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『源氏が勝つとは限らない』元号転生バトルロイヤル

埒があかないと篤胤は考え「切り替われよ」と強く願い、胤通の眼が片目だけ朱い状態から見る見るうちに両目とも朱い眼となっていった。

そして直球勝負と気合を入れて単刀直入に頼朝へ問いを投げかけた。

「頼朝様はこの平氏が横暴を振るう世に、かっての源氏の棟梁の血筋として期が満たせば東国の武士を従え、立ち向かおうとされるおつもりはございましょうや」

頼朝は唐突な問いに少し躊躇いつつも返した。

「平時の乱にて源氏が敗れてはや20年。私の元に時折そのような願いをぶつけてくるものもいた」

「今や伊豆へ幽閉され生き永らえている私にずっと慕ってくれている妻の政子や義父の北条時政に世話になっている身。今の私にはそのような事に答えれるだけの器量も想いも足りない」

「平氏の統べる世に私が拳を振り上げれる余地はない。もし仮に源氏の元に今の世で虐げられている者たちが集うことが必要であれば、他にも血筋のものはいる故、別の神輿を担がれよ」

篤胤としては鉄槌で殴られた様な感じがした。

自分が知っている頼朝の挙兵の話とはいったい何だったのか。

自分の父親がよく篤胤に話していた「常胤と息子6人は源頼朝と共に挙兵して~」という話からは全く想像もしなかった返答である。

篤胤は聞き返そうとしたが胤盛が止めに入った。

先ずは頼朝に無礼を詫びつつ篤胤の耳そばで「平氏側の誰か聞いているかもしれぬ。ああとしか頼朝様も答えれぬことも察しなさい」と怒気交じりで囁いた。

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