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「ZweiLance VS デュエマ認定ジャッジ試験」を勝手に補足してみる:ルールの走り書4【デュエマ】

先日公開されたZweiLance氏の「【全20問】ZweiLance VS デュエマ認定ジャッジ試験(模擬)【解説付き】」の動画、良かったですよね。

認定ジャッジのあんだんて氏の解説も流暢でありつつ動画の範囲で溢すところがないように語っていてジャッジの仕事ぶりを感じる内容でした。

デュエマのルールについて語られるのはその性質上記事媒体のことが多いので、動画で取り上げられるというだけでルールについて広く知られる機会となってありがたいと思います(これとかも)。


デュエマって総合ルールが内容も構成もしっかり作られており、ルールを知れば大抵の場合あまり解釈を挟まずに各個別事例に対応できるようになってるのが良いんですよね。

ただそれ故、折角の有名プレイヤーがルールを取り上げる機会にそれぞれの答えの論拠が総合ルールレベルで示されていないのが惜しいと思ってしまったので、勝手に補足したいと思った…という趣旨です。




当然ですが主な引用元は以下。

デュエル・マスターズ総合ゲームルール Ver.1.42 (最終更新日2024/06/19)
デュエル・マスターズ 競技イベント運営ルール (最終更新日2023/10/11)

また出題文の提示として当該動画からも引用しています。




これはそれなりにルール自体が有名なものかも。端的な「「できない」効果は「できる」効果に勝つ」という文が良い。

101.2. 「できない」効果は「できる」効果に勝つ
あるイベントに対して「できる」とされている効果と「できない」とされる効果が同時に存在するとき、「できない」とされる効果が優先されます。また、「できない」とされる効果を「無視する」という効果がある場合、「できない」とされる効果は無視され効力を失います。ただし、カードはルールに勝つので、「できる」効果は「できない」ルールに勝ちます。(スピードアタッカーを持つクリーチャーは召喚酔いルールに勝ち、攻撃することができます。)



S・トリガーは割り込んで処理が発生します、ということだが、デュエマの根本部分のシステムである割には意外と面倒な処理だと思う。

101.4. 効果の処理は S・トリガーを優先し、常にターン・プレイヤー側の効果から行う
複数の効果が同時に存在する場合、常に S・トリガーの効果を優先して処理します。また、ターン・プレイヤーと非ターン・プレイヤーの効果が同時に存在する場合、ターン・プレイヤーの効果を先に処理します。ひとつの効果の処理が完全に終わった後でそのほかの効果処理に移ります。

例えとしては既に古い感じもあるが、《音感の精霊龍 エメラルーダ》の能力の途中でS・トリガーが捲れると処理の続きをする前にS・トリガーを使って良い、とかは類似例としては最適か。
よくある質問では《メラヴォルガル》の例などが挙げられている。

Q相手のターン中、相手の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の「出た時」の能力で自分のシールドが2つブレイクされた際、その中に《終末の時計 ザ・クロック》がありました。《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果処理の途中ですが、この《終末の時計 ザ・クロック》の「S・トリガー」を使う場合、召喚するのはどのタイミングですか?

A《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果で、相手が自身のシールドを2つブレイクする前に《終末の時計 ザ・クロック》を召喚します。
「S・トリガー」は他の効果より優先して解決されるので、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果中ですが、割り込んで解決を行います。
クリーチャーの「S・トリガー」は召喚するところまで処理を行うので、《終末の時計 ザ・クロック》を召喚した後、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果処理の続きを行い、それが終わったら《終末の時計 ザ・クロック》の「出た時」の能力を解決します。
(総合ルール 101.4)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/40961/


当該動画でも補足のある通り、正解は「できる」

「置換効果は連鎖しない」という文言で広く知られる裁定。《グラディアン・バレット・ドラゴン》でメタ能力を貫通しながら踏み倒せるの好き。

101.5. 置換効果はひとつのイベントに対して1回のみ行う
同一のイベントにおいて適用される置換効果は1つだけです。イベントとは、ゲーム中に起こりうるすべての出来事を指します。あるイベントがすでに置換されている場合、それ以上置換することはできません。



