謎の痛みの正体
こんにちは!
WATANABEトレーナーの森です。
スポーツにケガはつきもの、、、とトレーナーの口からは易々と言いたくはありませんが、残念ながらスポーツにはどうしてもケガという存在が付きまといます。
今回のブログではトレーナーの現場で遭遇する、なぜ痛みが発生しているのか選手本人にもよく分からない謎の痛みについてお話したいと思います。
キッカケの無い痛み
こんな経験無いでしょうか?
テスト休みが明けて、さあこれから練習!
そんな矢先、練習していると違和感が出てきてその後少しずつ痛みが生じてくる。特に捻ったり、転倒したり、痛めた記憶は無いんだけど何故か痛い。ずっと痛みがある訳では無く、痛みの出方に波があって、この動きで痛い、みたいなのも無い。練習もそんなにハードじゃないのに。。。
後日、整形外科でレントゲンを撮っても異常が無く、炎症なども見られない。診断名もよく分からないまま消炎鎮痛材の湿布をもらい、痛みが引くまで安静を指示され、数日経っても痛みが引いて無ければまた来院して下さいね、と。
練習を休んでもあまり軽快せず、痛みを我慢しながら練習に入り、また痛みが出てきたりの繰り返し。結局よく分からないまま症状が落ち着いてくる。じゃあこの痛みは何なんだ?と疑問が出てくるかと思いますが、実際スポーツ選手を対象としたケガの相談でこのようなケースは結構存在します。
まずはスポーツにおけるケガについて簡単に整理していきましょう。
ケガの種類
スポーツにおけるケガの種類には大きく分類するとスポーツ外傷とスポーツ障害に分けられます。
スポーツ外傷とスポーツ障害
スポーツ外傷とは転倒、衝突などの1回に外力により組織が損傷されることで、より一般的な言葉で言えば ‟ケガ” に当たる。外力には直接的な外力(直達外力)の他、間接的な外力(介達外力)もある。(※)
スポーツ障害はスポーツ外傷と比較して比較的長期間に繰り返される過度の運動負荷により生ずる筋肉、腱、靱帯、骨、滑膜などの慢性炎症性変化である(※)
※日本体育協会(現 日本スポーツ協会)公認アスレティックトレーナーテキスト③より抜粋
要するに、相手の足やボールを踏んで足首を捻った(捻挫)。相手の膝が太ももに入った(打撲)。転倒して手を突いた際に骨が折れた(骨折)。こういったっ突発的なキッカケ(受傷機転)のあるケガはスポーツ外傷といい、それが直接的な原因ですし選手本人も納得しやすいですよね。
スポーツ障害は同じ箇所にストレスが繰り返し加わり続けることによって痛みが発生するものです。例えば脛骨(スネの骨)の内側によく出るシンスプリント(疲労性骨膜炎)というケガは体育館など固いフロアをジャンプやフットワークといったプレーを必要とするバスケットボール選手や、練習自体が長時間のランニングである陸上の中・長距離選手に多いスポーツ障害の一つです。
痛み=炎症?
スポーツ外傷もスポーツ障害も基本的には炎症が発生します。炎症が起きると基本的には以下の徴候が出ます。
①疼痛(ずきずき痛い)
②腫脹(腫れてる)
③熱感(患部を触ると熱い)
④発赤(患部が赤くなっている)
⑤機能障害(動かせない)
これらが客観的に観察されると患部で炎症が生じていると判断されます。それに加えて分かりやすいきっかけがあればスポーツ外傷に分類されるでしょうし、きっかけは無いけれど練習がハードだったりするとスポーツ障害として分類されます。
冒頭に挙げたレントゲンでも問題無い、腫れたりしてないけど痛みがある。は何に分類されるのでしょう?痛みがある=炎症ならキッカケもないんだしスポーツ障害じゃない?と考えることもできます。でも練習がハードでも無く、何ならテスト休み明けの疲労も溜まっていない状態なのに痛みが出てるのは何だか不思議。
意外と知られていない神経由来の痛み
『痛み』は基本的に神経を通じて身体が感じ取っているものです。虫歯になって神経を抜くとあれだけ痛かった歯の痛みが嘘のように無くなりますよね。座骨神経痛や肋間神経痛という言葉も一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。
神経はこのように身体中に沢山張り巡らされています。
その神経は痛みだけに関っているのではなく、筋肉を動かすために必要な脳からの指令を伝達したり、身体に起こる様々な情報を扱うネットワークの様な役割を果たしています。
この神経に不必要なストレスがかかる事で、痛みの原因となったり、痛みの要因の一つになることがあります。
上半身の痛み
頸椎(首)から出ている神経は肩や腕に繋がっています。首回りの筋肉が固くなるなどして神経にストレスがかかる事で肘や手首の痛みに繋がるケースがあります。首や肩周囲のストレッチをする事で改善する可能性があります。
腕神経叢
下半身の痛み
太ももの前、膝やふくらはぎ、足首や足底(足裏)の痛みは腰から出ている腰神経からの影響を受けている事があります。お尻や股関節周りの筋肉が固くなることで神経がストレスを受けて痛みを生じさせていることがありますので、股関節周囲のストレッチを行う事で改善に繋がる可能性があります。
坐骨神経
大腿神経
注意する痛み
神経由来の痛みはレントゲンに映らないのですが、レントゲンに映らない痛み全てが神経痛ではありません。内臓など臓器の問題がそのまま体表の痛みとして感じられたりする場合もありますので、痛みが引かない場合は自分で判断せずに医療機関を継続して受診するようにしましょう。
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