涙【詩】
身動き一つせず
ただ涙は流れる
体を震わすことも
嗚咽することもなく
目から溢れる涙だけが
私と彼女を証明してる
涙が流れる
隣の誰かを起こすことも
神様に気づかれることもなく
ただ涙が流れるのを
止められない
この涙は自分を憐れむものでも
誰かに構ってもらうためのものでも
あの子に優しくしてもらうためでもなく
あの日汚れた
彼女の足を綺麗にするため
あの日ついた
頬の傷を洗い流すため
あの日赤く乱れた
柔らかな髪を洗うため
わたしの涙は
誰にも拭われることなく
ただただ流れている
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