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昭和な機械達 だけど今でも現役です -その3 バッキング機-

昭和レトロな製本機械達を紹介するシリーズの第3弾です。

今回はこの機械

「バッキング機」とか「バッケ出し機」などと呼ばれている機械です。
日本製本紙工新聞社発行の「製本用語事典(1998年)」によりますと、「バッキング」とは「本の中身の丸身出しを行った後、中身の背の形を整え耳を出す作業」とあります。機械が無い頃は2枚の専用の板で締め取ってハンマーでたたいて耳出しをしていたそうな。これは、私もまるっきり知りません。今でも、諸製本(もろせいほん:図書館製本)ではこの方法でしているようです。
この機械でも、予め、手で丸身を出しておいたものを、1冊ずつ人の手で差し込んで起動のバーを引くと、上から丸い筒が下りてきて本の背中に沿って動いてツブシながら、ガッチャンガッチャンと耳を出しています。

「耳」といきなり言われてもという方のために。

この写真の、中身の背のところ両側にある、とんがっている部分。これを「耳」と呼んでいます。
これが有ることで、丸くした背が平らに戻ってしまわないようになるのと同時に表紙と中身は離脱しにくく、しっかりとバインドされているのです。
昭和の半ばには、丸身出しとバッキングが一度にできる機械(丸身出しバッキング機)が出来ていますので、この機械は私にとっても、ずっと片隅に置かれている機械です。今、使われるときは、束見本を数冊作る時位です。
でも、捨てられません。常に使っている機械が壊れた非常時(現実に、大きな故障で1か月直すのにかかってしまった時)には、人海戦術で丸身をだして、この機械で耳を出すなんてことも、3年前の新年早々にあったばかりですから。

レトロ感が漂う機械の銘板:電話番号に注目 


そんなわけで、この昭和前半生まれ機械君は、場所喰い虫と陰口をいわれながら、ひっそりと出番を待っていてくれています。
(記事担当:社長)

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