2軍の試合を観る
2024年6月19日(水)
日本ハムファイターズの2軍本拠地である鎌ヶ谷スタジアムにて2軍の試合を見てきた。これが結構楽しかったのでここに記載しておく。
そもそも2軍の試合に興味を持ったのが、今季から2軍に参入したオイシックスの試合が見たいからだ。特に元オリックスの吉田一将投手は日大→JR東日本出身という私に似た経歴で、オリックス時代から応援している。他にも陽岱鋼選手など、1軍でバリバリ活躍していたレベルの有名選手も複数所属しており、前所属球団を戦力外になっても野球を続ける姿を見ることができるのが魅力だ。
元々は6月15日に、ロッテ浦和球場でロッテ-オイシックスの試合があるのでそちらを観ようと思っていた。2軍の球場は大抵アクセスが不便で、駅からバスということが多い。そんな中で、浦和球場は埼京線や新幹線からもロッテと書かれた建物が見える通り、武蔵浦和駅から徒歩10分ほどと、割と行きやすい。
では浦和球場のチケットはいくらだろうと調べてみると、「入場無料です。ただし座席はほとんどありません。譲り合ってご観戦ください」とのこと。定員300人で、立ち見になることもよくあるらしい。
よくよく調べてみると、2軍の観戦設備は球場により大きく異なり、特にロッテ浦和球場は客席がほぼない、観戦に不向きな球場だ。これは2軍の施設を移転する計画が出ているのも分かる。
それでは千葉県内にあるファイターズ鎌ヶ谷球場はどうかと思い調べてみると、座席も多数あり問題なく観戦できるようだ。こちらに行ってみよう。
しかし鎌ヶ谷球場、かなりアクセスが不便な場所にある。
野田線の鎌ヶ谷駅、北総線の大町駅、武蔵野線の船橋法典駅、総武線の西船橋駅からバスという状況だ。
私の住む四街道からは西船橋からバスが最も行きやすいが、西船橋のバスは本数がそんなに多くない。どのくらい乗る人がいるのだろうか。
11時02分発に乗車。これに乗れば試合開始1時間前に着く。バスは空席がいくつかある状況で、球場まで乗った人は5人ほど。西船橋から行く人はそんなに多くないようだ。
30分ほどの乗車で鎌ヶ谷球場に到着。同じくらいのタイミングで鎌ヶ谷駅からのバスが着いたが、こちらは立ち客も多数いた。また、駐車場もあり、マイカーで来る人も多いようだ。
まずはチケットを購入。席の種類は8種類。バックネット裏でも2100円という破格なので迷ったが、内野自由席を購入。1300円。
入場前に球場内の設備を探索。まず驚いたのは、飲料の自販機が通常の価格で営業していること。野球場では大抵、数十円高い価格で売られているものだ。そしてグッズショップやフードショップもある。飲食メニューも思ったほど高くない。いざ入場。入場ゲートは1ヶ所のみ。しかし特に混雑もなくスムーズに入場。手荷物検査もない。
鎌ヶ谷では下段が指定席、上段が自由席となっていて、半分くらいが自由席ということになる。席はガラガラとまではいかないが、席数に対して2割くらいの客入り。自由席なら気分次第で好きな場所を選べて、移動も自由、しかも上段とはいっても全20列の11列目以降くらいが自由席といった感じで、全然グラウンドまでの距離は近い。これは自由席がおすすめだ。
いざ試合開始。場内アナウンスはあるし、ファイターズの選手は登場曲もある。そのあたりは1軍の試合と変わらない。しかし、1軍の試合にあるような外野席の応援団はいない。応援歌を歌って応援するのが好きな野球ファンが多数いるのは承知だが、私自身はそういった行動をするよりもっと集中して野球のプレー自体を見たい派だ。応援がないので、キャッチャーのミットにボールが収まる音、バットにボールが当たった音、審判のコールの声、選手同士の声のかけあいなどがよく聞こえてくる。特に人の声というのは応援にかき消されがちで、こんなに選手たちは声を出しながらプレーしていたのかと実際に2軍の試合を観戦して実感した。
また、応援歌自体はないものの、ヒットやアウト、良いプレーごとに拍手がおこる。なんだか、これこそ本来あるべき野球観戦の姿ではないだろうか。
周囲の音が静かということは、観客同士の会話も結構聞こえてくる。特に、印象に残ったのは「孫が選手なので見に来ていて…控えで今日は出ていないのですけど」という声。オイシックスの捕手、片野選手の祖母のようだ。片野選手は千葉県出身で、市立船橋高校から上武大学を中退後、オイシックスに入団したという経緯で、地元での試合を観に来たということだろう。スタメンではなかったが、途中から出場しタイムリーも放ったので祖母も大喜びだろう。しかし選手の親族がその辺にいる2軍の球場、すごすぎる…。
そんな中で、デメリットもある。2軍の試合は基本的に平日でもデーゲームで、晴れているとかなり暑い。観客の皆さんも暑い暑い言いながら観ていた。私も実際のところ、見たい選手が出る回を見たら一旦席から出て裏の通路の日陰に避難する、といった動きを繰り返しながら観戦していた。チケットが安いので、それでも全然損した感じはしないし、客も少ないので気軽に席を立てる。
最終的に9-2で日本ハムの勝利となったが、初の2軍観戦、想像以上に満足の結果だった。2軍というとレベルが低いみたいなイメージがあるが、そんなことはない。1軍と2軍を行き来している選手の成績を見てみると、1軍の打率と2軍の打率がそんなに変わらなかったりする。プロ野球選手になれている時点でかなりレベルは高く、本当に紙一重の技術の差が1軍と2軍の差なのだろうと思う。
プロのハイレベルな試合を手軽に観られるので、2軍の観戦は野球観戦初心者にもかなりおすすめできると感じた。そんなに選手の名前などに詳しくなくても気軽に楽しむことができる。逆に、2軍の選手名まで覚えているくらいの超上級者にもおすすめだ。なかなか1軍の試合に出場しないあの選手の活躍している姿をしっかりと観ることができる。
今回は残念ながら冒頭に書いた吉田一将投手の登板を見ることはできなかった。2軍の球場は全然行ったことがないので、他の球場も含めてまた時々オイシックス戦を観に行こうと思う。