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群馬支部練習日記(2001.12.15)

2001/12/15(晴れ)浜川運動公園
参加者( )内は新しくやったこと、名前の順は練習に来た順

松本(幇手)
関口(幇手)
片山
山岸(幇手)

天気は良いが、上州名物「からっ風」が吹いていて、体感温度はかなり低い。そんな訳で公園は我々の貸し切り状態。
動いていないと寒いので、いつものように基本功からさっさと始める。揺臂法、揺腕法、開合、悠帯。
悠帯は、なるべく肘が頭の後ろに行くように腕を振上げ、これ以上ダメっ!ってところで肘から先を折って、背中を叩く。
片手でやっても両手交互にやっても良いが、両手交互の方が同じ時間で倍の回数出来るから良いような気がする。
揺腰法。立ち方は馬歩。少し前傾し身体を左右に回し、腕を自然に身体にまとわりつかせる。上になる腕は首から肩、下になる手は脇腹に当たる。ビタンと手が当たることによって、少し排打功的意味がある。踵は浮かさず、顔は斜め後ろを見る。踵を上げ、顔は正面という人もいるが、うちではそうしない。
五行掌を移動しながらの練習を終えた所で小休止。汗はかいてるけど、風が強いので直ぐに冷えてくる。
対練タイム。うちのノーマル三合炮(摔拍鑽)を終え、次は、拍鑽の王耀亭三合炮。

王耀亭三合炮

引手から補手拍、すかさず鑽。そして逆の引手になり、さらに拍鑽。補手をなるべく押すようにして、相手の身体のそばに残すと次の鑽拳がとても早くなり、受けとしてはイヤな技だ。受ける方は、拍は架手か穿、鑽は逆の幇手。幇手は揺腰法の技の意味。肘を落として腕を少し曲げ、手首も曲げて手を少し斜めにし、相手の中段攻撃を横へ払う。狙うのは相手の肘。しかし、気をつけないとそれほど力を入れていないつもりでも、相手の肘に結構負荷がかかる。

幇手


師父は于少亭師爺にこの技で肘を折られている。ちなみに、その時の師父の感想は「わたし、その時、嬉しい思いました。」。
自分の先生が本当にスゴイ!と思ったのか、ここまで真剣に教えてくれていると思ったのか。
話しはそれるが、于少亭師爺かなりの偏屈オヤジだったようで、弟子はいろいろと苦労したらしい。
昨年、師父の師兄の劉延善老師(我々から見ると師伯)をお招きした時も、師父とその辺りの昔話をいろいろとしていた。
「遠いところ、于老師の家に練習に行っても、老師の機嫌が悪ければ、何も教えてもらえず、帰らされた」とか
「お土産にタバコを持っていったが、その銘柄が気に入らなかったのか、目の前で捨てられた」とか。
これだけ聞くと「なんてイヤなヤツっ!」って感じだけど、師父が結婚する時、お金がなくて困っていたら「これで式を挙げろ」と200元をくれたそうだ。当時の200元と言ったら、一般の労働者の何ヶ月分かの給料に相当するハズ。
それを聞いた劉老師は「あのケチな于少亭が!」と、とても驚いていた。
それほど常松師父は于師爺に可愛がられていたのだ。
王耀亭三合炮で使うのは、この幇手の逆の使い方。通常右手で幇手する時は、右から相手の左手を払うが、逆の時は、右手で相手の右手を左から払う。状況に応じて使分ける。
松本くんはそろそろ散手(自由組手)をしても良い頃なので、少しずつ始めている。

散手(自由組手)


散手をどのくらいから始めたら良いかはいろいろな考えがあるだろうが、ボクとしてはまぁ割と早い時期から少しずつやっていって良いんじゃないかと思っている。
松本くんは通背を始めて半年くらい。初めは上級者に手加減をしてもらいつつ、いろいろと技を試して行く感じ。素手素面のライトコンタクト。
いつもは特に制限をしないで、自由にやってもらってるが、今日は、先日の講習会で村松師兄から教わったやり方を少し試す。
まず、攻めと受けを決め、攻めは一発と制限する。一発と言っても構えから摔出して終わりとか言うんじゃなくて、決め技を一つということ。
それを決めるまでのフェイントなどは数えない。流れの中で最終的に一つ決めるまでだ。
それをしばらくやったら、少々やり方を変える。
攻めと受けは一応決め、一発というのも同じだが、もし、攻め側にスキがあれば、受けが攻撃して構わない。攻撃された後の反撃(返し技)もOK。これだと攻める方にも緊張感が出る。

散手(自由組手)


片山相手にやってもらったが、まだ松本くんは人を殴ることに慣れていないのか、少々遠慮がち。攻撃が相手に届かないことが多い。自分で思っている以上に近くに寄らないと攻撃は当たらない、当たらない攻撃は全然怖くない、少しくらい強く打っても人は大丈夫、と話す。
さらに、またまた村松師兄から以前言われたこと「散手もはじめは「相手を倒す」のではなく、「自分の技術を試すため相手が動いてくれる、相手が捌いてくれる、隙あらば攻撃してくれる」というサンドバックよりありがたい存在として相手に感謝する。そういった信頼関係が必要で、それによって恐怖心を無くしていく。」をみんなに話す。
山岸くん、関口くん(近々結婚する予定。奥方の父上に会いに行くため、無精ひげを剃ってしまったので、戒律の厳しい寺の修行僧のような風貌になってしまった。結婚後も練習を許可してください>奥様)は、まだ散手は早そうなので別メニュー。
関口くんは空手の有段者で組手経験もあるので散手はできるだろう。しかし、まだ通背拳の動きが身についていないので、今散手をやれば、空手の動きになってしまいそうなので、もうしばらくはガマンしてもらうつもり。いずれは、通背も空手も関係なく、好きな技を使えば良いと思う。
二人は、先週やった蹴りの受けをやって、その後は、秘宗拳の摔法をやってもらった。

秘宗拳の摔法


最後は套路を少し。片山は三十六手の復習。だが、後半忘れ過ぎ。練習しておけ。
松本くんは小擭掩の順番は憶えたようなので、緩急を考えて練習して欲しい。早くするとこ、ゆっくりするとこ、止めるとこ、技の意味をよく考えて。

竹影清風 わたる/新井 亘 2001.12.17

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