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メイキング #1「アオサギの日常」の描き方

今回は僕の「絵のメイキング」を記事にしてみます。

実は前から自分の絵を描く際の描き方や考え方を細かく解説したメイキング記事を書いてみたかったのですが...確実に文章量も多くなりますし、そもそもなかなか発信する「場」も無く実現できずにおりました。

ですが!今回FANBOXという素敵な場を持つことができ、晴れて「絵のメイキング」として、かなり細かく制作風景を解説した記事をお送りできそうです!

...ちなみに超絶長い文章ですのでゆっくり読み進めてくださいませw

さて、今回の「絵のメイキング」は2023年9月10日に完成した1枚の絵の制作過程を細かく皆様にご紹介していきます。正直にお伝えすると僕の絵の描き方は「ちょっと独特」です。ですので是非読む時はもあくまで「雰囲気で」読んでいただくのが良いと思います。色々想像しやすいように文章を書いているつもりですが...その文章しっかり想像しながら読むと...きっとかなり疲れますのでご注意を!

ではまず今回の絵のタイトルから...

✨「アオサギの日常」


というタイトルを絵に付けました。タイトルのとおり野生で過ごす野鳥「アオサギ」の日常風景の1シーンを切り取るイメージで描いた絵になります。もちろんコケダマちゃんも添えた世界観です。

ちなみに僕は絵のタイトルを付ける時は「完成した瞬間に浮かんだ言葉」でタイトルを付けます。そういえば最近「日常」という言葉が好きでちょっと多用しがちでなんですよね...。

ご参考までに、完成した絵もここに掲載しますが...あえて今は見づに、この記事をゆっくり読み進めながら、完成の絵を想像して楽しむのも面白いかもしれません。

では改めて、まずは絵を描く前段階からお話をしていきます。この絵は2023年7月14日に公開されたジブリの新作映画「君たちはどう生きるか」を僕が劇場で鑑賞し、その内容に感化されこの絵の制作に至りました。

映画内では「絵として描かれたアオサギ」がとにかく本当に見事でとても感動してしまったのです。そして思わず...

😆< こりゃ~僕もアオサギを描きたい!

と、思いました。実は日頃趣味として野鳥撮影をする僕なので、アオサギを写真に撮ることも多いのです。近所の田んぼではアオサギをよく見かけ、比較的手軽に出会える鳥でした。

しかし、その気軽さゆえ意外と「絵に描こう!」と思ったことは一度もなっかんです。...あ!厳密には軽く線画の絵は一枚だけ描いた記憶も...とにかく、映画からとても良いキッカケを頂きました。ありがとうジブリ!ありがとう宮さん!

さて、前置きはこれくらいにして...じっくり絵の制作風景を紹介していきましょう。

🍀まずは白い紙を眺める!

まずは今から絵を描く白い紙を目の前に置き、とにかくじっくり眺めます。ちなみに今回の紙のサイズは「A5」サイズです。実は少し前までポストカードサイズを基本としていました...ですが、目の老いもあり今回は描く紙を「サイズアップ」して初の絵となりました。老いには勝てません><

まずは、作業冒頭に冗談ではなく本当に白い紙をじっくり眺めるところから始めます。僕の場合、絵を描く前は描くモチーフこそ決まっていますが、絵のレイアウトまでは浮かんでいません。まずはこれから描くべきレイアウト内容を白い紙を見ながらじっくり想像し具体的な「レイアウトの雰囲気」を頭に浮かべていくのです。

🧐< じっくり紙を見ると色々浮かびます!

大抵の場合は4,5分ほど白い紙を眺めます。白い紙におぼろげに浮かんできたレイアウトの印象を頭に焼き付ける感覚で、さぁ下描きのスタートです!

実は僕、今まで「一発描き」で絵を描くことが多かったのですが...最近少し描き方を変え、丁寧に下描きをして清書する手法に変わってきています。

そもそも下描きをして清書するのが一般的な気もしますが、僕の場合は「一発描きの緊張感」が良い絵になる一つのポイントだと思っており、その感覚を大事にいままで絵を描いてきました。

しかし、やはりこの手法もたくさんのことを瞬間的に考えながら描くこともあり、精神的にはかなり疲弊もするため...今では一般的な下描きスタートの描き方になったのです。これが老い...なのでしょうか。考えたくもありません…><

🍀まずはコケダマちゃんから!

おぼろげに見えていたレイアウトの印象をたよりに、まずはコケダマちゃん達から描いていきます。コケダマちゃん達に関しては元々一発描きが多かったため、線画の精度はこの時点でかなり高く、線に迷いもほぼありません。

僕は基本的に絵にコケダマちゃんを入れる場合、必ず「コケダマちゃんから」描くことにしています。理由としては、コケダマちゃんの立ち位置、そして向いている方向や視線、コケダマちゃんを映すカメラアングルなど、これから描く絵の全体的な指針的情報が突如明確になるからです。

例えば、コケダマちゃんを少し上を向いた印象で描き始めたとします。すると、その目線の先にはきっとコケダマちゃんの気の引くものが存在しているはずです。じゃあその気を引くものってなんだろう...という形で僕は絵の状況を横展開しながらレイアウトを考えていきます。さらに、コケダマちゃんが少し上を向いていることで「ややあおりぎみのアングル」という考え方もできるはずです。コケダマちゃんを描いただけで、絵の色々な情報がキッカケを持って浮き上がってくるのです。

そして、僕は基本的に自身の解釈で各モチーフに「ちゃんとした意味」を持たせることが好きです。例えば、花が右に向いているのは「風が左から吹いているから」とか、特徴的な葉が左を向いているのは「左に重要な物があるから」...のような感じです。

逆に何も意味もなくモチーフが意味のある様な状態になっていたり、意味のありそうなデザインをなんとなく描くのが苦手だということでもあります。...なかなかめんどくさい考え方を持つ僕なんですよね><

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