【無料】日本人コーチ&選手が在籍! フィリピン王者・カヤFCイロイロってどんなクラブ?【ACLプレビュー】
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基本情報
正式名称:カヤフットボールクラブ-イロイロ
設立:1996年
ホームタウン:イロイロ市
本拠地:イロイロ・スポーツコンプレックス(7000人収容)
※ACLでは首都マニラの「リサール・メモリアル・スタジアム」(1万2873人収容)をホームとして使用
昨季リーグ成績:1位(18勝1分3敗、勝ち点55、70得点20失点)
今季リーグ成績:未開幕(新シーズンは2024年開幕予定)
フィリピン・フットボールリーグ最高成績:優勝(2022-23シーズン)
コパ・パウリーノ・アルカンタラ(PFLカップ)最高成績:優勝(2018年、2021年)
最近5試合の成績
9月25日(月) PFLカップグループステージ vsファーイースタン大学(A) ◯1-5
得点者:マル・ディアーノ(4分)、エリック・ギガント(12分)、フアン・メディーナ(14分)、アブー・シー(74分、77分)
9月29日(金) PFLカップ準々決勝1stレグ vsフィリピン大学(H) ◯3-0
得点者:ハーヴェイ・ガヨソ(14分、53分)、ロベルト・ロペス・メンディ(87分)
10月3日(火) ACL vs仁川ユナイテッド(A) ●0-4
得点者:なし
10月8日(日) PFLカップ準々決勝2ndレグ vsフィリピン大学(A) ◯0-8
得点者:マル・ディアーノ(40分)、堀越大蔵(43分)、ユスティン・バース(44分)、アブー・シー(47分)、ロベルト・ロペス・メンディ(63分)、カート・ダイゾン(86分)、エリック・ギガント(89分、90分)
10月21日(土) PFLカップ準決勝1stレグ vsスタリオン・ラグーナFC(H) ◯2-1
得点者:アルネル・アミタ(59分)、ユスティン・バース(62分)
※得点者はカヤFCイロイロの選手のみ
監督
コロム・カーティス
1989年10月21日生まれ、34歳。北アイルランド・ベルファスト出身。9歳から15歳までマンチェスター・ユナイテッドの下部組織に在籍した経験を持つが、イングランドではプロになれず。故郷の北アイルランドでプレーする傍らでコーチングキャリアもスタートし、25歳で現役を引退すると中国で本格的に指導者へと転身した。その後、カンボジアへ渡り2020-21シーズンに同国トップリーグのヴィサカFCで監督に就任。2022年11月にUEFA PROライセンス(欧州最高位の指導者資格)を取得し、2023年8月にカヤFCイロイロの監督となった。ボールポゼッションを重視し、対戦相手によってシステムを柔軟に変えて戦うことを好む“戦術オタク”的な指導スタイルでキャリアを築く。
アシスタントコーチ
星出悠
1977年8月16日生まれ、46歳。東京都板橋区出身。三菱養和SCユースや明治大学を経てYKK APサッカー部(のちに北陸電力サッカー部アローズと統合しカターレ富山に)でプレーするも、日本ではプロになれず。2008年に海外へ拠点を移し、アメリカやトリニダード・トバゴ、インド、そしてフィリピンでプロサッカー選手としてのキャリアを築いた。2019年に現役を引退すると、カヤFCイロイロのアシスタントコーチに就任。翌2020年より監督を務め、クラブ史上初の2021年のACL本戦出場権獲得に導いた。2022-23シーズンはフィリピン・フットボールリーグ初優勝。ただ、ACLでの指揮に必要なAFC PROライセンス(アジア最高位の指導者資格)を保有していないため、カーティスに監督職を譲りアシスタントコーチに。二頭体制でチームを率い、選手やクラブ首脳陣から厚い信頼を集める。
基本戦術
基本システム:3-4-3
カーティス監督と星出アシスタントコーチが率いるカヤFCイロイロは、試合の対戦相手によって複数のシステムを使い分けている。そのため「基本システム」と言えるような明確な形はない。
どのシステムであろうと重視するのはボールポゼッションだ。試合を通して主導権を握り、相手を押し込んで前線の外国人選手たちの得点力を活かす攻撃サッカーで覇権を握っている。
一方、アジアの戦いは彼らにとって極めて難しいもののようだ。2021年のACLグループステージは6戦全敗。今大会での初勝利を目指しているが、すでに山東泰山と仁川ユナイテッドに連敗している。ACLでは対戦相手との実力差があるのはもちろん、国内で常に主導権を握れる環境にいることで、守備的に振る舞って粘り強く戦うことを苦手としている。
ACLと同じ水準をフィリピン国内でも維持したまま戦いたいが、今年は下半期にリーグ戦が組まれていない。というのも、2022-23シーズンは秋春制だったフィリピン・フットボールリーグ(PFL)が2024シーズンから春秋制に変更となるため、現在は移行期間の真っ只中なのだ。
しかも、PFLでは昨季途中に2クラブが棄権(脱退)。現在は5クラブしかなく、これまでPFLカップとして開催してきたコパ・パウリーノ・アルカンタラを拡大し、2024シーズン開幕に向けて新たなリーグ参戦クラブを募ろうとしているという。
ただ、コパ・パウリーノ・アルカンタラでの戦績を見ると、大学チームなどとは埋め用のない実力差があるのは明らか。下半期は国内でこうした格下のチームとの対戦が続き、ACLのたびに要求される基準の高さに苦しんでいる。マリノス戦も自陣で守備をする時間が長くなると予想されるだけに、カヤFCイロイロにとっては厳しい戦いとなりそうだ。
