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メタバースって何!? スマホで入れるバーチャル空間と主な企業【日経COMEMO】

「メタバースのライブに『キンプリ』が出るんだって!」
近頃耳にする「メタバース」ですが、私がそれが何かを知ることになったのは、
“推しのライブ”でした。

3月12、13日に開催された『JM梅田』は、阪急阪神ホールディングスが開催した“バーチャル音楽ライブ”です。

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出演するのは初音ミク、Vtuberなどの「キャラクター」。

私が好きなアニメ『KING OF PRISM』(通称『キンプリ』)のキャラクターも、3DCGモデルが作られており、ライブに登場することになったのです。

メタバースがさっぱりわからないながらも、スマホにアプリをインストールして、自分のアバターを選んでログイン。こ、ここは…!
自分でアバターを歩かせてみると、目の前に「阪急百貨店」の建物が! 近くには阪神百貨店もあります。
これは間違いなく大阪・梅田ど真ん中の交差点です。

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なぜ関東住みの私が梅田だとひと目でわかるかというと、『キンプリ』の応援上映で映画館「梅田ブルク7」まで遠征したことがあったからでした。

■現実の街を摸したメタバース

『JM梅田』ライブのレポートは後編で書きますが、
まずここでは「メタバースとは何か」、調べたことをお伝えしたいと思います。

今回、梅田の街を摸したメタバースを体験したわけですが、
「現実の街を摸したメタバース」にはどんなものがあるか、幾つか調べてみました。

バーチャル渋谷(20年5月19日オープン)
KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心とする50社で組成する「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」による渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」。
これまでNetflixアニメ、『ソードアート・オンライン』『名探偵コナン』『にじさんじ』(Vtuberユニット)などのイベントが開催されています。
同じ座組みで21年5月25日には「バーチャル原宿」もオープンしています。

バーチャル六本木(21年3月28日オープン)
テレビ朝日によるメタバース。こちらによると、
《テレビ朝日には、六本木の街全体をメディアシティとして捉える「メディアシティ戦略」があり、六本木をエンタメ空間としてバーチャル化し、そこでイベント展開を活発化させていければと考えました。》とのこと。

バーチャル秋葉原駅(22年3月25日オープン)
この3月25日、JR東日本がNTTドコモと連携して「世界初の「メタバース・ステーション」“Virtual AKIBA World” をオープンするとのこと。
プレスリリースには経緯が書かれていました。
《2021 年 8 月に JR 東日本として出展した『バーチャルマーケット 6』では、JR 東日本ブースへの来場者が歴代の企業出展ブース中最多となり、多くのお客さまにご体験いただきました。ご好評を受け、いつでも、どこにいてもスマートフォンから体験可能な『メタバース・ステーション』としてパワーアップし、本オープンに至りました。》

■VRの延長線上にあるメタバース

メタバースとは何かの前に「バーチャル空間」の歴史を少し書かせてください。
97年にはMMORPG「Ultima Online(ウルティマオンライン)」がサービスを開始。MMORPGというのは、『ソードアートオンライン』で知られるようになった、多人数が同時に同じ世界に参加できるオンラインゲームです。

そして03年には「Second Life(セカンドライフ)」が登場。
かつて話題になった「セカンドライフ」ですが、なんと「メタバース」空間なのだそうです!(調べてて知りました)
なぜ「セカンドライフ」が流行らなかったかというと、遊ぶには非常に高性能のパソコンが必要で、当時のパソコンでは空間に入ることができる人が限られていたためだそう。時代が早かった…。
まだサービスは続いていて、60万人のファンがいるそうです。

肝心の「メタバースとは何か」。
知る鍵は、近年大きく話題となっている「VR空間」にあるのではないかと思いました。

バーチャル秋葉原駅のプレスリリースに出てきた
『バーチャルマーケット』を調べてみました。

VRクリエイターや企業がバーチャル空間に展示物を出すイベント。
《ソーシャルVRサービス「VRChat」のバーチャル空間に作られた特設会場。(略)VRヘッドセットも必須ではなく、スペックを満たしたパソコンさえあれば簡単にアクセスできます。》

それってメタバースの『JM梅田』と似たものなのでは……!

