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私にとって、『VRChatと共にあること』とは #ワ探アドカレ

大体の人は初めまして、wata23と申します。
VRChatの中では、一応ワールドクリエイターとして活動しております。

今回のこの記事は、#ワ探アドカレ 15日目の記事として、『私個人のVRChatとワールド製作への思い』を綴らせていただきました。

ワールド探索部には、実は何と1週間前に参加させていただいた新参者も良いところなのですが、文章を書くのがわりと好きなので、遠慮なく空いていた枠を頂きました(ワ探部のみなさま、誠にありがとうございます)

では、雰囲気作りも兼ねて、ここからしばらく口調を変えさせていただきます。ご容赦くださいませ。




去りし日の憧憬

私はゲームが大好きだ。

初めてゲームに触れたのがいつだったかはもう覚えていないが、おそらく小学生低学年のころからだと思う。

父親が買って遊んでいたゲームを、買った本人よりやりこんでいた。何度、やりすぎだと注意され、𠮟られたことか。あの頃の私はゲームが持つ魔性に魅せられていた。

ゲームの魅力とは何か?

人によってこの問いに対する答えは違うことは間違いないが、
私は『物語を体験できること』にあると思う。

一般的にシナリオが存在するゲームには、様々な過去とそれに基づくバックボーンを持った主人公や味方、そして悪役達が登場する。

魅力的な彼らは協力、敵対を絶えず繰り返し、物語を緻密に織りこんでゆき、そして最後には全員が終幕へと導かれていく。
基本的にはこの流れが踏襲されるが、一つとして同じ物語はない。

私は主人公たちと一緒に、或いは主人公自身になりきって、数多の世界で旅をした。

幻想的で神秘的な森を。体の芯まで凍りそうな雪山を。終末が訪れ滅び切った都市を。暖かな偉大なる母なる海を。安寧の闇に包まれた死者たちの国を。──挙げればきりがないほどの無数の世界で、彼らと同じ体験をし、感情を共有した。

その果てで、ようやく描かれた物語の結末と全容に、私は幾度となく感情を揺すぶられ、一体何度感動の渦にいざなわれたことか。
エンディングがもたらす衝撃は、当時の幼い私にはいささか強すぎる刺激だったかもしれない。

ゲームで得られるものは、そういった非現実的な体験だけではない。
私は実に色々なことをゲームに学ばせてもらった。
それは身近な人間関係に始まり、歴史や文化、果ては経済まで。ゲームが体験させてくれるものは、非常に多様性に富んでいた。

だからだろうか、「ゲームなんて無駄なこと」に近いニュアンスを口にした先生が担任の時、学級日誌に反論を色々と書き込んだことを今でも覚えている。

そんな私の子供の頃の夢は、ゆえに必然だった。
「ゲームクリエイターになりたい」
────そう憧れを抱いていた。


VRChatとの邂逅

「なんか2chみたいな場所だな……」
当時、プログラマとしての仕事に忙殺されきった頭で、確かのらきゃっとさんか、ねこますさんの配信を見ながら思ったVRChatへの感想だった。
(断定できない曖昧な言い方で申し訳ない)

当時の仕事はあまり興味が持てなかった。
プログラミング自体は嫌いではなかったが、デバッグだけを1年以上続けていると流石に飽きてくる。派遣で、希望していたのとは別の県に行かされた私には、気軽に遊びに行く知り合いもいなかった。
多分どうしようもなく、ただ疲れていた。

結局、そのままVIVE(無印)とトラッカーを3つ買った。
なぜなら、2chっぽいっていうのはある意味私の誉め言葉だから。
混沌を凝縮したかのようなるつぼが、何故かコミュニケーションをする場所として成立している不思議。
孤独を感じていた私は、きっと人間の熱量を感じたかったのだろう。

『駄目でもともと、馴染めなかったらいっそVtuberでもやるか』
そう思いながら、VRChat内で日本人の居る場所を調べた。
そして、wikiに書いてある情報を頼りに、当時のファンタジー集会所へ飛び込んでいったのだ。


この記事を書いている時点で、その後の顛末を語る必要はないだろう。


世界を作るということ


VRChatを始めてからしばらくたったある日。
私は思わず自分の耳を疑ってしまうような、そんな言葉を耳にした。

「え!?このワールド、○○さん(当時のフレンド)が作ったの!??」
私が思わず吐き出してしまった言葉がこれだ。

この言葉はVRChatにいる時間が長いほど、たまに聞く(もしくは言う)言葉になっていくが、そのような濁りの無い驚きであった。

案の定、私の新鮮な反応を見たフレンド達は面白がっていたが、私の内心はそれどころではなかった。

最初に拾ってもらったコミュニティで、いつものメンバーで入り浸っていたワールド。
何の気なしにいつも居て、とても居心地がいいと感じていたその場所。
それが目の前にいるフレンドの手によって作られたものだと、その時初めて知った時。

このVRChatという世界が恐ろしいほどの広がりを持った世界だと気づかさせられた。

そう、私は全く知らなかった。
VRChatのワールドのほとんどがユーザーメイドであることを、知らずに飛び込んできたのだ。

この日はあまり良く眠れなかった。

その日まで、私にとってのゲームとは限られた有限のコンテンツだった。
ネットゲームですら、それは変わらない。製作者が用意してくれたコンテンツを享受し、それを楽しむのがゲームだった。

なのに、このゲームには国籍さえ違う様々なユーザーが集い、その各個人が自分自身の世界をアップロードすることができる。そして、公開されたワールドを各々の好きな方法で楽しむことができる。

ユーザーの想像力次第で拡張されていく、無限に近い世界。




なんだそれは……最高じゃないか!!

私は興奮しすぎて、よく眠れなかった。
心の奥底にしまい込んでいた幼い私が、全力ではしゃぎまわっていたから。


現在へとつながる”夢”


だから、私はワールドを作り続けています。
ほぼ無限に広がるこのVRChatの世界の一端に、私が描く世界を付け加えたいから。

去年はVRChat特有のあれこれや、転職といったリアルの事情から、ワールドを作る余裕がありませんでしたが、今年はなんとか2つのワールドを出すことができました。
Floating Islandという夏らしいワールドと、The Ancient Station Towerというファンタジー色の強いワールドです。良かったら足を運んでみてください。

また、今年は「クレマテリア」という、ワールド製作者向けのイベントに参加させていただいてたおかげで、ワールド製作のノウハウや、他のワールド製作者様達とのご縁も得ることができ、非常にありがたい限りです。
(現在クレマテリアはシーズン1が終了して、休止中です)

まだワールドクリエイターとしては未熟で、モデリングもようやく勉強し始めたばかりなので、力及ばずに手を付けていないワールド構想がいくつもあります。

ですが、理想のワールドを作るために、一歩ずつでも努力していきたいです!


かつて思い焦がれた憧憬は、VRChatという形に姿を変えて、共にあります。

寝ても起きても覚めない、この幸せな夢の中で、これからも私の世界を創り続けていけたらなと思っています。

この記事を書く機会を与えてくれたワ探部のみなさま、そしてここまで読んでいただいた方々への感謝と共に、この文章を締めさせていただきたいと思います。ありがとうございました!


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