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【アニメ感想】名探偵コナン 第1065話「探偵は眠らない」

―視界を遮る謎の雲、推理で晴らしてSPARKLE!
 眠れないほど悩む依頼者。
 眠らないけど推理はできる?
 たった1つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人。
 その名は名探偵コナン!―

脚本は扇澤延男さん~! 「魔盛屋のチョコレート」のネーミングで判りましたw

登場キャラは、「扇澤ファイブ」ことコナン・小五郎・目暮・高木・千葉。扇澤さんこのメンツ好きすぎでしょ~~~。
ゲスト声優は日下部竜子役:早水リサさん、刑事役:伊原正明さん・中島智彦さん、木下キノ役:安達忍さん、九十九久役:沼田祐介さん、西脇香恵役:森永理科さん。



▼引用されるタイトル

どうした今年のアニコナ! ……と声を大にして言いたい。
今年に入ってから、タイトルが実在のサスペンス・ミステリー小説から引用されていることが多いのは何で!?

1036話,1037話「ホワイトアウト」は真保裕一の、
1057話「わるいやつら」は松本清張の、
そして今回は都筑道夫の同名小説から。
さらに、来週「死が二人を分かつまで」はジョン・ディクスン・カーの小説からとられているっぽい。(まあ決まり文句というか、よくあるフレーズでもあるけど)
脚本家はバラバラだし、アニメの内容も小説とリンクしている訳ではなさそうなので、ディレクターさんか監督さんの趣味……?

「小説からのタイトル引用」は趣向としては面白いけど、コナンならではのタイトルの妙が薄れちゃって残念……。「都会のカラス」「不思議な春のかぶと虫」「シンクロにシティ事件」とか、昔のタイトルは好きだったな……。

穿った見方をすると、最近のアニコナはロジック重視で、「〇〇事件!」とタイトル付けするのが難しいからなのかな……? 「ひよこ鑑定士」とか「フィギュア」みたいな具体性があれば別だけど。


▼今週のゲスト声優について

メインゲストで犯人の西脇香恵役は、森永理科さん! 『咲-Saki-』の池田華菜とか『みなみけ』のマコちゃん役! コナンは2回目で、前回は5年前の「セレブ夫婦の秘密」か~! どんな話だったか忘れちゃったけど、ここでも森永さん犯人役だった気がするw
小五郎に問い詰められ「私が犯人って証拠は?」と呟くシーン、鳥肌立った!

容疑者・九十九久役は沼田祐介さん! 声優界の名バイプレイヤーのお一人……!
マンション住人・木下キノ役は安達忍さん! 大ベテランがコナン初出演! 安達忍さんといえば『サイバーフォーミュラ』だな~。
被害者・日下部竜子役は早水リサさん! いやいや無駄遣いすぎるキャスティングでは!? ほぼ一言だったよ!?


▼西脇の行き当たりばったりな犯行

ってかトランクでっか!!!
コナクラならやっぱ「探偵たちの夜想曲」思い出すよね! あの回も今回も、「トランク開けたら死体」ってめちゃくちゃトラウマだよなぁ。

『名探偵コナン』76巻・FILE.3「探偵たちの夜想曲」

犯人・西脇香恵の犯行は一見計画的……のようだけど、溜まっていた殺意の衝動に駆られたかなり行き当たりばったりな犯行だったのかも。
すべてはたまったま鍵を落としたまったま罪を着せやすそうな九十九が拾ったのを知った偶然から。完全犯罪のお膳立てが偶然整ったことで、西脇は一線を越えてしまったのだと思った。
(九十九のライターは入手できた癖に、当夜のアリバイがあったという想定をしていなかったし)

見返すと、冒頭から西脇犯人の伏線が張られていたことに気づいた。
西脇が鍵を替えていないこと・西脇は一人暮らしなのに盗聴器で好みを知れたこと……。実は、細かい違和感を持たせていたのか。

それにしても、妹の面影を追っていた西脇が殺人犯で、彼女に罪を着せられそうになり、連行される前に罵られるなんて……九十九くん可哀そうすぎるよぉ


▼都筑道夫『探偵は眠らない』

今週の「併せて読みたいミステリー」は、タイトル元ネタの都筑道夫『探偵は眠らない』
「ホテル・ディック」シリーズで、浅草の高層ホテル「ハイライズ下町」を舞台にしたサスペンス小説。

ホテルの警備員として働く田辺素直は、「ホテルの客を殺す」という電話を受け取る。
……当の事件は意外とアッサリ解決する。しかも探偵役の田辺がスカッと解決するわけでもなく、警備主任の小太刀がしれーっと推理を披露し、「えっこれで終わりなの!?」という終わり方でビックリした。

ただ、ホテルを取り巻く人々と田辺のやり取りが非常に面白い。(『仮面ライダーW』好きな人は好きだと思う!)
更に、主人公が事件のために寝ずに駆けずり回る一連が、リアル・タイムで描写されているので、『24』見てるみたいでスリリング。
「眠らない」ということの格好良さ・ストイックさ・ハードボイルドさが協調されている。

二十八階建の小都会は、大きく目をひらいて、起きているのだ。おれとしては、せいぜいホテル・ディックらしい足どりで、歩きまわるしかない。安葉巻のかわりに、火をつけないキャメルをくわえて、吹きぬけの二階へ、おれはゆっくり、螺旋階段をのぼっていった。

『ホテル・ディック 探偵は眠らない』都筑道夫著、新潮文庫

事件そのものの謎を楽しむより、ホテルを取り巻く人々のユニークなキャラクター、主人公のハードボイルドさ、浅草の情緒……といったものを楽しむ作品だと思った



▼まとめ

最後、パトカーを見送った小五郎のシーンでメインテーマアレンジが流れるの、シメとして最高だった!
今週も、「魔盛屋のチョコレート」「悲虎町」と扇澤ネーミング炸裂! 九十九くんが飲んでいた「鳥貧」は鳥貴族のもじり?w

次回はガッツリミステリーっぽいし、結構楽しみかも!


小五郎「お待ちかね! Next Conan's HINT!」
コナン「タイムスケジュール!」

目暮「眠らない探偵か……」
高木「不思議ですねぇ……」
コナン「いや普通でしょ? それ」


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