いくらまでOK?個人事業主・フリーランスのふるさと納税。ー寄附限度額の求め方ー|数字が苦手な方向け【ちょぴりイラスト解説】
ふるさと納税の「寄附上限額」。
ふるさと納税をしたことがある方は、聞いたことがあるかもしれませんね。
そう、ふるさと納税には「上限額」があるのです。
と言っても、少しわかりづらいですよね。
言葉自体の難しさもありますが、加えて、
「個人事業主・フリーランスとして独立したけど、
数字が苦手過ぎて、税金の知識が頭に入ってこない。。。」
という方もおられるかもしれませんね。
今回は、そんな数字が苦手な方向けに、
ふるさと納税について、税務の観点から、
などについて、ざっくり書きましたので、
最後までご覧いただけるとうれしいです。
あくまでざっくりと解説を行う記事のため、
細かな数字などは載せていませんので、ご了承くださいね。
(「お金関係の記事を読むと意識が飛ぶ」という方は、
太文字のところとイラストを眺めていただければ、
なんとなくの概要つかめます。)
それでは、まずは、
「寄附上限額」について、少し解説していきたいと思います。
■ふるさと納税には、なぜ「上限額」があるの?
ふるさと納税は、地方自治体への寄附金ということになります。
本来、寄附金とは、
「この人たちを応援したい」という目的でやるものですよね。
なので、本当は、ふるさと納税自体には限度額はないのですが、
「それ以上やっても税金上の効果はないよ」というラインがあります。
それを、便宜上、「寄附上限額」と言っているのです。
ん?
「税金上の効果がない」とはどういうことでしょうか・・・?
その話をする前に、少し、ふるさと納税の成り立ちを見てみましょう。
1)ちょっと、ふるさと納税の成り立ちを見てみる。
ふるさと納税は、2008年にスタートしました。
そのころ、
東京都などは人口が多いため、その分、税収も多く、
愛媛県のような、人口の少なめの地方自治体は、税収も少なく、
と、自治体ごとの税収の格差は開くばかりでした。
そんなとき、
「国民が自由に、自分が選んだ地方自治体に税金を納められる仕組み」
として、ふるさと納税ができあがりました。
それによって、自治体ごとの税収の差を少しでも埋めようとしたのですね。
2)ふるさと納税の仕組み
では、具体的に、どんな仕組みかというと、
本来、あなたが納めるはずだった「所得税」と「住民税」の一部を原資に、
「ふるさと納税」という制度を使って、
「あなたが選んだ地方自治体」に、寄附金を納めるという仕組みです。
つまり、
「ふるさと納税」という制度を通して、
あなたは、「あなたが選んだ地方自治体」に、
ある意味、「納税」をしている。
とも言えます。
なので、その分、
「所得税」と「住民税」を減らしてあげますという制度なのです。
東京都に住んでいる私が、愛媛県にふるさと納税をすると、
東京都へ支払う住民税の額は「減って」、
その分、愛媛県への応援ができるということで、うれしいですね。
3)「寄附上限額」が決まるワケ
あなた自身が納める「住民税」や「所得税」の額は決まっていますね。
あなたの「住民税」と「所得税」のそれぞれの額の中から、
「あなたの選んだ自治体」に対して「納税」をしていくので、
自ずと、その上限額が決まってきます。
そして、
その「上限額」を超えた分を「ふるさと納税」で使うと、
その分は、住民税や所得税での「お得感のようなもの」はなくなり、
プライベートのお買い物と同じような感じになります。
銀行でお金を引き出すとき、1日の限度額が決まっているかと思います。
「住民税」からの引き出し限度額と、
「所得税」からの引き出し限度額。
それぞれの引き出し限度額に達したら、あとは自分のお財布から出すしかなくなりますね。
そんなイメージです。
なので、
「税金上の効果がなくなる」と言われるのですね。
4)ふるさと納税には、節税効果がある?
