見出し画像

【榊原彗悟インタビュー#1】夢見た場所での新たな挑戦。横浜F・マリノスで過ごした「しんどさすら楽しい」充実の1年【無料記事】

※この記事は全編無料でお読みいただくことができます。SNSへのURL掲載、情報拡散などにぜひご活用ください。

※記事本文やコメントの転載、スクリーンショットによるSNS上への投稿、掲載している写真の二次利用、誹謗中傷につながるコメントはご遠慮ください。確認した場合、削除を要請するなどの措置を取らせていただきます。


オフシーズン企画第3弾は…

 新年あけましておめでとうございます!

 2024年最初の記事はオフシーズン企画の第3弾です。これまで飯倉大樹選手、渡辺皓太選手のインタビューをお届けしてきましたが、今回ご登場いただくのは榊原彗悟選手です。

 ジュニアユースから横浜F・マリノスで育った榊原選手は、ユース卒団後の2019年からラインメール青森に入団。JFLで4年間プレーし、2023年にF・マリノス復帰を果たしました。

 そして、2024年もF・マリノスの一員として戦うことが決まっています。今回のインタビューではJリーグ初挑戦となった1年の振り返り、年男として迎える新シーズンに向けた意気込みなどを語っていただきました。

 なお、本インタビューは全3回に分けてお届けいたします。これまでと同様「#1」のみが無料記事、「#2」以降は「蹴鞠のトリコ」マガジン購読者向けの有料記事となります(単品購入も可能です)。

 また、本文中の「昨季」や「今季」などの時期に関する表現はインタビューを収録した2023年12月中旬を基準として表記しています。それではインタビュー本編をお楽しみください。

F・マリノスで過ごした「すごく成長できた濃い1年」

(撮影:舩木渉)

――ユースまで過ごした横浜F・マリノスに帰ってきて、1シーズンが終わりました。まずはこの1年を振り返っていただけますか?

小学生の頃からプロサッカー選手になりたいという夢を持ち、中学に上がった時からF・マリノスでプロになりたいと思ってきました。今年ついにずっと目指してきた場所でプロサッカー選手として活動することができて、試合にも出られて、本当に嬉しかったです。でも、F・マリノスの選手としてJ1のピッチに立ったら、この舞台でもっともっと活躍したいという気持ちがどんどん大きくなってきました。

F・マリノスに帰ってきて最初は「やっぱりちょっと厳しいかな」という感情でプレーしていたんですけど、日を追うごとに自信を持ってできるようになりました。試合に絡む回数は少なかった中でも、F・マリノスやJリーグのレベルでも自分はやれることがわかった1年でした。いろいろなことを経験できて、すごく成長できた濃い1年だったと思います。

――出場機会が少なくてしんどい時期もあったのではないかと想像していました。

いや、ラインメール青森での1年目の方がずっとキツかったと思います。当時はあまりサッカーを楽しめていなかったなと。あまり試合に出られず、「この先どうなるんだろう…」という不安しかなかった。

でも、今はしんどさの中に楽しさがあります。なかなか試合に出られなくても、しんどさすら楽しく感じるというか。ここで一皮剥ければもっともっと上にいけるという確信もありますし、F・マリノスにいられるだけで幸せです。しんどいと感じることすらもったいないと思いながら、日々過ごしています。

――今季は公式戦11試合出場、ピッチに立っていたのは473分間。YBCルヴァンカップで初ゴールも記録しました。この成績を榊原選手なりに振り返ると?

最初に「ちょっと厳しいかな」と感じていたことを考えれば、思ったよりも試合に出られたなと。でも、シーズンの途中から「自分はもっとやれる。もっと試合に出られる」という自信が生まれて、プレーの感覚が変わってきましたね。

J1初挑戦。F・マリノスは「自分の良さを最大限に発揮できる環境」

――自分の変化を感じたのはいつ頃ですか?

