10時打ちに失敗した理由
ちょうど1ヶ月後の12月17日は私の誕生日で、その前日の12月16日にWEST EXPRESS銀河の下関行きが走るので、誕生日を寝台列車で過ごすのも良いものかと思い、10時打ちをすることにした。ファーストシートは以前乗ったので、2名個室(プレミア2)を狙うことにする。
以前10時打ちに関する記事を書いた通り、都心の大きい駅は混雑して厳しいので、関東の外れの小旅行が必要な駅まで出向く。9時半頃に駅に到着、係員は快く受け付けてくれた。5分前くらいに来てくれとのことなので、待合室で待つ。しかし、係員の様子を見ると入力に少してこずっているようだ。ただ、時間まで30分あるので自力で調べて何とかするだろうし、客が口出しするのもあんまり良くないだろうからそのまま待つ。
9時55分、窓口を再訪すると「ちょっと入力が分からなくて、10時に間に合わなかったらすみません」とのこと。
そうきたか、と思いつつ、そんなに難しくない内容なので私も操作を助言する。
寝台列車や個室の操作が分からないというのは大抵、「普通車」「グリーン車」の設定の誤り、「指定席」「個室」の設定の誤り、「定員人数」の設定の誤りが大半で、初期状態だと「普通車」「指定席」「1名」で設定されているのを今回の銀河2名個室の場合は「グリーン車」「個室」「2名」に変更すればよい。この項目をいじることは滅多にないので、失念していて困ってしまう係員は多い。しかし今回はそれを正しく設定したのにエラーが出る。
よく見ると、一番最初の列車名が誤っている。WEST EXPRESS銀河はマルスにそのままWEST EXPRESS銀河という列車名で入っている訳ではない。設備の種類が多いので、設備ごとに違う列車名で入っており、今回の2名個室の場合は「銀河(山陽)プレミア2」という列車名となっている。それが係員の画面だと「銀河(山陽)プレミア1」となっていて、1人用個室を売ろうとしている。プレミア2にして下さいと助言するも、列車名を選ぶ画面でプレミア2を選んでも何故かプレミア1になってしまい、プレミア2が選べない様子だった。ちょっとこれは私にも分からずお手上げとなっていたところ、他の係員が資料を持ってきてプレミア2の選択に成功。時刻は9時59分。ギリギリ間に合ったと思ったら、まだエラーが出る。
画面を見ると、「銀河(山陽)プレミア2 2号」という列車名になっている。色々と試したせいだろう。銀河号は1日に1本しか走らないので、何号という号数はない。2号と入れたらもちろんエラーになる。また、号数を空欄にしてもそのままだとエラーになり、上りか下りかを入れる必要がある。それを指摘し、「銀河(山陽)プレミア2 下り」としてもらい、無事にエラーは解消されたものの10時を過ぎてしまいもちろん満席、10時打ちはバトルに参戦できないまま失敗に終わってしまった。
小さい駅だと操作を知らない係員もおり、こうなる場合があるのは分かっていたので、5分前まで助言しなかった自分のミスだ。係員側も色々と操作方法を調べて「プレミア2」が選べない現象は解消してくれたので責めることはできない。むしろ、人によっては客の助言を聞くのは禁物という感じで聞く耳を持たない係員もいるが、私の助言を聞いて発券しようとして下さった係員には感謝だ。しかし、なぜこのような「入力が分からない」という事態になってしまっているのか。
これは前々から思っていたものの、「わざと窓口業務に必要な研修を十分に行わないことで窓口係員のレベルを下げ、乗客にネット予約や券売機の利用を促進する施策」だろうなと感じる。もちろん、会社も従業員側にストレートにそういう施策です、とは言わないものの、私も働いていてマルス操作に関する研修はほぼなかったので、こんなんでいいの?とよく思っていたが、まあそういうことだろう。
たまに駅でみどりの窓口を使うことはあるが、明らかに自分でやった方が速いと思うことが大半だ。私だって駅にいたのは3年くらいで、私よりもっと実力がある駅員は世の中にいっぱいいるはずなのに、この現実。
窓口で買うとこんなに遅いんだったらネット予約や券売機を使おう、と考えてもらうという方針なのではと思う。
ただ、係員自身は上司や先輩の教えを守り、普通に頑張って働いているだけで、わざを怠けているわけではないのも確かだろう。最終的には窓口は廃止すべきだと私も思うので、そのためにどうするかというと係員のレベルを下げるというのは合理的な施策だとも思うので、まあそういうものだと受け止めよう。
ただ、寝台や個室が買えないことに関しては別に今に始まったことではない。2008年にあけぼのゴロンとシートを土日きっぷで買おうとしたら「買えません」と言われたのが私の初の経験だ。土日きっぷは指定が4回まで取れたので、通常はフリーパスに指定券を発行するモードで指定をとるものの、あけぼのゴロンとはその機能が使えないので、その機能を使わずに指定券を出し、代わりに適当な別の列車の指定を土日きっぷの指定券発行機能で出して★マークをつけるという操作が必要だった。事前に調べてそれを知っていたので、係員にそのように指摘したら無事に購入することができた。
はまなすカーペットが係員が操作を分からず買えなかったのも以前の記事に書いた通り。
この動画でサンライズのソロを購入しているが、これも係員に「満席です」と言われたのを「いや、それはノビノビの空席を見ているのでソロなら空いているはずです」と助言して購入したものだ。唯一残る寝台列車サンライズも銀河と同様、設備ごとに列車名が分かれているので、「サンライズ出雲」で空席を見ようとするとノビノビの空席を見ることになってしまう。ソロを買う場合はサンライズ出雲ソロという列車名にしなくてはならない。
そのため、寝台列車や個室に関しては、鉄道ファン向け裏メニューみたいな側面が大きいようで、売り方に関しては基本的に知らない係員が多い。
みどりの窓口というのは扱える内容の幅が広すぎて、基本的に自駅で多く取り扱う内容だけで教える方も覚える方も精いっぱいなのでそうなってしまう。
買う側としては、事前に操作を把握しておくか、当該列車の停車駅など販売が多数ある駅でないと購入するのは難しいというのが現実だろう。
事前に操作を把握っていっても外部の人間がどうしようもないと思うかもしれないが、私はコミケで買った同人誌を活用している。
JR料金券Q&Aベストセレクション2023冬というもので、マルスに詳しい一般の方が作ったと思われる冊子で、サンライズや銀河だけでなく、様々な発券に苦労しそうな切符の操作方法が書かれている。年末の冬コミでも販売があるのではないかと思うので、ぜひ一冊手に入れて活用してほしい。
WEST EXPRESS銀河の個室自体はネット予約のe5489で買うことができる。しかし、大人気のためe5489で購入しようとしてもマルスの10時打ちには時間差で敗れてしまうため、実質マルスの10時打ちでしか購入することができない。JR側はe5489で購入する方法を用意しているのに、10時打ちで取れないほど需要が殺到してしまう乗客側が悪いといえば悪いというのが最終的な結論かもしれない。需要を殺到させなくするには、今のツアー化されたカシオペアみたいな超大幅値上げになってしまうので、そうなるくらいだったら今の10時打ちでしか取れない現状の方が我々庶民には嬉しいだろう。
3月までの山陽ルートの運行期間中に1度くらいは山陽銀河に乗りたいので、今回10時打ち失敗した駅に再度訪問して、操作方法を談義しながら購入にチャレンジしようと思う。
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