綿生さんちの素朴な毎日/紅葉色のきんとん
今日のおやつは虎屋のきんとん。銘は『紅葉重ね』といって、そぼろ状の二色の練り切りの中には粒の白餡が入っている。ピンクとイエロー、二色の対比が美しくて、暫しのあいだ眺めてうっとり。
いつもはプラスチックのケースからそのままいただくのだけど、せっかく写真を撮るので手近なところにあったお皿に置いてみた。特別なお皿ではなくて、『ひのきのぷら』という、ひのきを練り込んだ樹脂のプレート。手が不自由なので、軽くて使いやすい製品はありがたい。
洋菓子ってお皿のどこに置いても割と見た目が決まるというか、非対称も面白さになるけど、和菓子はやっぱりど真ん中に置くのが貫禄があって素敵。線対称の美なのかな?
食べ物って、栄養としてお腹に入ってしまえば本来のところどんな見た目であっても役割は変わらないけど、あえて見た目の美しさを追求するところに心の豊かさを感じる。
あってもなくてもどっちでもいいものってこの世にたくさんあるけど、なくてもいいもののことを探求できるって幸せなことだし、そうできる世の中には余裕がある。
いま放送されている『スカーレット』という朝ドラで絵付けの先生が言ってたんやけど、戦争が終わって火鉢に綺麗な絵が描かれるようになった時、日本はこんなに豊かになったんやって実感したらしい。
従軍絵師として戦地の様子を描いていた先生ならではの言葉で、このセリフを聞いた時、ああほんまに、平和って大事やなあ、戦争ってひどいなあ、って思った。
だから、例えば自分の日々の暮らしの中で、お庭の椿の花が咲いたり、鳥についばまれたりする様子を眺めたり、かわいいぬいぐるみを愛でたり、夢あふれる物語で空想の世界に耽ったり、そういうあってもなくても生きていけるけど、あった方が心が豊かで穏やかでいられるようなもの、そういったものをこれからも日々大切にしていきたいし、そうできる世の中が続いていってほしい。
何の話や。
きんとんほんまにおいしかったな。
今日もいい日!🌼🐦