自信を持ち始めるようになったのは夏以降ですね。その頃から練習でのプレーの感覚がすごく良くなってきました。チームメイトや監督、コーチたちに自分のプレースタイルを深く知って、理解してもらえたことも影響していたと思います。

――F・マリノスやJ1の環境に慣れてきた頃でもあったのではないでしょうか。

それもあると思います。やっぱり最初はスピードや強度の高さに苦しみましたし、緊張もあってチームメイトの輪の中になかなか溶け込むことができませんでした。でも、夏くらいにはプレー面でもそれ以外でもうまく馴染め始めて、試合には出ていなかったですけど、いろいろなものへの感じ方が変わってきましたね。

――JFLからJ1へ、カテゴリを一気に3つ上げました。これだけ大きなステップアップをすると適応は当然難しくなります。しかも、榊原選手にとってはJリーグすら初挑戦でした。

JFLだとロングボールが多くて、それを拾い合う感じの落ち着かないサッカーになることが頻繁にあるので、F・マリノスのサッカーとは大きなギャップがありました。でも、F・マリノスは自分たちでボールを保持する時間が長いので、僕にとっては自分の良さを最大限に発揮できる環境だと感じています。

とはいえ1人ひとりの技術や判断の質、スピード感、強度など全てにおいてレベルの違いは感じました。でも、試合になると相手が引いてくることも多かったので、F・マリノスの練習に比べれば圧を感じずプレーできました。

――F・マリノスの選手はよく「試合よりも練習の方が難しい」と話しています。そういう感覚は実際にある、と。

それはすごく感じましたね。F・マリノスで練習していて、うまくいかずに落ち込んでしまうこともあったんですけど、試合に出てみたら「あの練習がすごすぎるだけだったんだ」という印象がありました。他の選手たちからも「ここの練習の強度が高いからうまくいってないように感じるかもしれないけど…」と言われていましたし、そんなに落ち込まなくてよかったんだな…と。

待ちに待ったF・マリノスでの公式戦デビュー

――F・マリノスでの公式戦デビューは2023年4月5日に行われたルヴァンカップ・グループステージ第3節の北海道コンサドーレ札幌戦でした。ニッパツ三ツ沢球技場で71分から途中出場した、あの日のことを覚えていますか?

本当に感慨深かったですね。平日でも三ツ沢にあれだけたくさんの人(6269人)が見に来てくれて、ウォーミングアップでピッチに入る時からファン・サポーターの皆さんのものすごい声援が聞こえてきました。

人が多いと緊張することもあると思うんですけど、僕の場合は本当に嬉しさしかなかったです。ラインメール青森でプレーしていたJFL時代は観客が少ない試合も多くて、寂しい感じもあったので。やっぱりファン・サポーターの方々がたくさん見に来てくれるとモチベーションは高まりますし、あの札幌戦は本当楽しかったですね。

――ユース出身ということもあるのか、ファン・サポーターの皆さんが榊原選手を息子のように応援している印象があります。

それは自分でもすごく感じますね。ユースを卒団して青森へ行ってからもSNSを通じて応援してくれる方がたくさんいましたし、実際に青森まで試合を見に来てくれたり、関東での試合を応援しに来てくれたりした方もいました。そういったファン・サポーターの皆さんのためにもF・マリノスで活躍している自分の姿を見せたかった。まだまだ足りないとは思いますけど、横浜に帰ってきて試合に出たことでちょっとは恩返しできたのかなと思っています。

――J1デビュー戦の相手も札幌でした。今季のF・マリノスは札幌と6度対戦していますが、榊原選手はそのうち4試合に出場しているんですね。

札幌さんとはすごく縁があるなというのは自分でも感じています(笑)

――10月21日に行われたJ1第30節の札幌戦、日産スタジアムで69分から途中出場してJ1デビューを飾りました……

<インタビュー#2に続く>

他のインタビューを読む

飯倉大樹選手(全5回)

渡辺皓太選手(全3回)

ここから先は

0字
こちらのマガジンでは横浜F・マリノスを中心とした日々の取材記事を発信いたします。月に2本以上お読みになられる場合は定期購読の方がお得です!

蹴鞠のトリコ

¥550 / 月

フリーランスのサッカージャーナリストとして活動する舩木渉が、横浜F・マリノスの練習取材レポートを中心にJリーグや女子サッカー、海外組日本人…