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フリーランスの時も公務員の今も、自由に不自由はしていない。
フリーランスから公務員になって1カ月。
滋賀に来た当初はこれまでと180度変わったように思えた生活も、
もしかしたらキャップとパーカーとデニムの出番が減ったくらいなんじゃないかと今は思っている。
「自由がなくなったのでは?」と聞かれることも多いけれど、フリーランスの時も公務員の今も、自分でも意外なほど自由に不自由はしていない。
私にとっての自由とは、時間や場所、行動を制限されないことや
誰からも指示を受けないことではなくて、
今この場所で、心が自在であることなのだと最近思う。
完全にではなくても腹落ちして行動していないと、どこにいても何をしていても恐ろしく窮屈で不自由だ。
子どもの頃から、誰かの正解に私の腹落ちなく心や行動を矯正されそうになった時に、とてつもない不自由さを感じてきた。
自分の納得とは、きっとそれほど大切なものなのだ。
「自由でいいね」
旅をしていたときによくそう言ってもらうことがあったが、あまりピンとこなかったのは
今日そして明日、どこへでも行ける、何でもできる状況に身を置いてみたところで、学生時代に焦がれていたような「自由感」を感じることはなかったし、
会社員の時は、制限の中にいるからこそ休みになれば強烈な自由を感じることができ、その自由を大切にしている自分がいたからだ。
自由とはややこしい。
と、適当にまとめてみたものの、
あまりに長い間その漠然とした自由という存在に焦がれていたものだから、こんなに簡単に手に入るものではないし、身近に存在するはずがないと、心が身近な自由を拒否しているだけな気がしてきた。
そう考えると、自由と幸せは似ている気がする。
そして自由と幸せと、子どもが拾ってくる石も似ている気がする。
信じられないくらいその辺にあり、すぐ拾われては家の中でよく行方不明になる。
かと思うとなぜか私のズボンの後ろポケットや、少しよさげなバッグの中などからいきなり出てきたりして、
「あなた、いつの誰でしたっけ…?」状態になる。
ちょっと自分でも何の話か分からなくなってきたし、「少しよさげなバッグ」などと見栄もはってみたところで、何が言いたいかというと、
きっと自由も幸せも、もちろん子どもが拾ってくる石も、憧れるものではなく、追い求めるものでもなく、苦労して手に入れるものでもなく、よく探さなくてもあるものなのだ。
(いい感じにまとまったような気がする!)
そして初心者公務員としての生活はというと、
こんな細かなところまで確認しなくてはいけないのか、うそーん。
とか、
私はこんなこともできない奴だったのか、しょぼーん。
とか、
それは私の得意分野だから、がんばるね!
とか、
そんなことを日々思って過ごしている。
でもこれは公務員になったからではなく、自分にとって新しいことに出会うたびに繰り返してきたことだ。
「会社員と、フリーランスと、公務員の違いは何ですか?」
そう聞かれることが増えてきたのだが、これからは「なす」か「なすび」かくらいの違いだと答えてもいいんじゃないかと思う。(ちなみになすは春菊とならび一番好きなお野菜だ。)
会社員の時もフリーランスの時も公務員の今も、
みんな、自分にとってのお客さまや仕事仲間や目の前の課題に心を尽くして過ごしている。
ほんの少しでも、今より心地いい社会にするために。
みんな何も変わらない。
新しいところに飛び込んだときに感じるギャップはいつだって誤差だ。
お堅いとかゆるめとか古いとか新しいとかは、職業にあるのではなくて、あるとしたら個人にあるのではないだろうか。
そんなことを思う一カ月目。
最後に、先日滋賀大学にて県職員として授業をさせていただいた時のことを書いて終わりにしたい。
授業の中で私の今までの活動などもお伝えしたところ、生徒さんの感想用紙の中に
「渡部さんはどこに向かっているんですか?」というものがあった。
これは、フリーランスの時によく聞かれた質問だ。
公務員になってもそういわれるのは、「変わってないね」とみんなから言ってもらえているようでとても嬉しい。
次にお話しする機会があったら伝えたい。
将来は突然来るものではなく、今の連続だ。
今を全力で楽しんでいる先に、将来がある。
どこに向かっているんですか?と聞かれたら、
このまま今を試行錯誤しながら楽しんでいった先には、
きっと面白い未来が待っているんだろう。
偉そうにそう伝えた最後に、「知らんけど。」もつけておこう。
関西なのできっと許してもらえると信じている。
これが、たかだか一カ月弱の初心者公務員の私の感想と、一年の振り返り。
来年は何を思うのか分からないが、
相変わらず、この道は私にとってのまっすぐだ。
いい年だった。
おわり。
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