より厳密に言うならば、「保留状態のカードは山札に属しているが、そのゾーンにあるカードの枚数として数えなくなるので山札が0枚のカウントになる→よって負ける」が正確。
「属しているが数えない」ってなんだよってなるし超めんどくさいルール。

409.1c カードが保留状態になっている間、そのカードは元々置かれているゾーンに属していますが、そのゾーンにあるカードの枚数としては数えません。

例:《紅神龍オグリストヴァル》がいる状況で、手札にある残り1枚の《エナジー・ライト》を唱えた場合、カードを引く効果を解決する前に、《紅神龍オグリストヴァル》のパワーは0になり、破壊されます。
例2:手札から唱えた《エマージェンシー・タイフーン》の効果で手札のカードを捨てる場合、その唱えた《エマージェンシー・タイフーン》自身を捨てることはできません。
例3:自分のマナゾーンにカードが4枚あり、バトルゾーンに相手の《獣軍隊 ヤドック》がいる状況で、マナゾーンから《虹速ザ・ヴェルデ》を召喚する際、《虹速 ザ・ヴェルデ》が保留状態になることでマナゾーンのカードの枚数が3枚になるので、《獣軍隊 ヤドック》の置換効果が適用されます。



動画内では正確に伝えようとしているが少し分かりにくいので補足すると、「タップしているクリーチャーをタップ『しようと選ぶ』ことはできるが、実際にタップすることはできない」という点がルール的に重要。

105.6. タップしているカードをさらにタップ状態にする、またはアンタップしているカードをさらにアンタップ状態にすることはできません。(タップしているクリーチャーを「タップする」能力や効果で選ぶ事は可能ですが、その状態にしたことにはなりません)

そして《断断打つべしナウ》はタップしているかどうかを問わないので既にタップしている自クリーチャーに誘導可能。



複数のカードで構成されたカードの話は、ゴッドの特性も加味すると非常に面倒くさい。

まず問題そのものについて(現在のデュエマはエレメントという種別が出来てしまったせいで逆にややこしくなってる感はあるが)、最も重要なのはカード指定ならば構成カードの1枚を対象指定出来るということ。

Q相手のリンクしている《神帝ムーラ》《神帝マニ》がバトルゾーンにいる状況で、自分は《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》の呪文側を唱えました。「G・リンク」で《神帝ムーラ》《神帝マニ》のコストは合計され、7になっていますが、《神帝ムーラ》を選んで墓地に置けますか?

Aはい、墓地に置けます。リンクしているゴッドのうち1枚を効果で選ぶ場合、その選んだカードの持つ特性のみを参照します。
(総合ルール 109.2a)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/40033/

109.2a 能力や効果によってカードを選ぶ場合、選ばれるのはそのカード自身のみです。複数枚のカードで構成される進化クリーチャーやシールド・プラスされたシールドであっても、指定されたカードのみが直接影響を受けます。

しかしゴッドの場合そこから「除去指定されていない構成カードも自分が除去対象に選べる」という処理が入る(問題の場合《神帝マニ》の方を除去可能)。

Q自分のリンク状態の《極限龍神ヘヴィ》《極限龍神メタル》がバトルゾーンにいる状況で、相手が《テック団の波壊Go!》を唱えて、「バトルゾーンにある相手のコスト5以下のカードをすべて、持ち主の手札に戻す。」を選択し、効果を解決した場合、どうなりますか?

A結果的に、自分は《極限龍神ヘヴィ》《極限龍神メタル》のうち、好きな方を手札に戻します。
リンク状態の《極限龍神ヘヴィ》《極限龍神メタル》はコスト10のクリーチャーですが、カードとして参照される場合にはコスト4と6のカードであるため《テック団の波壊Go!》の効果で《極限龍神ヘヴィ》が手札に戻ろうとします。その際、状況起因処理によって自分は《極限龍神ヘヴィ》《極限龍神メタル》のうち1枚を選び、手札に戻します。
(総合ルール 803.7)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/40423/