マリノスはどう挑むか
おそらく90分を通してマリノスがボールを握り、押し込んでいく展開になるだろう。選手たちがさまざまな場所で発言しているように、初戦の仁川ユナイテッド戦で4失点を喫したカウンターには気をつけなければならない。
だが、カヤFCイロイロの場合はそのカウンターの精度や回数も仁川ユナイテッドに比べて劣る。ならば、直近の北海道コンサドーレ札幌戦のように勇気を持って最終ラインを高く設定したい。全体を敵陣に押し込み続け、ボールを失ったらハイプレスで相手のミスを誘う。そして、いい形でカウンター攻撃に移らせないといった試合運びが求められるだろう。
マリノスは週末の土曜日にJ1第31節のアビスパ福岡戦を控えている。優勝争いも佳境を迎えているうえ、中2日でのアウェイゲームとなると、リーグ戦での主力メンバーに無理をさせられない。負傷者が相次いでいる状況を考えると尚更だ。
今回のカヤFCイロイロ戦では、札幌戦から大きくメンバーを入れ替えることが予想される。その構成しだいでは、3バックへのシステム変更もありうるだろう。そんな中でチャンスをつかんだ選手たちが結果を残し、手応えのあるプレーを見せることができればシーズン終盤に向けて大きな成果となる。試合に勝つことだけでなく、出場したメンバー個々のパフォーマンスとチームのために爪痕を残そうとする積極的な姿勢にも注目したい。
カヤFCイロイロの予想スタメン
ACLグループステージの初戦・山東泰山戦は4-3-3、第2戦・仁川ユナイテッド戦は中盤にアンカーを置く3-5-2と、やはり複数システムを使い分けている。ただ、カーティス監督がボールを支配して規律のある攻撃をしてくるとマリノスを高く評価していると考えるならば、5バックで守備的に振る舞うこともできる3-5-2を採用するのではないだろうか。
ディフェンスラインはフィリピン代表選手たちが並び、中盤には欧州育ちのバースやアンゲルス、そしてアルゼンチン出身のセンドラが構える。前線は堀越を基本として、ひとまずはフィリピン代表のガヨソが先発と予想する。
セネガル人のアブー・シーが先発起用される可能性も十分にあるだろう。同じくセネガル出身のベテランストライカー、ロベルト・ロペス・メンディはベンチからチャンスを窺うことになりそうだ。
予想スタメンは以下の通り。
GK
1 クインシー・カメラード
DF
12 マル・ディアーノ
44 アウディ・メンジ
23 シモーネ・ロタ
MF
22 フィッチ・アルボレダ
8 マルウィン・アンゲルス
16 ユスティン・バース
21 リカルド・センドラ
13 へスース・メリーザ
FW
18 ハーヴェイ・ガヨソ
20 堀越大蔵
注目選手
FW 20 堀越大蔵
1996年9月14日生まれ(27歳)
神奈川県逗子市出身
2019年に東海大学からアルビレックス新潟シンガポールへ移籍し、プロサッカー選手としてのキャリアをスタート。ルーキーシーズンはシンガポール・プレミアリーグのベストイレブンにもノミネートされる活躍を披露し、2020年にフィリピンのカヤFCイロイロへ完全移籍する。2022-23シーズンは15得点19アシストという驚異的な成績を残し、得点王にアシスト王、そしてリーグMVPと個人タイトルを総なめ。カヤFCイロイロにとって初めてのリーグ優勝に大きく貢献し、自信2度目となるACL本戦出場のチャンスをつかんだ。
持ち味は左サイドからのスピードを活かした突破と、ゴール前での決定力。宮市亮やエウベルのプレーを参考にすることもあるという。そして、マリノスとの一戦は、家族や友人たちの前でプロサッカー選手としてプレーするという夢が叶う特別な機会だ。神奈川県が地元であるのはもちろん、11歳の時にJFAファミリーフットサルフェスティバルに出場して横浜国際総合競技場のピッチに立った経験もあり、マリノス戦に出場すれば同競技場でのプレーは15年ぶり。3人兄弟で、末弟の堀越泰河はかつて横浜F・マリノスプライマリー追浜に所属していた。
DF 23 シモーネ・ロタ
1984年11月6日生まれ(38歳)
フィリピン出身
長年フィリピン代表にも名を連ねているベテランDFだ。もともとは右サイドバックを本職としているが、カヤFCイロイロではセンターバックを務めることが多い。生後2ヶ月で孤児院に預けられ、幼少期にイタリア人夫婦の養子となってイタリアに渡り、プロサッカー選手となった。この壮絶な人生は『Journeyman Finds Home: The Simone Rota Story,』という映画にもなっているという。2014年から生まれ故郷のフィリピンに戻り、代表選手としても活躍。現在は自らの生い立ちにも深く関係している孤児院への慈善活動などにも積極的に関わっている。
まとめ
グループステージ初戦はホームで仁川ユナイテッドに敗れたが、決勝トーナメント進出のためにはこれ以上負けられない。特にホームゲームで勝ち点を落とすようなことがあれば、シーズン終盤に差し掛かったリーグ戦にも少なからず悪影響を及ぼすだろう。
マリノスは負傷者続出と過密日程という困難の中で、普段出場機会の少ない選手たちにチャンスを与えるだろう。彼らがカヤFCイロイロ戦で今後につながるパフォーマンスを見せてくれれば、この苦境も必ず乗り越えられる。相手との力の差は関係ない。どんな形であろうと勝ち、希望をつかむための重要な一戦だ。
チケット情報
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