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往復乗車券・連続乗車券の思い出①

今日、衝撃的な発表があった。それが、2026年3月で往復乗車券と連続乗車券が廃止されるということだ。回数券が廃止されたので確かに今回の廃止も予想できそうな気もするが、あるのが当たり前すぎる存在で全然私は予想していなかった。

●私自身は使っていたか

これらの往復・連続について、まず私が使っていたかどうかを振り返ると、往復乗車券自体は時々使っていた。ただ、これは往復券である必要はなく、ただ購入時の決済が一回で済むからそうしたということが多い。
往復乗車券の廃止に伴い、601km以上の区間を往復する際の往復割引が廃止されるということが衝撃という反応もTwitter上で多く見かけた。
この往復割引に関しては、私は使うことは滅多になかった。601km以上となると、飛行機や夜行バスを使った方が安いことが多く、その距離を鉄道で乗ることがほぼないためだ。過去の切符を見ると、通算3回往復割引を使ってはいるものの、サンライズ絡みでYouTube活動を始めてからの利用のみで、YouTube活動開始前に往復割引を使ったことはない。
さらに、連続乗車券に関しては一度使ってみたいなと思いつつ、今まで一度も使ったことがない。恐らく鉄道ファンでも使ったことがない人が多いだろう。

ここからが本題で、私が駅で切符を売っていた側からするとどう思うか。
これは、廃止してくれた方がありがたいのでよくやったな、という感想だ。

●往復券で逆に損をする

往復乗車券のメリットとして、往復を払い戻すとしても、払戻の際に払戻手数料が1枚分の220円で済むことがよくあげられる。
しかし、意外とあるのが「往路を使ったけど復路の日付や区間を変更したい」というパターンだ。日付はよっぽど後に変更にしない限りは有効期間が長いので大丈夫だが、区間を変更するとなると…。復路のみの区間変更はできないため、一度220円の払戻手数料をいただいて払い戻し、再度購入となる。これが往復それぞれ別で乗車券を購入していれば乗車変更で無手数料で対応できるが逆に損になるというパターンだ。

●払い戻しは要注意

他に、往復両方とも払い戻すにしても、往復乗車券の場合は券番を注意深く見ることが必要だった。往復乗車券は2枚で1組だが、複数人で利用する目的で切符を購入して、1人減るから1人分払い戻すという例はよくある。これが、複数人の乗車券が一度乗客の手元でミックスされて払い戻しに来て、同じ区間・同じ日付の切符なのに全然違う券番のものを持ってこられるというのが意外とある。これだと手数料は2枚分の440円かかる。ただ、それをやるには事前に「往路のみ払戻」「復路のみ払戻」といったボタンを押す必要がある。これを気付かずにマルスに通常の払い戻しとして入れてしまうと、実際に試したことはないので分からないが、恐らく払い戻し額0円という表示になってしまい、後処理がものすごく大変なことになってしまう。この恐怖を味わわなくていいだけでも物凄い改革だろう。

●距離を伸ばせば安くなるが…

また、売る際にもまあまあ手間だった。よく、東京~大阪の利用でも西明石まで伸ばせば往復割引が効いて安くなるというのが話題になる。
東京~大阪の乗車券は8910円だが、西明石の往復だと片道あたり8810円となる。片道あたり200円安くなる。しかし、代わりに西明石まで買うと「大阪市内」着となったものがなくなるので、東海道・山陽線のルートからそれると精算となる。大阪で乗り換えて天王寺まで乗るなら210円かかるので逆に高くなる。
もちろん乗車券を西明石ではなく和歌山にして往復割引を適用させれば天王寺で降りられるが、乗客からそこまでの情報を聞き出すのが大変だ。
「新大阪までですね、片道ですか、往復ですか?」
「往復でしたら、乗車券の距離を伸ばして買うと往復割引で少し安くなります」
「新大阪から他のJR線への乗り換えはありますか?」
このへんを聞き出して、適切な駅での往復割引を設定しなくてはならない。乗客から申告があった場合のみ乗車券の距離を伸ばして往復割引を適用するという駅もあるようだが、私のいた駅は往復の方が安いのなら駅員から提案すべき、それが機械ではなく人が窓口にいる理由の一つだ、みたいな方針でこちらから提案する必要があった。
それは一理あるものの、やっぱりこのやり取りがあるせいで窓口の混雑の原因にもなるだろう。往復乗車券が廃止になればよりスムーズになる。

●往復乗車券、思ったほど安くならない

もちろん往復割引の廃止で単純な値上げになる場合もあるものの、個人的には601km以上の往復で1割引する理由も必要もないと思う。上記の新大阪・西明石の例のように、短い距離の方が高くなる現象が起きてしまう。
それを是正するには往復割引廃止が一番手っ取り早い。また、この往復割引の1割引も、特急券に関しては割引にはならないので、費用総額で考えると東京~西明石を往復する場合は約6%割引だ。もちろん安いに越したことはないが、正直誤差くらいに感じる。
往復割引が効く距離を普通乗車券で移動する時点で、格安に移動できる高速バスやLCCといった手段は選んでいないので、1000円程度の誤差はそんなに気にしないという人の方が多いのではないか。それを踏まえての廃止ではないかと思う。

※思ったより長くなりそうなのでいったんここまで、パート②に続きます

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