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キューバ旅行 到着


機内食、心配になるこれからの食

さあ、憧れの国、キューバへ。
機体は何故か急にボロくなった。

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メキシコシティ上空。
結構明るい。明かりが沢山。栄えているんだろうな。いつかメキシコも行ってみたい。

こうして国外に限らず知らない土地を見ると(何なら渋谷のスクランブル交差点とかでも)、私が自分が主人公の世界を生きているように、
ここにも私の全く知らない人が自分が主人公の世界を生きていて、
私のようにそれが当たり前で暮らしている、そんなことを考える。
まあ当たり前のことなんだけれど、不思議に感じて面白い。

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キューバ行きの機内での機内食。
ハムとチーズが挟んであるデニッシュ生地のパンと、ハインツのハラペーニョとマスタード。

ケチャップは?

何かの下になってるのかといろいろひっくり返してみたりしたけど、やはりない。
マスタードとケチャップってペアだと思ってた。違うらしい。

さて、もう一つ気になる事がある。
左のカスタードっぽいものはなんだ。”バニラ” みたいに書いてあるのが見える。
冷やしてあるし、カスタードとかその類であることは間違いないだろう。
ただ、カスタードってそのままで食べるものではない、というのが私の考えだ。
もしかしたらこれはマスタードとかの類でパンに塗るものなのかもしれない。
とりあえず開けて舐めてみよう。

カスタードだわ。バニラカスタード。

ここでプチパニック。

(( え?カスタード?カスタードだけで食べるなんてないだろうしじゃあカスタードをパンに塗っ、、、ハムとチーズに合わせるわけないな。それにそしたらハラペーニョとマスタードだけで食べることになる、そっちの方がおかしいよな、え、じゃあまさかカスタードってこれだけで食べるデザートなの? ))

かなり甘いバニラ味のカスタード。しかも割と多い。
コンビニに売ってるブルガリアの食べきりサイズヨーグルトと同じくらい、もしくは甘ったるいので体感それ以上。勿体無いので全部食べた。

キューバは食べ物はあまり美味しくないと聞いていたので今回は食べ物に関しては期待していなかったが、それどころかこれからの数日間が少し不安になった。
そういえばパンもなんだかパサパサしている気がする。

そんなこんなでそろそろ着陸だ。
いろいろ驚くことはあったが、国や文化の違いとして面白いと思えた。
これからは更なる異世界が待っていると思うとワクワクしてくる。

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ハバナ上空。メキシコシティで撮ったものより更にヘッタクソだが、明かりの数が全く違う事がわかる。

現地時間22:45、機体は無事にハバナのホセ・マルティ空港へ着陸した。


ホセ・マルティ空港

当時、キューバでは国内のコロナ感染者は出ていなかった。
しかし世界的に感染が拡大しつつあったため、私が行く少し前から空港での検疫が厳しくなっているというのをSNSで見ていた。

入国審査を終え進むと検疫ブース。
問診票を記入し、戻る。おでこでピピっと体温を測られ、何だかOKそうなサインを紙に書き込んでいる。
特に何も言われないから少し待ってみたがやはり何も言われないし、少し立ち去る素振りを見せたがそれでも何も言われないので大丈夫らしい。
案外緩めの検疫だった。
ヨーロッパやアメリカからの観光客が多く、ハイシーズンとされる乾季の今、これで3月頭まで感染者ゼロとは不思議なものだ。

さらっと書いたが、特にいろいろしたわけではないのにここまででかなり時間を使った。のんびりした国なんだろう。

検疫を終えて預けた荷物を受け取りに行く。
メキシコシティ空港ではスルーバゲージができないと書いてあって逆に安心していたのだが、何故かできたのでロストバゲージしてないか心配だった。

ここまでかなり時間かかったと思ったのだが、荷物がまだあまり来ておらず沢山の人が待っていた。
新たに流れてきても一つずつ、ゆっくり間隔を置いて投入される。
荷物を預けて飛行機に乗るのは久しぶりだったので、こんなもんかな、くらいでのんびり待っていた。
本当に無いわけじゃないよね、と少しハラハラしながら。

やっと荷物を受け取り安心したところで、次は両替タクシーだ。
ハバナの空港から宿へはタクシーで行くのが楽チン。25CUCくらい。
私は事前にカサの主人と連絡を取り、タクシーの手配をお願いしていた。私の名前を書いたボードを持った運転手がいるはずだ。合流してから両替に行こう。

いない
基本裸眼だが、遠くや少し離れたところの文字を見るときだけかけている眼鏡までかけて探しているのにいない。外にも人がいそうなので出てみよう。

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いない
めっちゃ探してるのにいない。野良犬はいる。
急に車の防犯装置が作動し始めるがよくあることなのかみんなスルーしている。

