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前捻角をチェックする方法

先日の記事では大腿骨の前捻角とはそもそも何か、といったところから、この変化があることによって何に影響するのかについて書いてみました。

今回は、この前捻角をチェックする方法をいくつか紹介したいと思います。

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Craig's test(クレイグテスト)

直接大腿骨を触れながら大腿骨の前捻角をチェックする方法です。

手順は次の通りです。

①被験者はうつ伏せになり、検査側の膝を曲げる
②検査者は大腿骨の大転子を触診する
③そのまま下腿を左右へ動かし(股関節の内外旋)、大転子が最も膨隆する位置を探す
④そのときの床への垂直線と下腿のなす角度を測定する

触診のスキルも必要にはなるので、ある程度の練習が必要ですが、慣れてくるとこの方法が最も簡便かつある程度の正確性をもって前捻角を測定することが可能です。

測定の際には床への垂直線を的確に把握することと、一目で角度がわかるような工夫があるとなお良いです。

私はこのような角度計を用意して使用していますが、とても使用しやすくオススメです。


前捻角のスクリーニング

そうはいっても、実際に骨を触診して確認するのは難しかったり、グループの指導だとなかなか一人一人骨格のチェックをすることも大変だと思います。

そこで、前捻角の簡易的なチェック方法をお伝えします。


1.股関節の内外旋

シンプルに股関節の内旋および外旋の可動域を測定してみます。

目安としては、股関節伸展にて外旋45°、内旋45°ですが、場合によって外旋が過度に大きい、内旋が過度に大きいといったこともあります。

外旋が大きい場合は前捻角が小さい可能性があり、内旋が大きい場合は前捻角が大きい可能性があります。

また、脚を前に投げ出して座った場合や、仰向けで寝てリラックスしているときに、前捻角の強い方はつま先が内側に倒れることも特徴的です。


2.座り方の癖

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前捻角の変化があると座り方にも特有の傾向が現れます。

例えば、前捻角が強い方はあぐらで座ることが苦手になりがちですので、あぐらで座った際に膝が床から離れやすいといったこともあります。

その際は逆に割座が得意であり、また子どもの頃からそのような座り方が習慣化していた可能性が高いです。

また、左右差がある場合には、横座りをするとどちらか片方はやりやすく、反対側はやりにくいといった状態にもなります。


まとめ

大腿骨の前捻角が正常範囲から外れているケースは比較的多い印象ですが、あまりそのことは広く知られていません。

一般的な角度の平均は15°〜20°とされていますが、経験的には特に日本人女性はもう少し角度の強い方も多く、30°以上の方もよくお会いする印象です。

文化的に足を開いて過ごすことは恥ずかしいことであるとの認識なども影響しているのではと感じています。

いずれにしても自身の骨格を正しく知らないことで、将来の障害のきっかけになっていることもよくあります。

自身の骨格特性について知りたい方はぜひご相談ください。


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