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【アニメ感想】名探偵コナン 第1061話「警察学校編 Wild Police Story CASE. 諸伏景光」
―視界を遮る謎の雲、推理で晴らしてSPARKLE!
諸伏の過去に暗い影……。
同期の力で真相解明!
たった1つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人。
その名は名探偵コナン!―
警察学校編もついに4回目! 前回の萩原編からもう5か月以上も経ってるのか! 時間が経つのは早いな~~~。
タイトルコールのコナンくん(みなみさん)めっちゃ早口!笑
登場キャラはコナン・松田・萩原・諸伏高明・降谷・伊達・諸伏景光・鬼塚教官。
ゲスト声優は岡本信彦さん(幼少期の高明役)、渋谷茂さん。
▼「ハロウィンの花嫁」再会上映と諸伏編
諸伏編放送前日の28日(金)に「ハロウィンの花嫁」再会上映がスタート! ということで、僕も初日に行ってきました! 特典も無事ゲット!
ハロ嫁を見返した翌日なんで、より一層気持ちが入って見ることができた諸伏編。
ハロ嫁と比較すると、松田めっちゃ若いなぁ~~~~!!!
「柴犬とドーベルマン」どころか、警察学校編だと「ただの柴犬」じゃないか!
やっぱり青春ストーリーを強調するために、意図的に若そうに描いてる説ある。新一や服部たちよりも若く見えるもん。
諸伏編のラスト、2階から外守を救出して窓から飛び降りた諸伏のシーンなんかは、モロにハロ嫁とのリンクを感じたな~。
「大声で合図する事も… 窓の外を確認してるヒマもないけど… アイツらなら… 絶対…」と、信じられる仲間ができた諸伏。
このアンサー的なのが、廃ビルで爆弾を解体する松田にかけた「下で待ってるから」なのかも。
諸伏編では、諸伏が仲間を信じて下で待っててもらった。今度(ハロ嫁)は、松田を信じて、下で待ってる側に回った。
彼らの「相手を信じる」が、諸伏編→ハロ嫁で相互関係であることが分かった。
しかも、教場旗で諸伏を助けるシーンは、ハロ嫁で探偵団がコナンを布で受け止めたシーンともリンクする。
諸伏編を見て「あーっ、このシーン探偵団とコナンじゃん!」と思った矢先、EDに突入して探偵団のビジュアルが浮かび上がって、ぶわぁーっと鳥肌立ったよね。意図的じゃないと思うけど!
▼「そっち側」、運命づけられた死
諸伏編といえば、やっぱりなんといっても、青山先生が描いたあのティザービジュアル! 公式のTwitterで先出しされちゃいましたが、これがテレビで声付きで見れてよかった……!
この時の降谷の「そっち側」っていう言葉、「ハロウィンの花嫁」を見た直後だと意味合いが全然違ってくるからスゴい。
青春を駆け抜け、正義を貫き、散っていった仲間たち。降谷は「僕もそっち側がよかったよ……」と言うが、このシーン、誰もが「彼岸と此岸」的な意味を汲み取ったと思う。しかも、当時の降谷はそんなことを知る由もなくこのセリフを発しているというのが尚更、なんとも言えない気持ちになる……。
同じような気持ちになるのが、景光が「また誰か死んだりしたら……!」と言ったのに対し、松田・萩原・伊達の3人が「死なねぇよ!!!」と声を揃えるシーン。降谷だけは口を閉じているし、原作でのビックリマークの数も3つ分だけ。死ななかった降谷だけこのセリフを口にせず、死んだ3人が「死なねぇよ」と言っている。まるで、この5人の中で死ぬのが誰か、決定づけられていたかのような運命的なシーンだ。
ということで思い出したのは、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の最終話、「眠れる奴隷」編。
主人公・ジョルノとギャング一行が出会う前日譚として描かれ、スタンド「ローリング・ストーンズ」を有する彫刻家・スコリッピが登場する。
ローリング・ストーンズは石のスタンドで、死ぬ運命にある者の前に現れ、当人が石に触れると苦しむことなく死ぬことができる、というもの。
スコリッピは「運命に逆らわない方が楽なのに」と言うが、ギャングの1人・ミスタは仲間を死ぬ運命から守るため、奔走する……。
そして、この話が載っている『ジョジョの奇妙な冒険』63巻の作者コメントで、荒木飛呂彦先生はこう語っている。
『連続』――音楽のすばらしさは連続する音の美しさであり、モーツァルトは『音符一つとしてカットできない』と皇帝に向かって言ったし、生命も連続するDNAという鎖でできている。そう考えると、この世には連続するどうすることもできない「運命」というものが存在するのを認めざるを得ない。しかし一方で「運命」で決定されているとなると、努力したり喜んでも仕方ないという考えも生まれてくる。そこなんですよ。人間讃歌を描いていて悩む点は。答えはあるのか?
