紙vsiPadにおける、紙の利点について再考してみる
ペーパーレス化、ということが言われて久しい。古くはPCの発展に伴って言われてきたことであるが、最近はiPadに代表されるタブレット端末が普及・発展してきたことで、「手書きメモの置き換え」というレベルでのペーパーレス化が進んでいる。実際にYouTubeで検索してもいろんなアプリやその使い方が紹介されている。
さて、ここで一度、「紙とiPad、どちらが優れているのだろうか?」という点についてもう一度再考したい。もちろん、結論から言うと「手書きもiPadも、それぞれ良さはある」というものだが、ここでは主に手書きの良さ、つまり「紙とペン」にもまだまだ利点があるんだよ、ということを述べていきたい。
というのも、自分自身が、最近では逆に紙に戻ってきているからだ。
ちなみに、ちゃんとiPadproとアップルペンシルを所持しているから、iPadの利点についてはよく分かっているつもりだ。
1. 電気を全く使用しない
これは大きくないだろうか。当り前のことだが、iPadは電気を消費する。なので充電が必要である。現在のiPadではだいたい連続使用で10時間程度だろうか。使っていて減るのはもちろん、使っていなくても電力は自然蒸発していくので、地味に充電を気にするシーンはたびたびある。もちろん、紙にはそのような不便さは一切ない。
充電と言えば、バッテリーの劣化も心配だ。あと、今の最新iPadproは、ペンシルがマグネットで本体にくっついて充電できるが、それ以外のiPadはペンは別で充電しなければならないので、このペンの充電がめんどくさい。
このバッテリー持ちも、やはりもっと性能がよくなれば、と思わざるを得ない。
あと、電気で動くということは、起動する時間もあるということだ。iPadの起動時間はほぼストレスなくスムーズだが、やはり紙とペンには及ばない。だって起動時間ゼロ秒だからね……
2. 視差や遅延が完全にゼロ
iPadの描き味は最強である。プロなら120FPSでの描写は、スロー撮影でしか遅延を見分けられないだろう。
視差もほぼゼロで、横から見ても全く分からないくらいだ。
だがよく考えて欲しい。紙とペンは無限FPSで、視差も全くのゼロだ。
しかも紙とペンなら、ペン先の沈み込みなど、感触もある。iPadの画面がペンで押したら沈み込んだら嫌だろう。
そう、やはり紙とペンに近づくことはできても、紙とペンの描き味を完全に再現することはできない。
もちろん、iPadとアップルペンシルの描き味はタブレットではほぼ最強の感触であり、実用的に全く問題ないレベルである。
しかしどちらがより直感的か、と言われればやはり紙とペンだろう。
3. 安価でラフに扱える
iPadは最安値でも3万5千円程度する。仮に整備品などで3万円で買ったとしよう。ペンも1万近くするが、これも1万と仮定する。とすると、iPadでメモやノートを置き換えるのに、4万円も払うことになる。もちろん、iPadはネットもできるし、音楽もかけられるし、参考書も電子書籍なら参照できるので、ただの紙よりできることは多い。それだけの価値はあるかもしれない。
しかし、機械である以上、突然の故障なども考えなくてはならない。特に持ち運ぶならなおさらだ。スルッっと手から滑り落としたら最後、画面バッキバキのiPadが出来上がるだろう。
紙ならそんな心配はない。何ならちぎって適当な大きさにして使うことも可能だし、紙飛行機を折るのも自由だ。そして安価である。4万円あれば、いくらでも紙とペンを買える。
そして紙で書いたものは、スキャナーさえあればデジタルに移行させることも可能だ。スキャナー用の金がかかるが、それは安価な分、浮いたお金で買えばいいのではないだろうか。少なくともiPadより安いと思う。
総論……結局はそれぞれの利点を把握して、使い分けるのが大事、ということでしかない。そうであるなら、なおさら「iPadは最高!」なのかどうか、一度よく考えてみることは重要ではないだろうか。
なぜ急にこんなことを書き出したのかって?
部屋の片づけをしていたら、大量のコピー用紙が出てきて、使い方に困ってたからメモ用紙代わりに使い始めたのがきっかけである。意外とiPadより便利だった。特に閲覧性はやはり紙の方が高いかもしれない。
iPadをジョナサン・愛撫していたが、それがいかに思考停止していたか、逆に思い知らされた。皆さんも、一度紙とペンに戻ってみてはいかがだろうか。
実はこのNoteを書くときも、大まかな要素を紙に書き出して整理してから書くようにしている。これで記事のクオリティが上がってくれれば、という希望もあるが、果たしてそれはどうだろうか……