。まさに日本でもロールモデルがいるではないかと。

実は昔からTHE1975はRADWIMPSと親和性が高いと思っていた。
熱狂的なファン層やフロントマン中心のバンド体制もだが、音楽そのものが大衆受けしている一方、実験的なサウンドや曲作りを貫く姿勢も含めて、どこか似たものを感じていた。

何より、日本人受けが良すぎる。正直ここまでストレートに日本のファンをガッツリ掴んだバンドは、かなり久しぶりなのではないかと思っている。

カルチャー史には世代格差と宗教戦争が発生するが、多分オアシスぶりではないかと想像している。
当方、92年生まれですが、諸先輩方はいかがでしょう?

結論「作品に罪はない」が、編集者も責任を取れ

別にこの手の話は、RADWIMPSだけじゃない。
椎名林檎の旭日旗も、BTSの原爆も、みんなそう。どっかでやらかしてる。じゃあ槇原敬之は?電気グルーヴは?小山田圭吾は?

結局最終的に「作品に罪はない」で終わることが多いのだ。

ただ、繰り返し腹が立つのは司会者。罪だなと思う。お前が最初に話しを、振ったんだろ、と。
例えば下記の流れ。

司会者が、第二次世界大戦中の中国や韓国での日本軍の行ないを理由に「日本にとっては自業自得だろう。彼らは人種差別者だから」と発言。続けて、日本がナチスドイツと同盟を組んでいたことに触れて「交換交流プログラムみたいな感じで、(ドイツにあったユダヤ人の)強制収容所で働いていた日本人男性っているのかな?」と言うと、マシューが「君がそのモノマネをするのが聞きたいよ」とたきつけ、これに乗った司会者が日本語アクセントの英語で「プリーズ、シャワーに入ってください。温泉を用意しました」などと言って、終始、3人からは笑い声があがっていた。
WEBサイト FRONTROWより

母国では当然司会者も叩かれているし、これまでも偏った進行で笑いを取ってきた番組らしい。ある意味、水曜日のダウンタウンなのか?
こういう時に英語を勉強出来ていれば…と思う。

しかし国外では司会者よりマシューの方が圧倒的に知名度が高い。いつも炎上するのはネームバリューのある人間なのだ。

野田洋次郎は何だかんだ、それでも国民的ミュージシャンの地位を保ってる。
今でも彼の思想については問われることがあり、歌詞について炎上した楽曲「HINOMARU」は結果的に謝罪している。

27年前のいじめ問題がオリンピック起用によって再炎上した小山田圭吾も謝罪し、当時その記事をアップした担当記者の山崎洋一からも(遅かったけど)謝罪文が出た。

THE1975の来日公演は4月に控えている。いまチケットを持っている日本人は、彼の発言によってチケットを手放すかどうかの選択を迫られている。
外野では「行く奴=差別主義」と捉える人もいるからインターネットは恐ろしい。

だが、私は行く。S席のチケットは既に先行予約で確保している。この日を楽しみに冬を凌いで来た。

そしてマシューのスタンスを見届ける。真意はまだ語られていない。

幼稚な彼の過ちを許してはならないが、これまでも常に親日派を公言している。

正直、問題になった番組では日本差別というより、日本の遅れた文化や風潮、独特の雰囲気について話している場面もあり、その点は的を得ていると感じる。

「音楽のショーでは、最初にみんな盛り上がるんだが演奏中は静まり返る。だから自分が失敗しているかどうか判断がつきにくいのだが、みんな礼儀のためにやってくれているんだ。それって興味深い文化だと思う。だって日本は、一番ヘビーなメタルを、一番クレイジーな性的コンテンツを発信している国なのに、同時に非常に抑圧されている」と、持論を展開。これに対して司会者は、「日本は1980年代には家電製品や車の王者で、経済も発展していた。しかし経済が落ち込み、今や、日本が最も人種差別的な感情を持っている韓国が文化輸出でも経済でも先を行ってしまった」と反応した。

 それに、イギリス出身のマシューが「さっき言ってた、イギリスの皮肉的な立場と似ているよね。僕らは昔、(戦争中に)あちこちでレイプをしてすべてを所有していた。しかし今や僕らは、誰にも注目されない島国だ」と続けると、司会者が「君らはせめて英語を話しているから良い。日本語を話すのは、どこの文化でも最低な奴らだけだ」と述べた。
WEBサイト FRONTROWより

…やっぱり司会者が悪くないか?

とにかく今後のバンドの行く末は、現地に赴かないと分からない。
ファンになってしまった以上は、そこも責任を負いたい。

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