803.7. ゴッドがバトルゾーンを離れる場合、そのうちの 1 枚のみがバトルゾーンを離れます。 これは状況起因処理であり、置換効果ではありません。

そしてエレメント指定の場合は構成カードの1枚を対象指定することはできない。

Q相手のリンク状態の《極限龍神ヘヴィ》《神人類 イズモ》がバトルゾーンにいる状況です。
《ザーク・砲・ピッチ》の「出た時」の能力で、リンクしている2体のうち《神人類 イズモ》の方を選んで破壊できますか?
Aいいえ、選べず、破壊できません。
2体でリンクしているゴッドは、2枚の特性が合わさった1体のクリーチャーとして扱います。そのため、そのうちの片方だけをクリーチャーやエレメントを選ぶ効果で選ぶことはできません。
今回の例の場合、リンク状態の《極限龍神ヘヴィ》《神人類 イズモ》は、コスト7のクリーチャーとして扱います。
(総合ルール 803.1b)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/42978/

803.1b リンクしたゴッドは、1 体のクリーチャーとしてそれを構成する各ゴッドの名前、能力、文明などの特性をすべて持つものとして扱います。ただし、それを構成する各カードの個別の特性を変更させるものではなく、集合体として 1 体のクリーチャーとして扱うことに注意してください。

注意としてここでは803.1bが論拠であるように示されているが、実際に重要なのは316.3.で、ここではカード指定とエレメント指定の違いが書かれている。

316.3. エレメントを指定する効果は、カードを指定する効果ではありません。そのため、複数枚のカードで構成されるエレメントを指定した場合、そのエレメントを構成するカードすべてが影響を受けます。
例:「エレメントを1つ選び、破壊する」という効果で進化クリーチャーを選んだ場合、「クリーチャーを破壊する」という効果で選んだ時と同様に、進化元のカードも一緒に墓地に置かれます。

また、動画で説明されている「キング・セルが離れる際にEXライフの置換を適用できる」については812.1eに依る。

812.1e キング・セルがバトルゾーンを離れた場合、それはクリーチャーが離れたものとして扱いません。ただし、クリーチャーが離れる時に適用される置換効果は、キング・セルがバトルゾーンから離れる時にも適用されます。

近い存在であるサイキック・セルの処理は805.1cに依る。

805.1c リンク解除能力は、サイキック・スーパー・クリーチャー自身ではなく、それを構成するサイキック・セルがバトルゾーンから離れる時にも適用します。

こちらも同様に、セルが離れた場合はクリーチャーが離れたものとしては扱わない。めんどくさ!

805.1e サイキック・セルがバトルゾーンを離れた場合、それはクリーチャーが離れたものとして扱いません。



特に《逆瀧》などで有名な裁定ではあるが、論拠として引用される110.2はそこまで具体性のある記述をしていなかったりする。
「プレイヤーに影響を与えるというのがどういうことか」というのは結構慣例的。

Q相手は《夢罪放免》を唱えて、自分はこのターン2回ブロックした状況です。相手のクリーチャーが自分を攻撃した時、自分は《光牙忍ハヤブサマル》を「ニンジャストライク」能力で召喚し、自身に「ブロッカー」を与えました。この《光牙忍ハヤブサマル》はブロックできますか?

類似例:《龍装艦 チェンジザ / 六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~》の呪文側
Aいいえ、ブロックできません。《夢罪放免》は唱えた後に出たクリーチャーにも影響を与えます。
(総合ルール 110.2)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/39084/

110.2. 能力は、それを持つカード自身に影響を与えることも、他のカードやプレイヤーに影響を与えることもあります。



主に110.4dに依拠。《砕慄接続 グレイトフル・ベン》で《怒流牙 サイゾウミスト》をマナから出すの、良いよね。

110.4b どのゾーンで機能するかが書かれている能力は、そのゾーンでのみ機能します。
例:マナ爆誕、灼熱ドロン・ゴー

110.4c どのゾーンで機能するかが書かれていない能力は、バトルゾーンでのみ機能します。ただし、そのカードそのものが、「S・トリガー」を得る能力についてはシールドゾーンにある時も機能します。

110.4d ゾーンの指定がなく、マナコストを支払わずに使用することを認めるというカードの能力は、そのカードを使用できるあらゆるゾーンにおいて機能します。
例:ニンジャ・ストライクはマナゾーンからの召喚が可能である状況下において、マナゾーンからの使用が可能です。

110.4e カード自身の、そのカードを使用することに限定や修整をもたらす能力は、それらのカードが使用されようとするゾーン(通常は手札)にある間に機能します。
例:シンパシー



「〜(特定のゾーン)にあれば」というような条件がある場合、誘発条件を満たす瞬間にそのゾーンになければ機能しない。裁定が変わったらしいのが2016年あたりっぽいので、それ以前にプレイしていた人だと引っかかるかも?

