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③神話から学ぶ「ヒーローズジャーニー」パート1

はじめに

大学のとき、少しだけジョセフキャンベルという神話学者について学んでいる時期がありました。

その人は世界中の神話を研究して、どんな国の神話にも共通のストーリー展開が仕組まれてることを発見しました。

そのストーリー展開を「ヒーローズジャーニー」とジョセフ先生は呼んどります。

んでもってヒーローズジャーニーが、どの国のおとぎ話にも、なんなら現代の多くの映画にも仕組まれてるってのがめちゃんこ面白いんですよ。僕的には。

しかもヒーローズジャーニーに忠実な映画ほど、誰もが知るようなヒット作になってます。いわばヒーローズジャーニーに従ったストーリーの映画は万人受けしやすいってことです。

「ヒーローズジャーニー」とは

ジョセフ先生曰く、ヒーローズジャーニーのストーリー展開はだいたいこんな感じです。

①日常世界にいる主人公

②非日常世界へ舞い込む事態になる

(ポイント1、その際にトンネル的なものをくぐる神話が多いそうです。)

(ポイント2、その際になんか重要なアイテムが登場する神話が多いそうです。)

③非日常世界で主人公めっちゃ落ち込む

④師となる存在と出会う。

⑤試練となる出来事発生。頑張る。

⑥日常世界へ帰る


みたいな感じですたしか!あんまり覚えていなくてごめんなさい。

これだけれでも既に、何種類かのおとぎ話や映画を彷彿させますよね?すごくないですか?

ヒーローズジャーニー×おとぎ話

たとえば、「浦島太郎」なんてだいたい上に紹介したヒーローズジャーニーの展開ですよね。まぁあれは悲しいくらいバッドエンドですが。

とくに日本的なおとぎ話は、

⑥日常世界へ帰る

という展開のときに、「〜してはダメ」と誰かに言われてるのに主人公がそれを守らない、っていう展開が多いです。

たとえば鶴の恩返しでは、「ふすまを開けてはいけません」という鶴の言うことを守らなかったことが、主人公が非日常的ストーリーの体験から日常へと帰るきっかけとなります。

浦島太郎の「玉手箱を開けてはなりません」というストーリー展開もそれの応用編ですよね。玉手箱を開けちゃったから、竜宮城での非日常体験から、年老いた日常世界に戻されるという。


この「〜してはダメです」のベースとなる神話は、日本最古の神話集である『古事記』の中に収録さされてます。以下のような話です。

日本を作ったイザナギという男の神様が、死んでしまったイザナミという奥さんを連れ戻すために洞窟をくぐって黄泉の国へと冒険するストーリーがあります。

そこで奥さんのイザナミを見つけるんですが、そのときに「支度するから見てはダメ」と言われたのに見ちゃいます。男ってそんなもんです。

そしたら、奥さんは全身が腐敗しててウジ虫が沸きまくってるという結構グロテスクな状態だったんですよ実は。

それで怒り狂った奥さんイザナミは、旦那イザナギを追いかけまわします。

旦那イザナギは、奥さんの追跡劇を逃げ切って、黄泉の国からまた洞窟をくぐって現世へ帰ってきます。そんでもって洞窟を岩で封じます。


冷静にヤバイ話ですよね。

けど、僕が最初に説明したヒーローズジャーニーと被るところたくさんあると思います。

こんなストーリー展開が日本だけでなく、世界中の神話にあるという事実をジョセフ先生は見つけました。

次回の記事では、ヒーローズジャーニーと有名映画の関係性について書きますね。

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