『Taxi?』
とすごい声をかけられるが断って探しまくる。断る、そして探しまくる。

まじでいない
タクシーを取り仕切ってるおじいちゃんみたいな人が声をかけてくれる。
出国前にタクシーをお願いしたのにいない、ということを伝えると
『連絡先がわかるなら電話かけてあげるよ』とのこと。

だが困ったことにタクシーの連絡先なんて知らないし、カサの連絡先っぽいのを見せたがそれも違うとのこと。検疫のところでも宿泊先の連絡先見せたらこれ違うって言われたな。
((使えないバウチャーだ!))と思っていたけど後々調べてみたら、日本でいう+81、いわゆる国番号だった。
頭に付いているそれがわからなかったっぽい。おい。

もう一度探してみて、次の到着便の方に間違って行っているのかと覗いたがそこにもおらず、とりあえず両替を先にすることにした。

両替所のお姉さんはこんな夜にスペイン語のわからない観光客のために働いてやんなってるのかめちゃくちゃ嫌そうだった。すみません私もわかりません。

はっきりゆっくり言ってくれれば数字と簡単な観光で使いそうな単語はわかるぐらい覚えてはいたが、なんせ機嫌が悪いので小声で適当に喋るから本当にわからなかった。
機械でやっているのでぼられることもないだろうと思ったが一応確認。大丈夫だ。
後にも先にもこの時がスペイン語がわからなくて一番困った時だった。

諦めて先ほど助けようとしてくれたおじいちゃんにタクシーを頼んだ。
キューバは国が認定しているタクシーは黄色で、運転手が顔写真付きのネームプレートを首から下げている。いくらでも偽装はできそうだが。まあ着ているジャケットや車体などを見ても大丈夫そうだし、値段は30CUCと本来より高いが、カサの主人がメールで
空港で捕まえるのでもいいけど夜だと30CUCくらいかかると思うよ
と言っていたので妥当だろう。そのまま乗車した。

出発するのかと思いきやとてもゆっくりなスピードで走り、
急にクラクションを鳴らし出す。
前方に危ない車がいるのかと思いきや、いない。
何なんだと不思議に思っていたらこちらに向かって歩いてくる背の高い黒人男性
そのまま乗り込んできた。

こちらもスペイン語が話せるわけではないし、
向こうも英語が話せるわけでもないので、説明も質問することもなく、
ドライバーと私と、謎の黒人男性を乗せたタクシーは出発した。

黒人男性だから危ないとか、白人男性だから危なくないとか
そう言うのは差別的だしあまり関係ないと思うけれど、
やはり割合として日本には黒人が少なく見慣れていないので、多少なりとも警戒心があるのは否めない。
私はどこかに連れて行かれてしまうのだろうか。
外は真っ暗、まあもうどうしようもできないし、とりあえず行き先に神経をとがらせておけば良いか。

とはいってもネットの繋がらないキューバ。
Google マップを確認しながらということもできないので、
(ちなみに海外でも一回ネットに繋いで地図を読み込めば、その後は通信を切っててもネット繋いでいる時に検索した場所や自分の場所はGPSでわかる)
日本にいる時に死ぬほど目に焼き付けていた頭の中の地図を頼りに
大まかな方向と道のフンインキでおかしな場所に行っていないかを警戒していた。
大丈夫そうだ。

どれくらい走ったのだろうか。
時間なんて気にしていられないくらい最強にタクシーの走る方向に神経を尖らせていたので全く覚えていない。
何となくそれっぽい街並みに入って、頭の中の地図上でも近づいてきて、
私の心配はただの杞憂で終わった。
『ここだよ。』
旧市街のカサだったが暗すぎて街並みなんてわからなかった。
街灯ってそういえばあったっけ、なかった気がする。

言われた通りの金額を渡す。
両替したままだったので、日本からお金を入れて持ってきていた封筒に入っているお金を取り出す。
旅行客は大金を所持していると思われているだろうし(実際そう)、
深夜だってのに若者たちが建物の前の段差に座ってたむろしている。
札束が見えてはいけない!と少々焦りながらお金を出す。
何だかお札の順番がおかしかったがとりあえず30CUC払った。


カサ

政府公認のカサには青いイカリマークの看板がかけられている。それが目印だ。
しかし困ったことに見当たらない。
でも周りの建物に書いてある住所は私の宿泊先のカサの住所と番号が近い。
質問する間も無くタクシーは去っていった。