701.6a カードを破壊するとは、それをバトルゾーンから墓地に置こうとすることです。

701.6b 破壊されたカードはその結果として墓地に置かれます。

110.4g バトルゾーン以外のゾーンにある間にのみ誘発可能な誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうるゾーンにある間に機能します。
例:《黒神龍グールジェネレイド》

Q《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の呪文側を唱えて《死神覇王 XENARCH》を捨てました。この「自分の手札を捨てた時」の能力で、自身を手札に戻せますか?
Aいいえ、戻せません。

《死神覇王 XENARCH》の能力は、すでにこのカードが墓地にある状態で自分が手札を捨てた時にトリガーします。
(総合ルール 110.4g.)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/42505/


ここでは手札からそのまま呪文を唱える状況について語っており、その場合は409.1bと409.1cの複合が論拠となる。

409.1b 呪文は唱えてから効果を解決し終えるまでの間、保留状態になります。解決が終わった後、唱えていた呪文は墓地に置かれます。

409.1c カードが保留状態になっている間、そのカードは元々置かれているゾーンに属していますが、そのゾーンにあるカードの枚数としては数えません。

(自分のターンに)トリガーで《星龍の暴発》を唱えた場合も状況は変わらないが、「S・トリガーは手札から使っている」ということは知らない人も結構見かけるので補足(特に更に以下の2つのルールの複合に依る)。

113.6. ブレイクや効果によってシールドが手札に加えられる際、プレイヤーは「S・トリガー」「G・ストライク」「S・バック」の使用宣言を行えます。これらの使用宣言がすべて終わってから、シールドは手札に移動します。

112.3a S・トリガーはブレイクなどでシールドが手札に加えられるとき、そのカードを対戦相手に見せて宣言することで、即座にコストを支払わずに使うことができます。複数の S・トリガーを持つカードがシールドから手札に加えられる場合、使用するカードを対戦相手に見せて宣言を行います。すべての宣言が終わったら、それらのカードを1枚ずつ使います。呪文の場合は呪文の効果解決までが S・トリガーの能力となりますが、クリーチャーは召喚することまでが S・トリガー能力です。バトルゾーンに出たことによって誘発する効果は別個のイベントとして扱います。これはクロスギアのジェネレートやフィールドを展開する事についても同義です。



「宣言が必要な誘発型能力」は誘発条件(つまり「~する時」)さえ満たしていれば解決する際の条件が満たされてなくても宣言可能で、特に603.2.、603.4.を参照。

603.2. 誘発型能力は、誘発条件を満たすたび自動的に誘発します。誘発した効果は一度待機状態となり、解決を待ちます。

603.4. 誘発型能力が条件を持つ場合、その能力の解決の時点で条件を満たしていれば、効果が解決されます。誘発した時点で条件を満たしているかどうかは問いません。

605.2a 誘発型能力が条件を持つ場合、解決時にそれを満たしているかどうかを確認します。満たされていなければ何も行ないません。そうでなければ、解決を続けます。
例:《時空の喧嘩屋キル》の覚醒能力は自分のターンのはじめに常に誘発します。ターン開始前にバトルゾーンに自分のパワー6000 以上のクリーチャーがいなくても、解決までの間にパワー6000 以上のクリーチャーが存在することになれば、コストの大きいほうに裏返すことが可能です。

多用するカードの中で同じ状況があり得るのは《百鬼の邪王門》などか。
「クリーチャーが攻撃する時」という誘発条件さえ満たしていれば、「シールドが1つもない~」とか「闇のカードと非のカードが~」の部分は満たしていなくても宣言可能!



