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横浜ダービーは「命をかけて戦う試合」。燃えるキニョーネス、ホーランド監督もファン・サポーターに協力要請「後押しが必要。1人でも多くの来場を」【無料記事】

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ホーランド監督「1人でも多くの来場を」

 横浜F・マリノスは2月26日に行われる明治安田J1リーグ第3節で横浜FCと対戦する。

 同じ街に本拠地を置くクラブ同士の戦い、横浜ダービーで負けるわけにはいかない。過去の公式戦における通算成績はマリノスが7勝1分3敗と大きく勝ち越しているが、最後の対戦となった2023年のJ1リーグ第25節では横浜FCに1-4で敗れている。

 2年越しとはいっても横浜ダービーで連敗は避けたいところだ。会場となる日産スタジアムには25日正午時点で約1万8000人が来場する見込みとなっているが、マリノスを勝たせるためには、もっと多くのファン・サポーターが必要。スティーブ・ホーランド監督は「ダービーはその時の会場のテンションにすごく左右される」と述べ、マリノスファミリーに協力を呼びかけた。

(撮影:舩木渉)

「たくさんのファン・サポーターが広島まで来てくれましたし、やはり彼らの後押しは我々に必要だと思っています。横浜ダービーでも皆さんのサポートが本当に大事になるので、1人でも多くの来場をお願いしたいです」

 ホーランド監督はチェルシーやイングランド代表のアシスタントコーチとして数々の「ダービー」を経験してきた。その中でもイングランド対スコットランドのライバル関係を挙げながら、会場の雰囲気が勝つためにいかに重要なものかを力説する。

「イングランド対スコットランドはかなり重要なダービーです。非常に長い歴史があります。この横浜ダービーも同じだと思います。私がイングランド代表で最後に戦ったスコットランド代表とのダービーはハムデン・パーク(スコットランド・グラスゴー)というスタジアムで行われました。

6万人のスコットランドのファンの前でプレーせねばなりませんでした。試合前はもちろん国歌が流れるのですが、スコットランドのファンの方が多くて、イングランドの国歌が聴こえないくらいすごいボリュームの応援がありました。あの試合のようにどのダービーも情熱のぶつかり合いだと思いますが、我々は準備ができています」

朴一圭「ダービーなので勝つだけ」

 選手たちもそれぞれ熱い思いを持って横浜ダービーに臨もうとしている。「ダービーなので勝つだけですね。勝つことが全てかなと思っています」と語ったGK朴一圭は、「自分はあまり意識するタイプではない」とは言いつつサガン鳥栖時代の経験も踏まえながらダービーでピッチに立つことの意味を噛み締めていた。

「ファン・サポーターの皆さんが(横浜ダービーを)意識されているのを選手たちは感じています。でも、彼らはピッチで戦えないじゃないですか。勝敗をつけられないというか。選手たちにすごく強い想いを託していると思うんですよね。絶対に勝って欲しいと。表現の仕方が難しいですけど、『自分たちの方が上にいたい』という気持ちもあると思いますし、それを表現できるのは試合に出る選手たちだけだなと。

(撮影:舩木渉)

どの試合も大事なので個人としては特に意識していないですけれども、やっぱりファン・サポーターの意地やプライド、このエンブレムに対しての誇りみたいなものを感じています。横浜FCだけには絶対に負けてほしくないという思いを持たれていると思うので、選手たちがちゃんとその意図を汲んでプレーで表現していかなければいけないのかなと思っています」

 鳥栖時代にはアビスパ福岡とのライバル関係があり、ダービーではファン・サポーターが「すごくいい雰囲気を作ってくれた」が、「結果につなげることができなかった」悔しさがあった。だからこそマリノスに帰ってきたら横浜ダービーでファン・サポーターを喜ばせたい。朴は「応援が力になっているのは間違いないので、皆さんを悲しませないように、とにかく結果でしっかりと応えたい」と強い決意を示した。

鈴木冬一「自分が一番燃えるものを持って挑みたい」

 湘南ベルマーレ時代は神奈川ダービーでマリノスと対戦していた鈴木冬一は、マリノスの一員になって「横浜ダービー」の価値を今まで以上に意識するようになったという。「神奈川ダービーよりも近い同じ街のクラブとしてやるので、ファン・サポーターの人たちもすごく燃えていると思いますし、話を聞く限りではいろいろな歴史のあるクラブ同士の試合なので、本当にふつふつと込み上げてくる熱いものがある」と闘志を燃やしていた。

(撮影:舩木渉)

 セレッソ大阪のアカデミーに在籍していた頃は、ガンバ大阪の同年代のチームと「大阪ダービー」を戦っていた鈴木。当時は「ガンバと試合をする時は、あのエンブレムを着けているチームだけには負けるなとずっと言われて育っていた」という。ダービーに臨むにあたっての意識やメンタリティは、少年時代からしっかりと培われてきた。

(撮影:舩木渉)

「マリノスに来られたということで、今度は僕がそういう思いを持って、いままで在籍した選手とか関係なく、自分が一番燃えるものを持って明日の試合に挑みたいと思います」

キニョーネス「ダービーは命をかけて戦う試合」

 朴や鈴木も熱い思いを語ってくれたが、彼ら以上のダービーへの燃えたぎる情熱を口にしていたのはジェイソン・キニョーネスだ。コロンビア出身のセンターバックは「ダービーとはどこであろうと常に激しい戦いになり、どちらも勝利を目指して命をかけて戦う試合です」と目をぎらつかせる。

「僕たちは水曜日に向けて心構えからしっかり準備をして、100%の力で戦いたいです。横浜ダービーでは勝利をもって責任を果たさなければならない。

(撮影:舩木渉)

モチベーションとは試合ごとに少しずつ異なるものです。ダービーは自然と燃える試合なので、他とは違う意味のある試合になります。前に進むための強い意志を持ち、しっかり勝ち点3をつかむために戦います。勝利こそが最も重要なので、できるだけ多くの勝ち点を重ねていきたいです」

(撮影:舩木渉)

 横浜ダービーは「決勝戦のつもりで戦う」と意気込んでいたキニョーネス。同じ街のライバルから勝ち点3をもぎ取り、試合の中で成功体験を積み重ねられればチーム作りも一気に前進するはずだ。リーグ戦での今季初勝利を挙げるためには、ファン・サポーターの後押しが絶対的に重要になる。

 試合は2月26日の19時にキックオフ予定。ファン・サポーターがトリコロールの誇りを胸に宿し、可能な限り多く日産スタジアムに足を運ぶことがマリノスにとって勝利への近道となるだろう。

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