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「災害弱者」よりも「災害時要援護者」の方がよいと思う

※当記事は個人の感想であり、特定の団体や個人を批判することを目的とするものではありません。

災害弱者への対応は急務

ラジオの番組で「災害弱者」について話しているのを聞きました。内容は在日外国人や海外からの観光客が言語の壁によって災害弱者にならないようにするためにどうしたらいいか?というものでした。たしかに「南海トラフ臨時情報」とか言われてもピンとこなかったり、何をしたらいいのかわからないということが少なくないと思います。

インバウンド需要や、今後の労働力の担い手として海外の方を日本に招くことも増えるでしょうから、こういった配慮は必要だという話で、確かにそうだな、と感じました。

それはさておき「災害弱者」という表現はいいのか?

わたしは災害弱者という表現が好きではありません。
なんとなく上から目線な雰囲気があり、やや配慮に欠ける表現だと感じます。できるなら別のことばに置き換えてほしいです。

調べてみると、ほかの表現としては「災害時要援護者」とか「要配慮者」という表現があるようです。「災害時要援護者」でいいと思いました。なぜ「災害弱者」という表現を使うようになってしまったのでしょうか。その理由は2011年に議論されていました。

「災害時要援護者」でよいのでは?

NHK放送文化研究所から毎月出されている「放送研究と調査」の2011年10月号に以下の説明を見つけました。当時、同じようなことが話し合われていたようです。個人的には「災害時要援護者」ということばでも"耳で聞いたときにわかりにくい"とは思いません。言いやすさの点では劣るとは思いますが。

「東日本大震災」の報道で注意した表現 より抜粋

・相手のことを考えた表現(小委員会意見)
・ 被災した人たちへの配慮を心がけ,「せっかく」「逃げる」などの表現を避けるようにした。また,行政のことばをそのまま使うとわかりにくい場合はわかりやすく直すこともあるが,たとえば「災害時要援護者」をどう言いかえるかという問題がある。「いわゆる災害弱者」とする場合もあるが「弱者」としてしまうことに反論もあり,難しい。 (放送用語としての考え方・まとめ)  もともとは差別的な意味やマイナスイメージがない語でも,場面,文脈によっては違和感をもたれる場合がある。すべてを同じ言いかえにするということではなく,相手のことを考えて表現を工夫する必要があるだろう。「○○弱者」については,相手の存 在を「弱い者」と決めつけてしまう表現で,抵抗感がある。そうかと言って,「災害時要援護者」という行政用語では,耳で聞いたときにわかりにくい。放送では「災害のときにとくに助けが必要な人」と言いかえるなど,わかりやすく伝える工夫が必要である。

「東日本大震災」の報道で注意した表現

おわりに

結局は好みの問題なのかもしれませんが、「災害弱者」に限らず「○○弱者」ということばが好きではありません。ぜひとも別のことばに言い換えていただければと思います。

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