【アニメ感想】名探偵コナン 第1107話「ハメられたのは私」
扇澤延男さん脚本回! 今年は登板数で大和屋暁さんに抜かされてしまいましたが……相変わらずの安定感!
登場キャラは江戸川コナン、毛利小五郎、目暮警部、高木刑事。
■今週のゲスト声優について
ゲスト声優は、犬丸次朗:内藤玲さん、川勝大吾:石野竜三さん、湯川さおり:本渡楓さん、笛木末子:真柴摩利さん、真田文:大木咲絵子さん、真田浩明:佐々木望さん。
メインゲスト・真田浩明役は『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助や『AKIRA』の鉄雄などでお馴染みのベテラン声優・佐々木望さん! コナンへは今回で4回目の出演で、前回の出演は中の人繋がり?で話題になった「霊魂探偵」回でした。
川勝大吾役は石野竜三さん。代表作は『戦国BASARA』の長曾我部元親や『新機動戦記ガンダムW』の張五飛など。コナンへの出演は数多く、もはや準レギュラーです。
被害者の犬丸次朗役は内藤玲さん。『おじゃる丸』のカタピーや『暗殺教室』の岡島など、クセのある脇役を演じられることが多いバイプレイヤーのお方です。コナンへは修学旅行編の出栗未智男以来の出演。
湯川さおり役は本渡楓さん! 『魔女の旅々』イレイナ、『パリピ孔明』月見英子などで多彩な演じ分けをされている人気声優さんで、コナンへは意外にも初出演!
家政婦・笛木末子を演じたのは『クレヨンしんちゃん』の風間くんとシロでお馴染みの真柴摩利さん。「1億円を追いかけろ」でも家政婦役での出演でした。
真田の亡き妻・文役には大木咲絵子さん。『アズールレーン』で茅野愛衣さんに代わり愛宕役を務めたり、『アイドルマスター シンデレラガールズ』で大石泉役に決定したりと、話題の声優さんです。
■今週の感想
【登場人物】
犬丸二朗(いぬまる じろう)……35歳。強請り屋。
真田浩明(さなだ ひろあき)……42歳。不動産会社経営者。
川勝大吾(かわかつ だいご)……42歳。商店経営者。
湯川さおり(ゆかわ さおり)……27歳。犬丸の恋人。
笛木末子(ふえき すえこ)……70歳。真田家の家政婦。
真田文(さなだ ふみ)……29歳(10年前当時)。真田の妻。
土曜日、午前10時。羅鈍市天狗町の自宅で、不動産会社経営者・真田浩明は、犬丸二朗(EDクレジットでは「次朗」表記)という強請り屋と揉みあいになり、突き飛ばして殺害してしまう。そこにやってきた真田の友人・川勝大吾の協力のもと、死体を毛仏山に埋めることに。埋める直前、川勝は真田にアリバイ作りをするよう指示する。
自宅に戻って一安心……したのも束の間、湯川さおりという女性が訪ねてきて、「犬丸に会わせろ」と怒鳴り散らす。湯川は犬丸に騙し取られた3000万を返してもらおうと躍起になっていて、警察沙汰になるのを恐れた川勝は、真田が代わりに3000万を払うことで追い返そうと言い出す。
その後、羅鈍駅近くのRADON HOTELで3000万を囲んで高笑いする川勝・湯川、そして犬丸。実は犬丸は死んでおらず、3人はグルで真田を騙して金を手に入れたのだ。
そして翌朝、日曜日。真田から依頼を受けていた小五郎が真田宅を訪れるが、真田はキャンセル料を提示し、引き取ってもらおうとする。当たり前のように仕事先についてきているコナンw ここに来る道中で「なんでお前がついてくるんだよ!」「いいからいいから」みたいなやり取りがあったに違いない!w
その態度から何事かがあったと感じた小五郎が問い詰めると、真田は事の顛末を話し始める。
犬丸が真田の前に現れたのは3日前の木曜日の昼で、真田の悪行をでっち上げて金を巻き上げようとしていた。川勝はその話を聞き、「今度そいつが来たら俺が話をつけてやる」と言ってくれた。しかし事件当日は川勝が来る前に犬丸に掴みかかられ、悲劇が起きてしまったのだという。
真田が、金曜の夜に3000万の入金があったことを川勝に話していたことを聞いた小五郎とコナンは、これが3人グルの犯行だと確信。自首しようとする真田を説得するため、毛仏山に行って死体などないことを証明しようとする。毛仏山の標識の英語表記、「Kebotokeyama」なのね。「Mt. Kebotoke」とかじゃないんだ。
ところがなんと、本当に犬丸の死体が発見されてしまう!
