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運び屋に過ぎない僕と、フヨフヨと漂う自然を読む力。

雨のミラノに着きました。
道中、身にあまる厚遇にいささか戸惑っておりましたが、機内で以前保存していたTEDのエピソードにあったエリザベス・ギルバートの”Your elusive creative genius”を観て腑に落ちました。曰く、人知の及ばぬところから、クリエイティビティは降ってくる、みたいなこと。八百万の神さまがフヨフヨ漂うのを囲える可能性を期待して作られた”代”よろしく、私の中に才能が降りてくる、それをいかす、みたいな感じでしょうか。

仮に自然を読む力といったものがあって、うまいこと僕の中にとどまっていてくれるのを先方が見出してくれたのなら、分不相応とも思えるのびのびシートに埋もれていた状況にも合点がいきます。普段から自然を相手に植物にお世話になっているからこそ、すごくしっくりくる感覚。僕の目や耳、指先を通して入ってきて、ハサミを介して通り抜けて具現化される自然。

クライアントさんが高いエアチケットを払って呼び寄せたのは僕ではなくて“自然を読む力”。であれば僕はその運び屋に過ぎず、万難排してその感覚を先方に届けねばならない。ミラノ近郊にある自然をうまいこと捉まえて、ときに会場の装花としときにWSのマテリアルとせねばと気持ちを新たにした次第です。

ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。