千葉篤胤の転生記_03~治承・寿永の乱
篤胤は更に常胤に色々と確認した。
千葉氏は平氏一門だったこと
東国の平氏の多くは20年前の騒乱で源氏側についたこと
敗れはしたが下総は京から遠いので特に咎めなく今に至ること
いまの世を謳歌している平氏とは西国平氏とのこと
また、下総の隣国である上総には東国最強の上総広常という武士がいて、上総家と千葉家は遠い親戚で親しいらしい。篤胤はそれもあるから西国平氏は手を出してこないのではと思った。
千葉氏は下総一帯を全部束ねている訳ではないらしい。下総にはもう一人、藤原親政が治めている地があり、親政は藤原の血統で奥さんが西国平氏の棟梁である平清盛の妹と来た。しょっちゅう千葉氏と藤原親政は揉めてるらしいが、なかなかハードモードである。
篤胤なりに現状の整理ができた。まず千葉氏だけで挙兵は無理。これは完全に上総と連合組んでしか道はない。地図も見せてもらったが、伊豆から海路で頼朝がくるとしたらそれは上総より南の安房に着くので下総来るにも上総を通らないと来れない。
常胤は篤胤にこれからどうしたものかと聞いてきたが、篤胤も今の時点でなにが起こるかも出来るかもないので答えれなかった。「頼朝が挙兵」その前は一体なにがあったのか。篤胤は歴史の授業の光景を思い出すもなにも浮かばず、そもそも教科書になぜ挙兵したのかなど載っていなかった気がする。
ただ挙兵自体はもう何年もないうちに起こるのは史実なので、早めに上総家とは協議はしたいところではある。
今すぐになにか出来ることを取り組める状態でもない。どうなっているかの理解は深まった一日だったが、ではなにをするかはなにもない一日でもあった。
とはいえ、篤胤にとっては胤道としてこの時代を生きていく決意をした一日でもあった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?