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わずかに2棚。代官山蔦屋書店にて。

表題の数字、何かお分かりになりますか? 僕が書くことだからいけばな絡みなんですが、もっというといけばなを含む花業界まるごとへの問いかけでもあります。

代官山蔦屋書店の3号館1階をざっくり見ると個人的な興味でいつも足を運ぶワイン関連で1棚、日本酒、焼酎、ウイスキーなど合わせて1棚。手芸の類も同様1棚。食関連だとグルテンフリー、カゼインフリーなど話題のもので2〜3棚。ストーブを使ったレシピ、あるいは人気料理家さんのレシピ本で1〜2列。食関連全体では1フロアの4〜5割(もっとかな?)程度かな(数字はすべてざっくり渡来調べ)。
対して植物関連の書籍は表題にある2棚。少なっ!!
植物関連、に含まれるものには、多肉やバラの園芸関連に花束の作り方、ウエディング関連、そしていけばな、盆栽、植物図鑑的なもの、ここになんなら洋書まで含まれています。これら全部ひっくるめてわずか2棚に収まってます。
ライフスタイル、なんて言葉が使われるようになって久しいですが、そんな言葉が使われる以前から実践している人が住まい、今では言葉の響きにつられて集う人々も多いと思われるこの書店に於いて、この状況…。
青山ブックセンターはもう少し多かった気がしますが、それでもインテリア、とか建築、といったジャンルの比ではなく、うつわや民芸などといった限られたジャンルのものと同程度だったような。そもそも上記に挙げた植物関連のあれこれがジャンルとして立っていない、というかおそらく立てるに当たらないぐらい、この地に於いて取り上げるべき書籍の総数が少ないということなのでしょう。
花だって、レシピ集のようにビジュアルブックとしての要素をもっと取り入れて構成したり、春夏秋冬イベント向けの花しつらえ的な、ニーズに合わせることもできると思います(すでにちらほらあるのだろうけれど)。
またいけばなの各流派においては、今はSNSで個々人が発信している(玉石混合)状態にあっては、門外不出なんて花型があるわけではなく、もっと積極的にマスに向けたビジュアルブックをつくるべきだと思う。
なにせ毎度のことですが流派のいけばなはある種、団体芸としての側面があります。積極的にSNSで流派の花型を発信しているのが、習い始めのお稽古花ばかりであった場合(これ自体は否定していません)、流派全体のクオリティがそれとしてみられるおそれがあるわけでして。これって、得策ですか? 流派の花を、手練れがいけたものをしっかり発信する必要はやはりあると思う。

必要があれば僕自身、花に携わるものとして、またこれまでの編集者、ライターとしてのキャリアをいかして構成や文章を書くこともできるんじゃないかと。

花業界はもっともっと言葉での打ち出し、ビジュアルでの打ち出しをすすめる時期に来ていると、この書店の棚を眺めて改めて思った次第です。どの業界に習うとよいのだろう。

ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。