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銀色の紙は想像以上に神経を使いました-今年製作した特殊製本-B5ヨコ本コデックス装-

「烈果と雷鳴」というタイトルの、B5ヨコサイズの本コデックス装の製本です。

以前、「純粋思考物体」という、デザインされたコデックス装で協力させていただいた京都のアトリエ空中線の間様からの依頼で、今回も印刷からのワンストップで製作させていただきました。
その時の記事はこちらです
 ⇒ https://note.com/watanabe_seihon/n/n0e1fc1272012


今回の表紙はオフメタル銀46/130にチップボール22号を合紙しています。合紙表紙の場合、通常は2種の紙目がいずれも縦に流れる「順目合紙」が一般的ですが、縦目の見返し迄貼りつけたダミー製作のテストの結果、合紙とクルミの水分で外側にひどく反り返ってしまいました。


反りかえってしまった「順目合紙」のダミー

このため、組み合わせを変えてオフメタルは縦流れ/チップボールは横流れ/見返しは縦目の「ケンカ目」で合紙する仕様に切替えて再度ダミーを製作した結果、この組み合わせで反りを防ぐことが出来ました。


ほとんど落ち着いた「ケンカ目合紙」のダミー


表紙用紙が銀のため表紙と帯の印刷は、通常のオフセットではなく、「白色のシルク印刷」を採用しました。


銀が反射して分かりづらいですが斜めの帯です


写真でお分かりになるように、帯は斜めになっている特殊な形態のため、抜き加工と背幅と左右の折り返しに筋を入れてから、本にセットしましたが、表紙と帯の絵柄が重なって続くデザインのため、絵柄のずれがないように1冊ずつ確認・微調整をしながら慎重に帯を掛けました。


カガリは黒の色糸を使用


更に、オフメタルという紙がとても傷つき易いため、どの工程でも手袋をつけ普段より時間をかけて製本する必要があり、見た目以上に特殊な製本だった印象が強く残った事例となりました。

コデックス装の記事はこちら⇒ https://note.com/watanabe_seihon/n/n414093243af8

(記事担当:社長)


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