自分の中の小さな100人に聞け!
心の中の自分というテーマは自己啓発関係の本とかに書かれているセルフコントロール的なイメージを持たれるかもしれないけど、僕の心の中の自分はちょっと違うのでちょっと書いてみようと思います。
普通は悩んだり困ったときに自分の心の中でもう一人の自分と話すことが多々あると思う。
ネガティブな自分を優しい言葉で励ましてくれたり、調子に乗っている自分を声を大にして戒めてくれたり。
大切なもう一人。で、その心の中の自分に弱音を言わせないとか。インナーチャイルドを癒せとか。
でも僕の感覚はちょっと違っていて心の中に「100人の小さな自分」がいる。そいつらはいっさい話さないが、いちいちリアクションしてくる。そしてそいつらの反応を見て物事をいつも判断している気がする。いつからそんな感覚を持ったのかはわからないが、奴らはかなり臆病なことは確かだ。
にやけたり、爆笑したり、泣いたり、怒ったり、ざわついたり、うなずいたり、うつむいたり、喜んで歓声をあげたり、、、ナニかクリエイティブな作業を始める時は特に忙しい。そして僕はいつもその反応を見てモノゴトを進める。
その100人の自分のイメージは黒い全身スーツを着ていて顔はもちろん全員自分。(ちょっとキモい)そして身長はだいぶ小さい(30cmくらい)。
全員背中を向けていて、興味があると一斉に振り向く姿は圧巻だ。
100人が同時に同じ動きはしないが(中には自由に反抗している奴もいるので)僕は大体の目分で過半数を取ったり、表情を見たりしている。
そいつらは時に自分自身のファンたちであり、時には全員で牙をむくアンチになる。
だけど思えば今までこの「100人の小さな自分」に随分と助けられたものだ。
企画の時は面白いことを思いつくと奴らの反応を見てみる。笑っている奴の中に混じって感心している奴がいる時はだいたい良い企画(プレゼンに通りやすい)が多い。
逆にやたらテンションが高い奴らばかりだと企画倒れっぽい。
でも、ほとんどが首を横に振っているのに、数人が目をうるうるして見つめていると採用することもある。多数決じゃないのも特徴なのだ。
そしてつまらなければこちらを見てもくれない。背中を向けてる。
夜中に一人でこんな感じで企画を作っているのだが、心の中の一人とずっと話しているのなら寂しいけど100人もいるから賑やかだ。
いるとすごく助かる
時に映像監督は各現場(プレゼンや撮影、編集)で速攻の判断力を求められる。自問自答している暇はないのだ。でもそんな時にこの100人は役に立つ。言葉は発しないがリアクションでわかるのだ。
迷いがあったときは振り返って100人の顔を見ればわかる。下手すれば振り返らずとも背中で感じる空気でわかる時もある。
正しいか、正しくないか、いけてるか、いけていないか。奴らのリアクションで判断しているから、言葉でやり取りしない分スピード感がある。そしてその感覚が身に付くとどんな場面でも役に立つ。
ではその100人を得るにはどうしたらいいのか。僕は気がついたら自然に自分の中に「100人の小さな自分」がいたのだが、これから欲しい人はどうしたらいいのか。教えますね。
一番の近道はまずは心のざわつきを人格化してみることかもしれない。
よく考えてみて欲しい。心に言葉を超えた感覚を与えているのは一人の仕業じゃないはずだ。ドキドキするとかザワザワするとかホワホワするとか。
僕は心の中で何人もがうごめいて与えていると思う。その心のざわめきを100人の小さな自分が引き起こしている想像をしてみるのがいい。
こそこそ話していたり、空気読まず騒いでみたり、シクシク泣き出したり、太鼓を叩き出したり。100人が一斉にやっているのだ。心のざわざわはここから来てるに違いない。
だから「心のざわつき」=「100人の小さな自分の仕業」って想像すればいい。
ちなみに奴らが着ている服は個人の想像に任せる。
でも感覚は「自分」=「100人の小さな自分」でいつでも対等な感覚。奴らの数が多いからって忖度は無い。
で、実はこの「100人の小さな自分」がいる感覚を得ることがクリエイティブに必要だということを言いたい。ひとりとの自問自答ではダメだからだ。
いつか詳しく話すが、心の問いに理屈で聞いたらたら理屈でしか答えが出ないってこと。つまり答えが自分の感覚にならない。理屈はクリエイティブになりにくいのだ。
でも、理屈がいけない訳ではないけど。
答えは感覚で得るのが一番
「100人の小さな自分」がいれば心の自分と話すのは言葉じゃなくてもリアクションで会話が成り立つ。その感覚を覚えてほしい。
いつも100人の観客の前でライブをしている感じ。瞬時に反応を感じ取る。
それを常日頃から想像しているといつからか100人の頼もしい仲間たちがそばにいてくれる。
それに自分の心の中に一人しか相手がいないなんて寂しいじゃないか。
自分の心の中に「100人の小さな自分」を持ってみる。
生きる力になってくれるので是非やってみてほしい。