また、
「ふるさと納税は節税できるからやった方がいい」
ということを聞かれたことがある方もおられるかもしれませんね。
確かに、ふるさと納税をすると、「翌年の6月に届く住民税」の額は減ります。
ただ、それは、
これまでお伝えした通り、
あなたが、本来、
「あなたが住んでいる自治体」や「国」に納めていた住民税や所得税を、
「あなたが希望する自治体」に納めただけですので、
厳密には、「節税」とは言えません。
5)厳密には、「節税」ではないけれど、、、
厳密には、「節税効果がある」ということではありませんが、
とはいえ、ふるさと納税すると、
・魅力的な返礼品をもらえたり、
・特定のプロジェクトやものを応援できたり、
・地域の活性化に役立つことができたり、
と、今住んでいる地域以外の地域を応援することに繋がりますので、うれしいですね。
私自身は、今は東京都に住んでいますが、
やはり、生まれ故郷の愛媛県を、ずっと応援しています。
「ふるさと納税はいろんな地域を応援できる」
そういった感覚で、ふるさと納税を行っていただくといいかもしれません。
■ふるさと納税の「寄附上限額」の求め方
ちなみに、この、ふるさと納税「寄附上限額」。
「所得」によって「寄附上限額」が決まります。
つまり、「所得」が多ければ多いほど、「寄附上限額」も上がっていくということですね。
ご存じの方も多いかもしれませんが、「所得」とは、
・給与やボーナスといった、会社から支給されるもの
・個人事業主・フリーランスの方の、事業としての売上げ
・その他、不動産収入などの売上げ
といった「収入」から、必要な「経費など」を引いたものを言いますね。
つまり、個人事業主・フリーランスの方は、
・事業で使った経費
・社会保険や小規模企業共済などの、保険料や掛金
・家族を扶養している場合の「配偶者控除」などの控除分
などなど、いろんなものを、
「収入」から差し引いた額から「所得」の金額を出して、
そこから「寄附上限額」を算出するということになります。
そして、そこにはさらに計算式があり、、、、
と、、、気が遠くなりますね。
なかなか骨が折れる作業かと思います。
ふるさと納税の「寄附上限額」を決めるだけで、一苦労です。
ただ、最近は、こうした作業をクリアにしてくれるものが出てきました。
ふるさと納税サイトの「寄附上限額シミュレーション」です。
実は、従来の「寄附上限額シミュレーション」は、
「収入が給与だけの会社員の方」向けのものが多く、
なかなか、個人事業主・フリーランスの方におすすめすることが難しかったのですが、
■おすすめの「寄附上限額」の求め方
そんな中、
「ふるさと納税バイブル」さんが、
個人事業主・フリーランスの方向けの
「寄附上限額シミュレーション」を作られました。
お手元に資料を準備していただいて、
事業収入や経費、家族情報、保険の状況などを、
シミュレーションに入れると、「寄附上限額」が算出できます。
「かんたん版」もありますので、
いろんな資料を取り出すのが面倒な方や、
事業がコンパクトな方などは、
そちらを使っていただいてもいいかと思います。
ただ、実際の「寄附上限額」は、
確定申告書を作りきってみないと、本当に正確な数字は出てきません。
シミュレーションで出てきた数字は、
あくまで「遠からず」の目安金額としてとらえておいてくださいね。
ちなみに、
ふるさと納税の寄附額は、
「その年の1月から12月に支払った額」を見ます。
12月最後の時期の駆け込み過ぎには、ご注意くださいね。
(あ、ちなみに。
弊所と「ふるさと納税バイブル」さんは、何の関係もありません。
私がよさげだなと思って勝手にご紹介しているだけですので、
その点、ご安心くださいね^^)
■ふるさと納税をお考えの方へ
個人事業主・フリーランスの方は、12月ごろになると、今年の売上げの最終的な数字も見えてきて、本格的にふるさと納税について動き始める方もおられるかもしれませんね。
とはいえ、ふるさと納税は、種類も多く、
どんなものがいいのか、どんなところがいいのか、悩むところも多いです。
私、税理士 渡邊と株式会社しろくまさんで、共同運営でふるさと納税についての記事をまとめていますので、「ふるさと納税、ちょっと気になる」といった方は、こちらもご覧になっていただけると嬉しいです。
■お知らせ
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税理士法人ダヴィンチ 代表税理士 渡邊 正樹