【アニメ感想】名探偵コナン 第1092話「張り込み2」
シリーズ前作にあたる「張り込み」は飯岡順一さん・松田千里さん脚本でしたが、今回は扇澤延男さんでした!
■今週のゲスト声優について
登場キャラは江戸川コナン、吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦、灰原哀、高木刑事、千葉刑事。目暮警部もセリフなしで登場。
ゲスト声優は、石鍋大助:利根健太朗さん、バーのマスター林:青山穣さん、女性:熊谷海麗さん、藤木一馬:近藤隆さん、与田理美:田村睦心さん。
メインゲスト・田村睦心さんは「いがみ合う乙女達」以来、3年ぶり2回目の出演! 『キルミーベイベー』のソーニャや『小林さんちのメイドラゴン』小林さん役で有名!
近藤隆さんの前回出演は「空飛ぶハロウィンカボチャ」。6回目の出演で、被害者役はこれで2回目。
石鍋役の利根健太朗さんは「狙われたひよこ鑑定士」以来、1年ぶり5回目の出演。
謎キャスティングなのは、青山穣さん! チョイ役なのになんだこの贅沢な使い方は!
■今週の感想
【登場人物】
与田理美(よだ さとみ)……25歳。会社員。藤木一馬の元恋人。
藤木一馬(ふじき かずま)……25歳。無職。
石鍋大助(いしなべ だいすけ)……30歳。商店「なんでもディスカウント石鍋」経営者。
マンションを張り込み中の高木刑事と千葉刑事の元に、少年探偵団が登場。灰原もこういうのに首突っ込みたがるのは意外!
高木千葉が捜査しているのは、今朝公園で発生した強盗傷害事件。藤木一馬という無職の男が、中年男性を棒状の物で頭を殴って金を奪い逃走。BAR「福西」のマスター林の証言により、2日前、藤木が元恋人の与田理美とヨリを戻したがっていたことが分かる。高木千葉が理美を訪ねたところ、「藤木が現れたらすぐ連絡する」と言ったが、念のため彼女のマンションを張り込むことに。
結局探偵団と共に張り込んでいる中、理美が電話を受けた直後、突然外出。ステーキなどのご馳走を購入し、ATMでお金を降ろした。高木刑事は、理美が藤木を迎える準備をしていると推理する。
しばらく張り込みを続けていると、理美から高木刑事に電話が。彼女は張り込みされていることに気づいていたのだ。
曰く、藤木は理美のマンションまで来ていたが引き返していたという。ご馳走と金は、藤木がここに寄ると思わせるためのフェイクだったことを告白。理美は涙ながらに藤木を捕まえてほしいと頼み込む。
高木千葉は張り込みを解除。しかしコナンは、理美の告白が芝居ではないかと疑う。
探偵団が理美について調べた結果、理美には石鍋という婚約者がいることがわかる。閃いたコナンが理美のマンションに向かうと、理美が重たい荷物を車に積んでいた。荷物の中には、藤木の遺体が。
今朝、理美の元に逃げ込んできた藤木は事故で死亡してしまった。遺体を処理しようとしていた時、高木刑事たちが訪れ、しかも自分が張り込みの対象になったことを知る。そこで張り込みを終了させるため、嘘の告白をしたのだった。
全てを暴かれ「終わっちゃった……」と呟く理美に、「でもあなたが殺害したんじゃない!」とコナン。これがコナンの優しさだよ……涙
連行される理美の背中に、石鍋は「待ってる! 帰ってくるのを!」と声をかける。
■扇澤延男氏の「グルーミー」回
今回の脚本は扇澤延男さん。個人的に扇澤さんといえば「ロジカルでどこかコミカル」な脚本が多い印象。
最近の作品では、登場人物や地名にユニークな名前を付ける傾向があることでも有名ですよね。
ところが、今回はシリアスでやるせない展開で、「おや? いつもの扇澤さんと違うような?」と思っちゃいました。
でも思い返せば、扇澤さんの過去の担当回には「恋人は春のまぼろし」「都会のカラス」があるんだよなぁ……。この二つ、個人的に好きなアニオリ回の上位に入る回であると同時に、グルーミーな展開がなんともいえない。
今回も「恋人は~」「都会の~」同様やるせない回だったけど、理美には石鍋という希望が残っているわけで。そこの点では、上二つの作品よりは救いがあったかな。石鍋の「待ってる」シーンは、「闇の男爵事件」での前田聡と佐山明子を思い出した……。
■【今週のおすすめ】『メグレ夫人のいない夜』ジョルジュ・シムノン
今回ご紹介するミステリーは、「張り込み」というキーワードから、ジョルジュ・シムノンの『メグレ夫人のいない夜』(原題『Maigret en meublé』)!
目暮警部の名前の由来にもなったジュール・メグレ警視のシリーズで、1951年の発表。
「ラ・シゴーニュ」というナイトクラブに強盗が入る。メグレの部下ジャンヴィエは、犯人のポーリュという青年のアパートに張り込みしていたところ、銃撃され重傷を負ってしまう。メグレはポーリュの住むアパートに住みこんで張り込みをし、住民や家主の動向を観察する。
シムノンが描くパリはいつも雨が降っているけど、今回は雨どころか雹まで降ってしまう始末! やっぱり人物描写が巧みで、ゲストキャラクターに引き込まれてしまう。