現場からは川勝の上着のボタンが発見され、真田の話を真実と受け止めた目暮高木は、真田と川勝を署に連行する。
しかし川勝・犬丸・湯川による3000万騙し取りが実際にあったと確信する小五郎・コナンは、仲間割れによって犬丸が殺されたと推理。小五郎は湯川さおりが突破口になると睨み、彼女を探しに動き出す。
一方のコナンは真田宅に足を運び、真田の家政婦・笛木末子に話を聞く。
彼女は昨日の朝から娘のところに行っていて、事件のことは何も知らなかった。真田が小五郎に依頼していたのは、盗まれた家宝の掛け軸の件だっのだが、末子は掛け軸の存在すら知らなかったという。
真田が妻と映った写真立てに気がつくコナン。真田の妻・文は10年前に亡くなっていた。文は空き巣に突き飛ばされて足を負傷。犯人、平手打ちで突き飛ばしたのかよ!その怪我が原因で階段から転落し、亡くなっていた。
末子は、ずっとしまわれていた写真立てが、木曜日の朝から再び飾られていることを不思議がる。小五郎に真田からの依頼の電話が来たのは水曜日の夜。何か関連があるのか……。
警視庁羅鈍警察署で、犬丸が盗みの常習犯で、10年前まで羅鈍市にいたことを聞いたコナン。
そして、真田が知人から貰った珍しい北海道のお菓子を土産に、末子に娘のところに行くよう仕向けていたことがわかる。
コナンは羅鈍百貨店で、あることを確かめる。
そして小五郎は、見事湯川さおりを見つけた!えっ、どうやって!?w おっちゃんスゴすぎるwww
湯川は3人で共謀して3000万を騙し取ったことを認めたが、殺人事件については何も知らない様子。湯川によると、犯行計画の打ち合わせをしたのは水曜日の夜、「居酒屋 羅鈍」だった。
小五郎は毛仏山に関係者を集め、川勝が犯人だと名指しする。しかも司法解剖の結果、犬丸の死亡推定時刻は昨日の夕方17時前後だったことが分かり、朝10時に犬丸を死なせてしまったという真田は無実だと証明される。
さらに湯川は犬丸を埋めた場所を知らないので容疑者から除外。
川勝が殺人犯で一件落着……と、そこでコナンが麻酔針を打ちこんで、眠りの小五郎推理ショーを始める。真犯人は真田だった。
水曜日の夜、居酒屋で犯行計画を立てている川勝・犬丸・湯川の話を偶然聞いてしまった真田は、犬丸が10年前の空き巣だったことを知って妻の復讐を決意。
まず犬丸の死を川勝の犯行だと推理してくれる探偵役に小五郎を選び、小五郎のスケジュールから逆算して、土曜日に犬丸殺害が行えるよう、金曜日に3000万円の入金があることをわざと川勝に話した。そして土曜日、居酒屋で聞いた計画どおりにことが進む中、騙されたフリをした真田は夕方になると犬丸を山に連れ出して撲殺。犬丸の潜伏先も居酒屋で盗み聞きしたのだろうか?
こっそりと手に入れておいた川勝のボタンと共に、死体を毛仏山に掘った穴に埋めた。
証拠は、「北海道の知人から貰った」はずのお菓子を真田本人が百貨店で買った証明になるレシート。そして、妻の復讐を決意した証の写真立て。う~ん、証拠としては弱い気がする……扇澤脚本あるあるだけど。証拠を突き付けられた真田は、妻の死の原因になった犬丸と、自分を騙そうとしていた川勝が許せなかったと自白する。
羅鈍百貨店の北海道物産展で買いこむ小五郎。コナンは「近くの米花デパートで買った方が良かったんじゃない?」とツッコむ。
■名探偵小五郎!
コナンが真田宅や羅鈍百貨店で手がかりを得ていく中、小五郎は見事湯川さおりを見つけていた。
これ、どーやって見つけたんでしょうね!? 多分手がかりは名前だけ……。
羅鈍市を片っ端から当たったのか?それとも大金を使い込みそうな施設・場所を当たったとか?
小五郎って、地味に浮気調査やらペット探しやら、大事件ならぬ「小事件」の解決がうまいですよね。刑事時代からの経験と、たまに見せる鋭い探偵の勘が働いてるんでしょうね。
コナンや蘭が学校に行っている間、こうした「小事件」をいくつも解決しているんだろうな~。コナンにおける「語られざる事件」とでも言うべきか。
■【今週のおすすめ】『殺人者の烙印』パトリシア・ハイスミス
今回ご紹介するミステリーは、「死体を埋めるフリをする」というあらすじから、1965年に発表した『殺人者の烙印』(原題:A Suspension of Mercy)。作者は、アラン・ドロン主演映画『太陽がいっぱい』の原作者でも知られるパトリシア・ハイスミスです。
売れない作家シドニー・バートルビーは、妻で画家のアリシアと共に田舎に引っ越して暮らしていた。何回も妻を殺す妄想をしていたシドニーは、夫婦喧嘩をきっかけにアリシアが家出したのをいい機会に、殺人者の心理を体験してみようと、妻の死体に見立てた絨毯を森に埋めるという異常な行動をとる。しかし、アリシアが帰ってこないことを不審がった周囲の人物によって警察が動きだす。さらに、シドニーが絨毯を運び出すのを、隣人のリリバンクス夫人が目撃していたことで、事態は悪い方向へ向かう……。
……というお話。ミステリーというよりはクライム・サスペンス。(作者も「わたしは推理小説家ではない」と語っています)
シドニーの心理描写がリアルで、没入感が凄いです。しかし後半、シドニーは意外な行動に……。
(って、来年コナンくん函館行くんでしょ!)