動画では「クリーチャーを構成しているカードはクリーチャーとして扱う」という説明がなされているがこれは誤りで、例えば109.2cには「クリーチャーの上下に重なっているオーラや魔導具等はクリーチャーの構成カードに含まれます」とあるが動画での説明の場合オーラや魔導具等がクリーチャーということになってしまう。

109.2c 複数枚のカードで構成されたエレメントの効果や能力は、それに含まれ、エレメントとして表出している全てのカードに適用されます。ドラグハートやクロスギアはクリーチャーの構成カードには含まれず、クリーチャーの上下に重なっているオーラや魔導具等はクリーチャーの構成カードに含まれます。また、封印はエレメントの構成カードに含まれません。

構成カードをクリーチャーとして扱うかどうかはコアとセル特有の裁定なので注意したい。

Q自分の《インフェル星樹》の「出た時」の能力で、相手の«終焉の禁断 ドルマゲドンX≫を構成している禁断コアを1枚選び、マナゾーンに置けますか?
参照:《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~》

Aいいえ、マナゾーンに置けません。クリーチャーを構成しているコアも、クリーチャーとして扱いますので、「クリーチャーではないカード」を対象にする効果の影響を受けません。

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/44664/

Q《極限龍神メタル》の「出た時」の能力で、相手の≪唯我独尊ガイアール・オレドラゴン≫や≪極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド≫を構成しているカードを1枚選び、墓地に置けますか?
類似例:《エンドレス・フローズン・カーニバル》《インフェル星樹》
参照:《龍魂城閣 レッドゥル》《勝利のリュウセイ・カイザー》

Aいいえ、墓地に置けません。構成カードのサイキック・セルはクリーチャーとして表出しているカードなので、「クリーチャーではないカード」を選ぶ能力では選べません。

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/40399/


これはこの状況そのものについてのルールが存在する。

115.3c バトルに勝つという能力を持つクリーチャーはパワーに関係なくバトルに勝ち、相手のクリーチャーはバトルに負けます。双方がバトルに勝つ能力を持っていた場合、お互いにバトルに勝ち、バトルに負けたクリーチャーは存在しません。

バトルの際墓地に置かれるのはバトルに負けることによってなので、敗者がいなければ墓地に送られる存在も無い、ということだ。

115.3b パワーの高いほうのクリーチャーがバトルに勝ち、パワーの低いクリーチャーはバトルに負けます。お互いに同じパワーであった場合は両方がバトルに負けます。バトルに負けたクリーチャーは破壊されて墓地に置かれます。これは、状況起因処理です。



動画でも注意があったが、《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》は自分のフィールド全体のルールを書き換えているようなものなので合わせてチェック。

116.4. 封印はコマンドがバトルゾーンに出た時に外れます。

116.4a コマンドがバトルゾーンに出た時、そのコマンドの持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ封印が置かれているカードから、封印をひとつ墓地に置きます。どのカードから封印を外すかは任意ですが、外さないことを選ぶことはできません。

Q《ヴィオラの黒像》を手札からコストを支払って使う際、《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》の封印は外れますか?
Aいいえ、外れません。タマシードはクリーチャーではありませんので、使っても召喚したことになりません。

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/41065/


《黒豆だんしゃく》や《ジョット・ガン・ジョラゴン》に連なる、「出た時」のテキストに関する効果。
「特定のテキストへの効果」という特殊性もあり、これらについては総合ルールに明確なルールがあるわけではなく裁定で読み方が定まっている。

革命編以前までの「このクリーチャーをバトルゾーンに出した時」というテキストやそこから王来篇以前までの「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」というテキストは、現在の「このクリーチャーが出た時」と同一視するという裁定になっていることは引っかかる可能性もあるので注意。

裁定で読み方が定まっている部分なので、個別事例を色々確認しておく必要があるのが大変。

Q自分と相手のマナゾーンに裏向きのカードが4枚ずつあり、自分と相手の《偽りの名 ワスプメリサ》がバトルゾーンにいる状況です。
自分のターンのはじめや、相手のターンのはじめに《偽りの名 ワスプメリサ》の能力はトリガーしますか?
Aいいえ、《偽りの名 ワスプメリサ》の「水晶武装4」により、お互いの《偽りの名 ワスプメリサ》の「自分のターンのはじめに」の能力はトリガーしません。
《偽りの名 ワスプメリサ》の「水晶武装4」でかわりにトリガーしなくなるのは、「このクリーチャーが出た時」でテキストが始まる能力すべてです。そのクリーチャーが出たことによってその能力がトリガーしたかどうかは関係ありません。そのため、ターンのはじめにも能力がトリガーしません。