結構ガチで困る。
タクシーが見つからなかったときよりも、タクシーに謎の黒人男性が乗ってきたときよりも、遥かに困った。
深夜の若者がたむろする住宅街(?)で、でかいスーツケースとキューバではあまり見かけないアジア人の若い女1人。そりゃ視線を集めるに決まっていた。

意を決してたむろする若者のうち目の前にいた女の子1人に話しかけた。
どうなるかわからないけれどそれしか方法はなかった。
『ここであってるよ!』
私の心配をよそに快く教えてくれた。このわかりにくい廊下の先にある階段を登って二階にあるらしい。
感謝を伝えると、もちろんだよマイフレンド、みたいな返事が返ってくる。
日本にはそういう文化がないのであまりの快さに少し警戒してしまった。
どう見ても奥まったところを案内されたからもしかしたら若者たちの根城なのかもしれない。でも何のあてもなくフラフラさまようより、少しでも可能性のある方にかけたほうがいいだろうと思い、言われた通りに進んだ。

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建物はもちろんのこと古いし、着いたのは深夜なのでもちろんのこと薄暗い
これは昼間に撮った写真なので明るいが、階段は昼でも薄暗かった。
田舎とはいえ綺麗な建物と、少ないとはいえ街灯のある日本に暮らしている私の感覚としては怪しさマックスだった。
意を決して階段を登り、廊下を進む。

あった!!
「いや、客取るつもりあるの?」ってくらい小さい青のイカリマーク。
住所は相変わらず書いてないけど、隣の建物の住所とこのマークからしてここだろう。
インターホンを押す。
鉄の柵の向こうにあるドアから人が出てきた。
顔も知らなかったが一目見てわかった。この人だ。Trip Adviserで『陽気な主人』と書かれていた人。想像していた人相とは全く違ったけど、どう見ても陽気な感じだった。

詳しいことを説明することはできなかったけど、とりあえずタクシーを探したけど見つけられなかった、予定より遅くなってごめんなさい、ということを伝えた。
全く嫌な顔一つせずに夫婦は私を受け入れてくれた。

一つ困ったことが発生した。
私がこのカサを選んだ理由は、Trip Adviserの日本人からの評価がとても良かったからだ。地球の歩き方にも乗っていた。そして、英語がわからない人が多いと言われているキューバで英語を話せるカサの主人だったからだ。
事前のメールのやりとりは英語で難なく済んだ。特に問題はないと思っていた。
大アリだった。
スペイン語訛りが半端ない。しかもスペイン語なまりとは別ですごい舌足らずな喋り方をする人だった。英語か?と思うほど聞き取れなかった。

私は胸を張って「英語が話せます!」てほどではない。が、
国による発音の差はあっても英語圏の人の話す英語はそれなりに聞き取れるので、語彙力や話すスピードによって理解ができたりできなかったりという感じだ。
喋りの方は、まあ意思疎通はできるかな、ってくらいのレベル。
多分普通のコミュニケーションツールとして使うにはそこまで問題がないはずなのだ。
けれど私はカサの主人のクセの強い英語が聞き取れなさすぎて、英語理解できる?(笑) と心配された。英語でメッセージやりとりしてたでしょ!あれGoogle翻訳じゃないから!

何回か聞き返して何となく理解できたのだが、どうやら今日は迎え入れる準備があまり整っていないから今日の夜だけ知り合いのところに泊まってほしいらしい。
部屋の準備と、水をポンプでくみ上げるのが終わっていない、的なことを言っていた。生活事情が違いすぎるのでよくわからなかったがとりあえず準備がまだだったらしい。

外に出てほんの十数メートル先のカサに入る。
一般的にカサは誰かの家の一室を自分の部屋として使わせてもらうというものなのだが、そこは一部屋しかない、いわば貸切の家みたいなカサだった。
『明日の朝迎えに来るから、インターホン押されても絶対出ないでね』
と言われる。比較的治安の良いと言われているキューバだが、どの家もドアや窓の前に鉄格子があった。都会は違うと思うが、私の地元では家の鍵は寝る前くらいにしか閉めない。日本人の ”治安が良い” という感覚は異常だな。

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時間に厳しい日本人と、全体的に陽気でおおらかと言われているキューバ人。
明日の朝迎えに来るからとしか言わず出て行こうとする。((いや、朝ってそれ何時!?))と思い聞くと、『何時にしよっか、、、』と言う感じの顔。
いや、時間考えてなかったんかい。心の中でツッコんだ。
そんなに早く行動開始したところで絶対お店何も開いてないので、9時にすることにした。

初めてのキューバ、1人の夜。
少し落ち着いてやっとキューバに来た実感が強くなってきた。
あとはお風呂入って寝るだけと思っていた。


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