【ネタバレあり】映画「バクテン!!」 見どころ徹底紹介!!前編
こんにちは!
元男子新体操全日本チャンピオン、現在はアメリカでシルクドソレイユのパフォーマーをしています、井藤 亘です!
さてさて、先週は「ネタバレなし」の見どころ紹介を行いましたが、いかがでしたか?
「まだ映画を見ていないよー」という方は、是非この記事を読んでから映画を見てみてください↓
本日は2週目ということで、お約束通り「ネタバレあり」で見どころを前編・後編に分けて紹介をしていきたいと思います!
すでに映画を見た皆さん!
この記事を読んで、「確かにそれは思った!」となるのか、「え〜、そんなところあった??」となるのか!
どちらにせよ、もう一度映画を見たくなること間違いなしの中身となっていますので、是非最後まで読んでみてください!
では、早速スタート!
演技シーンの微妙なズレ
ネタバレなし回でも話題にあげましたが、「バクテン!!」の演技シーンのすごいところは演技が完璧ではないところです。
全く同じタイミング、全く同じ形ではないところがなんともリアルで、その再現度の高さに毎回びっくりしてしまうのですが…
皆さん、「微妙なズレ」に気づけましたか…?
ここでは、わかりやすい2つのズレをご紹介していきたいと思います!
1、バランスの足を出すタイミング
男子新体操の演技の中には、下の画像の「バランス」と呼ばれる技があります。
演技の中に必ず入れなければいけない技なのですが、ここにズレ①が潜んでいました。(ちなみに映画の中で行われたこの技のほとんどがずれていました。)
アオ高の演技では、バランスをする前にこの動きがあります↓
両足を揃えて、腕で頭を隠すようなポーズです。
ここから…↓
左足を出して、バランスをする準備姿勢を取ります。
この左足のタイミングがズレ①です!
秒数にすれば0.1秒もないかもしれません。
しかし、このズレは演技の完成度を高める上では必ず修正すべきポイントです。
細かすぎるが故に、このズレが減点につながるかと言われるとやや微妙なところではありますが、確実にここは揃えたいですね。
映画の中でも割とわかりやすくズレていますので、気になる方はもう一度チェックしてみてください!
2、マシロのポジション
まさかとは思いますが…
ズレ②はシロ高の団体からピックアップします!
こちら、シロ高の演技の元ネタとなっているものです。
2:27〜腕をぐるっと大きく回す「体回旋」と呼ばれる動きがありますが、ズレ②はそこに潜んでいます。
映画でいうところの画面中央にいる白い髪の毛、皆さんご存知のマシロが立っているポジションが僕は気になって仕方がない…!!
赤丸で囲ったポジションにマシロがいるのですが、本来は左隣(観客から見て)の選手と横一列に並ぶはずのこのポジション。
映画では、一足分ほど前(正面側)に出てしまっているのですね…。
正面から見た場合、前後のポジションのズレってあまり気にならないので、これもまた減点には繋がらないと思います。
だがしかし、「バクテン!!」ではドローンを使用したようなアングル(360°至る所から)で新体操を見ることができるので、マシロのポジションズレは僕にバレてしまいました。
絶対王者の演技にも微妙なズレはもちろん存在します。
だからこそ新体操は面白いのですね…😊
色が違うフロア
続いての見どころは、フロア(体操マット)の色です!!
実は、フロアの色には年代によっての変化があるのですが、映画の中で2種類の色が出てきたのに気づきましたか…?