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/44658/

Q《ジョット・ガン・ジョラゴン》のジョラゴン・ビッグ1の指す「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」で始まる能力とはどういうことですか?
A文章の最初の■の後が「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」から始まってるテキストのことを指します。例えば、「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」を文中に含んでいても、「■相手のターン中にこのクリーチャーがバトルゾーンに出た時」などのように途中に入っているテキストは該当しません。

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/31695/


これはセイバー能力で同様の裁定が出ており、《アーテル・ゴルギーニ》特有の現象ということでもないので覚えておく必要はあるだろう。

Q自分の《ボルシャック・西南・ドラゴン》4体が同時に破壊される場合、何体の《ボルシャック・西南・ドラゴン》をバトルゾーンに残せますか?

A4体が同時に破壊される際、そのうち2体が他の2体をそれぞれ「セイバー」して、2体まで残せます。

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/39992/

この裁定は直感的ではないが

・破壊する2体のクリーチャーを選ぶ
・それぞれを同時に破壊しようとする
・置換効果が先に適用されるので《アーテル・ゴルギーニ》の代わりに《ドゥポイズ》を破壊
・すでに確約されていた破壊として《ドゥポイズ》を破壊しようとするが対象不在なので何も起こらない

のような感じだと考えると納得しやすいだろうか。

400.7. バトルゾーン以外のいずれかのゾーンに複数のカードが移動する時、それらはすべて同時に移動します。



⑰~⑲

最近だと《シェケダン・ドメチアーレ》の裁定でよく知られるようになった挙動だと想うが、そちらの方の裁定にはより分かりやすく論拠が書いてある。

Q自分の光のクリーチャーが3体いる状況で《シェケダン・ドメチアーレ》を出しました。これにより自分の光のクリーチャーが合計4体になりますが、「出た時」の能力でカードを引く枚数は、0から4までの好きな枚数を選べますか?それとも、0枚か4枚かしか選べませんか?

A4枚まで好きな枚数のカードを引けます。また、1つの効果で複数のカードを引く場合も、処理上は1枚ずつ引くので、引いたカードの内容を1枚ずつ確認しながら、好きなところで引くのを止めることもできます。
(総合ルール 114.2.)

https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/42049/

114.2. カードを同時に引くことができるのは 1 枚だけです。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードを1枚引くことを繰り返します。

同時に行う行為はいくつもあるが、カードを引くという行為に関しては同時に1枚だけと特別に定められている。


こちらはそれ以外のパターンについて。

400.7. バトルゾーン以外のいずれかのゾーンに複数のカードが移動する時、それらはすべて同時に移動します。



これについてはそのままの文言でルールに記載されている。

12.2 非紳士的行為 ─ 重度
ペナルティ:
【マッチの敗北】
定義:
プレイヤーが、1人またはそれ以上の個人が嫌がらせ、強迫、いじめ、つきまといだと常識的に感じるような行動をした。これには、人種、肌の色、宗教、出身国、年齢、性別、障害、性的指向に基づく侮辱が含まれる。物理的な暴力による強迫は、〔非紳士的行為 ― 攻撃的行為〕として扱われるべきである。
この違反として扱われる嫌がらせの成立において、違反者が悪意や害意を持っている必要はない。
例:
(A) 対戦相手を人種差別的言辞で中傷した。
(B) 書面による許可なく他のプレイヤーの不適切な写真を撮った。
(C) 観客をデートに誘い、断られたのにしつこく誘い続けた。
(D) 手を出させる目的で他のプレイヤーの邪魔をした。
(E) 観客が、他のプレイヤーをいじめるためにソーシャルメディアを使った。



おわりに

厳密にやるとめんどくさいですねルールって。個人的にはこういう部分をチェックしてるとコンボを思いつくきっかけになったりして結構面白いです。

総合ルールにまであたるのは大変ですが、困った時の論拠は大体書いてあるので一度は眺めてみるのもどうでしょうか。



それでは!!!

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