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「何か質問ありますか?」が苦手

先日の都知事選では「石丸構文」というものが話題になった。端的に言うと、「質問を質問で返す」というものだ。石丸さんはやりすぎだとは思うが、問いかけられた質問の意図がよく把握できなかった場合は質問で返すこともあるだろう。
そして私自身、何か質問をしなくてはいけない場面で適切な質問をするのが苦手だ。

例えばどういうことか。駅などの職場でも、新たな仕事内容があるときなど、「勉強会」が開かれて上司から部下へ作業手順などが伝達される。

例として、架空の勉強会を開く。分かりやすいように、皆さんもよく知る青春18きっぷが今夏から新規に導入されるものとして、それについて勉強会を行う。

上司「このきっぷは1枚で5日分のフリーパスになっていて、その日の最初にスタンプを押します。自動改札は通りません。」
「0時を過ぎて最初の停車駅まで有効で、電車特定区間内は終電まで有効です。」
「普通列車のみ利用可能で、特急は特急券を買っても乗れません。」
などの、18きっぷの様々なルールを部下に説明する。
そして最後に
「ではこれで以上ですが、何か質問はありますか?」
この「質問はありますか」という問いかけ自体は良いが、ここで何かしら質問しなくてはいけないような雰囲気が現在の世の中に蔓延しているように感じる。
想定される物事を部下に分かってもらうように説明してるのだから、質問が出なかったら完璧な勉強会を開けたということでよかったよかったと終わるべきではないか。むしろ、ここで知らないとまずい重大事項に関する質問が出てしまったら、逆に勉強会としては大失敗だろう。
そして質問がないと、大抵「綿貫くん、何かないのかな」のように指名されて質問させられる。
そうすると苦し紛れに「特急は乗れないという話でしたが、新幹線ももちろんダメですよね」みたいな下らない質問が完成する。
しかも、最後に質問させられるのが分かっているので、勉強会の内容を理解しようとするより、何か質問に繋げられる項目はないかという余計なことを考えながら話を聞くことになり、逆効果だと考える。
たまに、「電車特定区間は終電まで有効とのことですが、0時過ぎに千葉を出て電車特定区間外の都賀まで乗車、0時過ぎに都賀から戻ってきて津田沼まで乗った場合の精算は?」など重箱の隅だけど確かに勉強会で説明されないような質問が出るかもしれないが、そこまで踏み込んだ質問ってその場でパッと出るものではないことが多いだろう。
理想としては、説明する側は質問が出ないようにしっかり内容を作り込んでおく。そして最後に質問ありますか、という時間は設けるものの、質問の強要はしない。代わりに、後日でも不明点があれば質問できる環境を整えておく。
もし時間が余るようなら、直接関係しないけど関連する話題を話して時間を埋める。
これが理想ではないかと前々から思っている。

上記は勉強会が舞台だったが、就活の面接の場でも定番の「何か質問はありますか」ももちろん苦手だった。特に、会社説明会で聞くのはまだ分かるものの、最終面接で質問ありますかって言われても。逆に今まで質問するチャンスは何度もあったのに、ここで質問する方がどうかしてるんじゃないの?いま初歩的な質問をしたらバカっぽいから減点しますよってことだろうか?どういった回答を想定してるのだろうか?
といつも思っていた。聞かれるのは分かりきってるので、それっぽい質問を用意するのも手だが、私は最終面接の場で質問したことはない。代わりに、「会社説明会などで不明点は全て解消させていただいたので今この場でする質問は特にありません、内定しましたら地域の皆様のために貢献して参りますのでよろしくお願いします」みたいなありがちな意気込みを一言添えていた。とりあえずそれで内定したのでダメな例ではなかったということだろう。

全体として、質問する必要がないのに質問しなくてはいけない状況な結果、質の低い質問が生み出されるみたいな状況は世の中に結構あるのではないか。
そこを質問しなくても良くするだけで、だいぶスムーズにコミュニケーションが行えるのではないかと日々考えているので、徐々に世の中がそうなっていくことを願う。

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