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飲食バイトは複雑な思考を整理してくれる
私は、大学に入ってから今もずっと飲食のアルバイトを続けていて(何度もバイト先は変わっているが)、大学院で就活・研究の忙しい時期でも月2.3回はバイトに入るようにしている。
基本的に、自分はやることなすこと損得勘定で考えるタイプなので、飲食業みたいな低時給で単純作業のバイトより、長期インターンなどの単価が高く成長できるアルバイトの方がいいんじゃないかと思う時期もあった。
ただ最近、大学院に入ってから感じる飲食バイトの良いところを話していこう。
情報過多な日常からの解放
飲食バイトに限らないが、アルバイト中は基本的にスマホを触ることは禁止されている。
学生は特に、授業中でもスマホを触っているくらいなので日常生活でスマホを触ることができない時間なんてほとんどなく、アルバイト中くらいではないか。
スマホは日常であまり見ないとしても、考え事は多い。今後のキャリアのこと、今週中にやらなくてはならないタスク、研究の今後の方針、友達につい強く言ってしまったこと、など大小様々な悩み、考えが脳内に常駐している。
アルバイトは強制的に情報の波から離脱し、料理を持っていく、お皿を下げる、アルバイトの同僚との会話、お客さんとの会話など1つ1つのタスクに長時間向き合い、翻弄されることで、情報過多な日常から解放される場ではないかと思っている。自分にとっては一種の瞑想だと思っている。
アルバイトが終わると、へとへとのまま賄いを食べる。
熱気のこもった店内から外に出て、自転車に乗って夜の冷たい風に当たりながら帰路につく。ほとんど、サウナではないか。
これがお金を払わずに、むしろお金をもらって体験できるなんて、幸せな世の中なんだと思う。(自分が幸せな脳なのかもしれない)
アルバイトが終わると、バイト前に考えていた情報の重要でないものはすべてそぎ落とされ、へとへとのアルバイト後でさえ思い出せるくらいの大事なものだけ残っている。
だから、アルバイトの帰り道の考え事は格別だ。
余計な思考がそぎ落とされ、純な状態になっているからか、いつもより思考の深いところまでたどり着けるような気がする。
自分にとっては飲食のアルバイトであるような、自分の思考を整理する場を設けることは、情報過多な現代に必要なんじゃないかと思った。