1、真ん中が白、周りが青
これは、現在の多くの大会で使用されている最新のフロアの色です。
大学の体育館、築館の実家、シロ高の体育館での練習はこの色のフロアでした。
2、真ん中が青、周りが白
先ほどのフロアとは真逆のパターンの色です。
この色のフロアは、アオ高の体育館での練習の際に使われていました。
この色のフロアはかなり昔に使われていたもので、参照動画は1990年の大会のものです。
僕の推測ではありますが…
アオ高がこの色のフロアを使っている理由は、お下がりだからだと思います。
フロアは使用するとともに磨り減ったり破けたりしてくるので、10数年おき、もしくはもっと長いスパンで買い替えをします。
当然、古いフロアは使わなくなるわけですが、それですらも欲しいチームが全国には多く存在します。(フロアはかなり高価なので、持っていないチームがたくさん…)
フロアを処分するのは大変なので、捨てるのではなく、そういったチームに「お下がりのフロア」をプレゼントするということが新体操界ではしばしば。
アオ高は練習環境的にはいいとは言えない状況ですので、このフロアはどこかのチームからお下がりをもらったのでは…だからフロアが古い色なのでは…
という推測ができるわけです。
3、その他
ちなみに、フロアの色はもう2種類あります。
真ん中が黄緑、周りが緑。
真ん中が白、周りが赤。
年代によっていろんな色が存在し、それによって体育館の雰囲気が若干変わって見えるので面白いですよね!
ちなみに僕は、一番最初に紹介した最新の色が好きです。
この章の最後に、おまけとして豆知識を…
映画の中で、翔太郎たちがフロアの片付けをしているシーンがありましたね。
その時に翔太郎が片付けていた青い謎の物体がこれ↓
「セノックマット」と呼ばれる、フロアの下に敷いてあるスポンジ製の柔らかいマットです。
本来のフロアはセノックマットの下にバネがついた木の板を敷くのですが、アオ高の練習場にはそれがないため、大学まで足を運んで練習しているわけですね。
青森の雪はもっとすごい?
志田監督に隠れて練習をするため、青森にあるシロ高へ向かったアオ高新体操部。
そこには辺り一面に広がる雪…。
とっても寒そうでしたよね。
でも一つだけ言わせてください。
青森の雪はもっとすごいです笑
リアルに青森の雪景色を描いてしまうとキャラの顔が見えなくなってしまうのでアニメ上はあれでいいと思いますが、大学4年間を青森で過ごした僕はこれを言わずにはいられませんでした!!笑
僕が一番言いたいのは、1年生3人(翔太郎、美里、マシロ)が外で話しているシーンについて。
真冬の青森のベンチには座れません!!!!
お尻ベタベタになるよ、3人とも!!!!笑
練習が終わって青森を去る時、青森駅でシロ高の部員がお見送りしてくれていましたね。
ちなみに、真冬の青森駅はこんな感じです↓
歩くところすらありません笑
この吹雪が顔に当たると痛いんですよぉ〜。
3人が語るあのシーン。
映画の中で僕が一番好きなシーンではありましたが、突っ込まずにはいられなかった僕を許してください…
シロ高の寮が登場!
アニメでは出てこなかったシロ高の寮が今回の映画では出てきましたね。
この予想にはあんまり自信がないのですが、シロ高の寮にすごく見覚えがあるんですよ…。
もしかしてモデルはここ?↓
アオ高が練習に通っている大学の体育館は、僕が4年間練習した「青森山田学園 国際卓球センター」というところがモデルになっているのですが、この写真の建物は、道路を挟んで卓球センターの向かいにある青森大学の学生寮「スチューデントプラザ」というところです。
あの入り口のガラス戸の感じ、築館と竜ヶ森が「跳」の文字を眺めていた場面と似ていませんか?
ここには新体操部は住んでいないのですが、美味しくて安価な定食や唐揚げが食べられる食堂があるため、ご飯を食べる目的でよく利用します。
廊下や食堂の感じがなんともそれに近い気がしたのですが、どうなんでしょう…🤔
これはあくまでも僕の予想ですので、正解はわかりません!!
さぁ明日はいよいよ解説最終日!
みなさんお待ちかね、「男子新体操あるある」の答え合わせをします!
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明日もお楽しみに!
井藤 亘(いとう わたる)🇺🇸
フロリダ ディズニーワールド常設ショー
Cirque du Soleil 「Drawn to Life」
男子新体操アーティスト🤸♀️