④神話から学ぶ「ヒーローズジャーニー」パート2
chpter.1 ヒーローズジャーニーと映画
前回の記事では、神話を基に「ヒーローズジャーニー」とは何かを説明しました。
以下のようなストーリー構成(ヒーローズジャーニー)が、世界中の神話には共通してるって話だったと思います。
①日常世界にいる主人公
②非日常世界へ舞い込む事態になる
(ポイント1、その際にトンネル的なものをくぐる神話が多いそうです。)
(ポイント2、その際になんか重要なアイテムが登場する神話が多いそうです。)
③非日常世界で主人公めっちゃ落ち込む
④師となる存在と出会う。
⑤試練となる出来事発生。頑張る。
⑥日常世界へ帰る
それで、今回の記事では、このヒーローズジャーニーが、映画にもバンバン使われてるって話をしますね。
特にこの4つの映画がめちゃくちゃヒーローズジャーニーに忠実な作りです。
ロードオブザリング
ハリーポッター
スターウォーズ
千と千尋の神隠し
です! この4本の映画を観たことある人は、すぐ分かると思うんですけど、めちゃくちゃ上に挙げている①〜⑥のポイントに沿って映画進みますよね。
そしてこの4本の映画の共通点は、めちゃくちゃヒットしてるということ。
つまり、ヒーローズジャーニーはなにかしら万国共通で人の心を揺さぶる魅力があるんでしょうね。DNA的に。
ちょっとこの4本の映画と、①〜⑥のポイントで共通してる要素を細かく解説しますね。
chpter.2 4本のヒット作の共通項
ロードオブザリング、ハリーポッター、スターウォーズ、千と千尋の神隠し
どれも主人公が非日常体験をする際に重要なアイテムが存在します。
ロードオブザリングなら指輪、ハリーポッターなら杖、スターウォーズならライトセーバー、
千と千尋は、、、?
千と千尋はかなり洒落たひねりがあります。千と千尋は名前がキーアイテムとなってる作品です。
千尋の名前を奪われ、千という名前を湯バーバから預かるという交換儀式が彼女の非日常体験をスタートさせます。
アイテムが登場するってのも世界中の神話に欠かせない要素なんです(ヒーローズジャーニー提唱者である神話学者ジョゼフキャンベルは、このアイテムのことを聖杯(?)と呼んでた気がします、たしか。)
また、4本の作品では、非日常世界へ行く際に、日常世界と非日常世界の境界線を越えるシーンがあります。
ロードオブザリングでは、パート1でサムが「ここから先は踏んだことがない土地です」のセリフが象徴的です。
ハリーポッターなら、9と3/4番線で不思議な壁をすり抜けます。
スターウォーズであれば、ミレニアムファルコン号でハイパースペースを突破します。
千と千尋の神隠しでは、不思議なトンネルをくぐります。
世界の神話では洞窟やトンネルをくぐると異世界というのがテンプレートです。千と千尋はそれに忠実ですね。
そして4本とも必ず師が登場しますね。
ロードオブザリングならガンダルフ。
ハリーポッターなら、ダンブルドア。
千と千尋の神隠しなら銭ーば。
スターウォーズなら、、、
そう、スターウォーズは「師」というコンテンツをかなり巧みにストーリーに練り込んでありますね。マスターオビワン、マスターヨーダなどなど、、、数限りなく出てきますね。
chpter.3 スターウォーズ&千と千尋の神隠し
上に見てきた通りなんですが、
特にスターウォーズと千と千尋は、ヒーローズジャーニーに忠実です。
というのも、スターウォーズは監督であるジョージルーカスがの「東洋思想も西洋思想のハイブリッド的な映画を創る」という意思が強いからです。ジョージルーカスはスターウォーズの構想にあたって、かなり東洋神話も西洋神話も勉強したようです。
千と千尋は、宮崎駿監督が日本神話思想をかなり全面的に出してきてます。ですからとても日本的なヒーローズジャーニーに仕上がってますね。
千尋が元の世界に戻るためにトンネルを再度くぐる際、白が「振り返ってはいけないよ」と言ってます。
この物語終盤における「〜してはダメ」の展開は、浦島太郎や鶴の恩返しにもあるやつです(前回の記事に詳細書いてます。例のあれです。)
chpter.4 ヒーローズジャーニー×教育
見てきたとおり、ヒーローズジャーニーの流れはかなり人間の心を躍らせる展開みたいです。
ヒーローズジャーニーのジャーニーは、旅という意味の英単語です。
心躍る旅路には、ある程度法則があるっぽいですね。
わたしは教育者として、子どもの学びもヒーローズジャーニーであってほしいと願います。
そのためには、学校という空間が、子どもの非日常体験を呼び起こす場でありたいと思います。
学校で出会う全ての人が子どもにとっての師であってほしいです。
では、わたしは教師として何ができるでしょう?
授業のデザインを変えることだとおもいます。
従来の、「ストーリーの決められた一斉型授業」から、「個別最適化されたPBL」へと授業デザインを変えることだとおもいます。
学びの主人公は子どもです。子どもが自らが主人公となってヒーローズジャーニーを体験できるような環境を整備すること。それが授業をすることと同義になるはずです。
その要は「個別最適化されたPBL」のはずです。
(個別最適化やPBLについての詳細は、昔の記事に書いてあります!)