降谷の「僕もそっち側がよかったよ」には、1人残された者のつらさを汲み取ることが出来る。でも果たして、本当に「そっち側がよかった」のか……?
ジョジョ5部は、ローリング・ストーンズとのエピソードが語られた後、再び現代に戻り、ラスボスを倒したジョルノが散っていった仲間の想いを受け継いでギャングの頭となるシーンで締めくくられる。
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これはそのまま降谷にも当てはめられると思う。散っていった仲間たちの想いを受け継ぎ、先に進め、多くの事件を解決する降谷は、これからもずっと生き続ける。
▼諸伏と外守と止まった時間
諸伏編は他の警察学校編に比べて、ミステリー色が強くて、ちゃんと"コナン"として楽しめる感があって良い!
それもこれも、「外守一」という犯人が魅力的だからだと思う。
諸伏両親の殺害、女児誘拐、爆弾……。残忍性・狂気性・行動力、そのポテンシャルの高さは劇場版犯人に匹敵するだろう!
外守、動機の面だと2巻の「月いちプレゼント脅迫事件」の荻野智也の父に似てるんだよな~。
一方で、「クリーニング店店主」っていう庶民的な職業が、彼の狂気性とギャップがあって良い。『アンナチュラル』の不動産屋・高瀬を思い出した。
でも彼はただ残忍で狂気的なだけでなく、娘を亡くしてからすべてが歪んで狂ってしまったという同情できなくもないバックグラウンドを持っているから、魅力的なんだろう。
(諸伏のことを「ボウヤ」と呼んでいたから、外守の時間が娘が死んだ当時から止まったままだということがわかる)
そして、外守と諸伏は「身内を亡くした過去」に囚われていたという点で共通してたんだな。
外守からしたら、諸伏父は娘の仇(と思い込んでいた)。
諸伏からしたら、外守は両親の仇。
外守は娘に似た少女を誘拐する犯罪者になり、諸伏は失声症になって事件の影を負ったまま生きていた……。
しかしこのスパイラルは、事件を1人で背負う苦しみから諸伏を救い出した警察学校組によって打開された。
(ラスト、外守の「死なせてくれよぉ……!」に対して諸伏が「ダメです! 自分が犯した罪は、ちゃんと償ってもらいますから」と言うシーンは、「14番目の標的」の小五郎と沢木公平っぽいよな~)
ところで、諸伏の押し入れのくだり、37、38巻「黒の組織との接触」でコインロッカーに隠れたコナンを思い出してしまった……。
外守は押し入れ(クローゼット)に隠れていた諸伏に気づいて、娘に会うため泳がせていた。
ジンは、ちょうどコナンが入っていたコインロッカーに手をかけたところで「大の大人がこんな所に隠れられるわけねえか…」と諦めたが、もしも外守と同じく、本当はコナンに気づいていたとしたら……? 外守が探していたのは娘だったが、ジンが探していたのは灰原で……? 考えすぎだよね!!!
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▼まとめ
警察学校編ラスト1話、みんなの卒業式の回はどうアニメ化するんだろうな~? オリジナルストーリー絡めて30分尺になったら最高だな……。百田陸朗警視総監の顔も見てみたいし。
そして贅沢を言えば、この作画クオリティーで毎回コナンが見たいよ~~~。
そしてそして、よもやNext Conan's HINTで泣かされる日が来ようとは……。もう、ほんと、さぁ……。コナンの「また会えるんだね」と、K組の「ね」の言い方が優しすぎて号泣よ。
降谷「Next Conan's HINT!」
コナン「ピアス!」
コナン「もうすぐハロウィン!」
降谷「みんなおかえり!」
コナン「また会えるんだね」
警察学校組「ね」
♪ 米津玄師 / 「Lemon」
https://www.youtube.com/watch?v=SX_ViT4Ra7k