その音楽。背景に徹するか、映像と絡めて主張するか。
分厚い方が存在感消せる
映画でもTVドラマでも、最近は分厚い音を求められる事が多いです。
ハリウッドスタイルと言いますか、数百人規模のオーケストラサウンドみたいなイメージです。
リッチな映像に合わせて、音楽もリッチにという事もあると思うのですが、昔よりも映画音楽に求められるものがメロディよりも雰囲気になっているという点が大きいと思います。
意外に思えますけど、少人数の楽団よりも巨大なオーケストラの方が劇音楽としての存在感を消しやすいんです。
ソロシンガーより、100人のコーラスの方が背景になりやすいのと同じです。
ダンケルクの音楽
例えばこの「ダンケルク」の予告の巨大オケの感じ。しっかりと背景に回って雰囲気を作りまくる。
別れる決心の音楽
それに対して、こちら「別れる決心」は少ない楽器編成で、特殊奏法満載な劇音楽が展開され、それらが映像や台詞と絡み合ってしっかり主張してきます。
この予告編では、後半比較的大きめのオケ使ってますけど、
どちらもその良さがありますが、色々な仕事をしてきて、ダンケルクのような厚みのある、背景になりやすい音を求められる事が比較的多くなってきたなと感じています。
分厚い弦楽を作る時に重宝してるソフト
たまにはどうやって作ってるかという話でも。
巨大なストリングス、大きなうねりのような弦楽オケが必要な時、最近は下の2つのストリングス音源と生のストリングスの3つをユニゾンで重ねて作り込んでます。
オケの総合音源ですね。しっかりとオーケストラの音を作ってくれるので好きです。
2、Hans Zimmer strings
巨大オケと言えば、ハンスジマー。こちら344人編成の弦楽オーケストラ音源です。奏法も、芯のないフワッとしたものが充実していて、巨大な雲に包まれているようなというか、背景になりやすいんです。
BBCで骨格作って、Hansで増幅させて、更に生楽器の録音を重ねて、空気や手触りを足すみたな感じで作ってます。
今日はストリングサウンドの作り方(私の場合)の紹介でした。
そのうち、特殊奏法系とか、金管系とかの私はこうしてます、みたいな事も書いていこうかと思います。