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小さな自尊心。

ユーミンの「ためらい」を聴きながら切ない恋心に思いをはせる。私の心をピンポイントに“きゅっ”とつねってくるのが上手いなあと惚れ惚れする。

これまでいくつも恋を失って、襲ってくる悲しみの大きさを知っていながら、それでもあなたに恋をする女の子は「私はもうすぐ不幸になりそう いっしょの時間があまりにも楽しく はやく過ぎるから」なんて言う。わかるー!うんうんと首がもげるくらいに激しく同意。だって始まりは終わりのカウントダウンだ。確かな温もりを感じた時間は、ひとりの寂しさを加速させる。なのにあなたは冷たい人だから、先のことはわからない。だから覚悟を決めて、彼女は恋に踏み込んでいく。ああ、胸がイタイ…でも好き。

10代の頃、恋は落ちるものだと思っていた。20代になって、それは踏み込むものへと変わりました。恋には足腰の強さが欠かせないから、自分の足でしっかり立って悲しみと対峙できるたくましさを備えておかなければ。だから私は修行した。生まれたてのバンビみたいだった私も、おかげで今ではすっかり横綱レベル。

修行してわかったことは、思考は私の救世主だということ。感情の海からひょいっと私を掬い上げて、砂浜からの眺めをススメてくれる。だから、最近読んだ本に「感情は思考より劣ると信じ込んでるのはなぜ?」という一行を見つけた時には、はっとした。

私も本当は知っている。時には感情を優先させるのも大切だってこと。だけど、それに身をまかせるのは怖い。ただ、最近は最後に信じるべきは自分の感情だと気づけるようになって、自分が信じてるものを信じてきたことが、私の選択に力をもたらしていると思うようになった。

自分で選んだのならば、その人生はきっと美しいと思う。ああ、恋って素晴らしいなあ…ってうっとりして、コタツのうたた寝から覚めたところで思い出した。私は部屋の片づけをしていたことに。もうすぐ引っ越すワンルームの荷造りは今日もまた終わらなかった。

2016年11月28日

「サウダーヂな夜」という変わったカフェバーで創刊された「週刊私自身」がいつの間にか私の代名詞。岡山でひっそりといつも自分のことばかり書いてます。