「メタバースとは何か」を知る鍵は「VR」にありと仮定して、では「VRとメタバースの違いは何か」を調べて見ました。

こちらの講演が非常にまとまっていました。

・VRは、単体のコンピュータでなんとか動いているもの
・メタバースは同一のブラウザ上に、たくさんの人が同時接続して同じ空間の中に入ってこられるもの。
・5Gというネットワーク技術の革新が起きたことで、「高速化」と「多点接続」が可能になった。
・5Gにより、これまでは難しかったメタバースの空間が作りやすくなった。
・今のVRの資産をブラウザ上にのせていく、それがメタバースにおける技術開発では非常に重要になってくる

■メタバースの一般化は「スマホ」から始まる

上記の講演から見えてきたのは、
メタバースは、私たちのような一般ユーザーにも手軽に入れるバーチャル空間である、ということでした。

バーチャル空間に大勢の人が入る遊びは、『マインクラフト』『どうぶつの森』『フォートナイト』の流行で一般化しました。最初のプラットフォームは専用のゲーム機で、その後アプリ版が出ています。

一方、メタバースは専用機ではなく、最初から「ブラウザ上」にあります。VRゴーグルを持っていなくても高性能なパソコンがなくても、スマホから簡単にログインできます。

これまでの専用機由来のゲームも今はスマホ版が出ているわけですが、ゲームのアプリとメタバースはどこが違うのかというと、
「同一のブラウザ上に、全てのものが一同に介することができる」点が、最も特徴的だと思いました。

個人的には「バーチャル秋葉原駅」のプレスリリースにあった「どこにいてもスマートフォンから」という文言に、パラダイムシフトを感じました

VRゴーグル等も含めて、専用機があるとより深く楽しめるのは事実なんですが(特にVRでは身体を動かすことと連動できる)、バーチャル空間に気軽に入りたいという人はスマホが一番手軽です。
また期間限定で開催されるメタバース上のイベントに一回だけ参加したい(『JM梅田』もそうです)ファンにとっては、「毎回違うイベントにスマホから簡単に参加できる」ことはとても気楽です。

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■メタバースの国内企業とプラットフォーム

ここでメタバースの国内企業をみていきたいと思います。

クラスター株式会社
クラスターは、メタバースプラットフォーム「cluster」を制作・運営する企業です。
先ほどのKDDI等の「バーチャル渋谷」やテレビ朝日の「バーチャル六本木」も、クラスター社で制作・運営している「都市連動型メタバース」の1つ。イベント主催企業は、クラスター社が制作したメタバースの街を使用しているのですね。

クラスター社は、現在、「誰でもメタバース空間をつくれるアプリ」をリリースしています。

クラスター社の「メタバース空間作成アプリ」には、ソニーが250億円規模の新ファンドを組成しています。

monoAI technology(モノアイテクノロジー)
現在、日本国内でもメタバースのプラットフォーム制作・運営会社は幾つかあるようで、「JM梅田」で使用された梅田の街を作った
神戸の「monoAI technology(モノアイテクノロジー)」もそのひとつでした。
ソニーグループから7億5千万円の資金調達を受けています。

★VR法人「HIKKY」
もうひとつ、企業と少し違う形を目指しているのが、VRイベント『バーチャルマーケット』の主催から法人化したVR法人「HIKKY」。
ここが開発した「Vket Cloud」は、専用アプリのダウンロードが不要で、URLリンクをクリック(タップ)するだけで空間に入れるそうです。
開発の背景にはこちらの記事にありました。

HIKKYの理念としては、メタバースを同一のブラウザ上に置くこと(「VRからメタバースへ」講演で語られていた「メタバースは同一のブラウザ上にある」の話です!)。
現在、メタバースの企業は、各社個別にプラットフォームを作って別個にサービスをしているけれども、本来は同一ブラウザのプラットフォームに乗り入れてもいいんじゃないか……ということです。『バーチャルマーケット』の主催者ならではの発想だと感じました。

以上が私の調べたことでした。(初心者なので間違いがたくさんあると思います。コメントにお願いします)

メタバースに各社参入しているのは、誰もがスマートフォンで入れるため、課金も含めた市場の可能性を感じているから。
そして私たちユーザーの変化も大きいです。『あつまれ!どうぶつの森』などのゲームでバーチャル空間に入ることが一般化しました。

次回は、『JM梅田』参加レポートと、「現実を摸した街のメタバース」をファンがどう楽しんだかをお届けします!

【追記】ユーザー自身が作れるメタバース「UGC」なものたちについて、レクチャーしてくださる方が。感謝とともに共有させてくださいませ。
https://twitter.com/UMIUSiO/status/1515183847398207491?t=vQ5D0U6N-eTc5Bhezn07lw&s=19

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