角田涼太朗が明かした“笑顔の守護神”の心遣い「すごく心配してくださって…」【無料記事】
相手GKと衝突して下顎骨骨折
横浜F・マリノスの練習に角田涼太朗が帰ってきた。
10月15日に行われたYBCルヴァンカップ準決勝第2戦の浦和レッズ戦終盤に、相手のGK西川周作と衝突して負傷。下顎骨骨折と診断されて手術を受けたが、現在は早期復帰を目指して特注のヘッドギアとマウスピースを着けながらトレーニングに励んでいる。
勝ち上がりの可能性を信じてゴールを目指し、リスクを冒したが故の負傷だった。2戦合計スコア1-1で迎えた後半アディショナルタイムの91分に浦和がアレクサンダー・ショルツのPKで勝ち越し。マリノスとしては、残された時間で1点でも返せば延長戦に持ち込める状況でアクシデントが起きた。
残り時間わずかとなった98分、ゴール前に残っていた角田は、ヤン・マテウスが左サイドから上げたクロスに頭から飛び込む。するとパンチングでピンチを逃れようとしたGK西川と激しく衝突。2人はピッチに倒れ込んだ。
じきに西川は立ち上がったが、近くで治療を受けていた角田は全く起き上がれない。そのまま担架でピッチの外へ運ばれ、直後に試合終了の笛が鳴った。マリノスは2戦合計スコア2-1でルヴァンカップ準決勝敗退となった。
ヘッドギアを着けてチーム練習に部分合流した11月2日の練習後、報道陣の取材に応じた角田は負傷した当時の状況を次のように振り返った。
「意識が飛んだのは一瞬だったので、記憶がないとかはないんですけど、あの後、運ばれてから口が閉まらなくて……」
この先にも負傷当時の様子を詳しく明かしてくれたが、文字にするだけでもグロテスクなので、ここまでで留めておく。彼の言葉によると、口の中も相当ひどい状態になっていたらしい。
すぐに病院へ搬送され、診断は先に述べた通り「下顎骨骨折」。受傷の2日後に手術を受けて「最初はそれこそ本当にゼリーみたいな、おかゆと呼べるかどうかもわからないものを食べていた」という。とはいえ医師や病院が角田の意思を尊重する形で早めに退院することができた。
角田涼太朗が明かした西川周作とのやりとり
今回の怪我に関して、その場面で衝突する形になった浦和のGK西川ともすでにコミュニケーションを取っているという。衝突の直前に危険を感じた西川はパンチングのための腕を引っ込めており、ルヴァンカップ決勝進出の権利をつかみ取った直後のミックスゾーンでも角田の状態を気にかけているようだった。
「西川選手はSNSのメッセージを送ってくれていました。でも、自分はその時全然余裕がなかったので、見られなくて…」と明かした角田は、次のように続けた。
「浦和時代に(西川と)一緒にやっていた榎本コーチ(榎本哲也アシスタントGKコーチ)を通じて電話でも話して、すごく心配してくださっていました。でも、本当に故意とかそういうレベルの話ではないので、試合中に起こってしまった仕方ないことです。
本当に心配してくださったので、まず西川選手に怪我がなくてよかったなと。自分も幸いまたピッチに戻れるレベルではあったので、連絡をくださった際には『お互いにまた頑張ろう』という話をしました」
今季はもうマリノスと浦和の対戦がないため、2人が次に対戦する機会は来季が開幕してからになる。角田と西川が共に元気な姿で再会を果たし、笑顔で健闘を称え合う時を楽しみに待ちたい。