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カルドアンシェル体験版をプレイしたらまさに「ぶっ壊れ爽快カードバトル」だった

2024年10月24日発売予定のインティ・クリエイツの新作ゲーム「カルドアンシェル」は、いわゆるデッキ構築型のローグライトゲームだ。

https://store.steampowered.com/app/2730540/


「ぶっ壊れ爽快カードバトル」を謳うこのゲーム、デッキ構築型ローグライトというジャンルの代表格である「slay the spire」と基本システムはかなり近い。

https://card-en-ciel.com/jp/introduction/


プレイヤーには敵を攻撃するためのカードが集まった「デッキ」が与えられる。
戦闘が始まるとプレイヤーはデッキからカードを5枚引き、1ターンに使える分だけカードをプレイし敵に攻撃する。
これを数ターン繰り返して勝利したら報酬としてカードを獲得。それでデッキを強化し更に戦闘を行う

こういったサイクルを繰り返して、ボスを撃破すればクリア。
理屈は超シンプル。


勝手を知ってるとっつきやすさと、この手のジャンルでもっと萌え萌え和ゲーテイストなの出てくれ〜と日頃思ってるのもあり、体験版をプレイ。


とりあえずプレイ


……なんか…めっちゃ頭使う気がする…??
5枚しかカードないのに死ぬほど選択肢がある!!


例えば敵がいるとして。

まずダメージによってHPを減らすという単純な対処がある。


しかし他にも、ブレイク効果カードで攻撃力とブレイク(0になると相手を行動不能にできるゲージ)を削って凌げるようにしたり。

https://card-en-ciel.com/jp/system/system05.html


アクション効果カードを使えばなんとターン制バトルからアクション画面に切り替わり、タイミング良く回避ボタンを押せればありとあらゆる攻撃を回避しつつ反撃可能。これを使って避けるのもあり。

https://card-en-ciel.com/jp/system/system06.html
https://card-en-ciel.com/jp/system/system06.html


またカルドアンシェルにはフィールドという位置の概念があり、それぞれのカードはフィールドを移動するためにも使える。
フィールド上の敵との位置関係が適切なら攻撃を避けられるので、これも回避に使える。

このカードは左移動に使える
https://card-en-ciel.com/jp/system/system02.html


カードは必ずフィールドを移動する効果を持っているので、今挙げたような選択肢を1枚が最低2つ以上持っていると言える。
つまり初期手札は5枚なのだが、実際には10枚とかそれ以上のようなものだ。

とにかく最初は最適解が全然見えてこない。分かんね~~~~!!!

とりあえずまだ敵も弱いのでとりあえずパスパス殴っておこう。


それで戦闘中めっちゃボイス聞こえるな~と思ったら、全カードにプレイした時の発動ボイスがあるっぽい。紹介動画の冒頭で戦闘の様子が分かる。

カードが300種類以上あるらしいし、デッキ組むたびにボイスで戦闘の雰囲気変わりそうで良い。


報酬などで得られるカードにはたまにランダムでボーナス効果が付いている。

これ! とにかくこの手のゲームはこういった効果で良いの引き当てるのがやっぱ楽しい。
個人的には「レアなカードを引く」よりも「レアな追加効果を引く」の方が好きなんだけど、やっぱアレって「ズルしてる感」が良いのかな。


そして敵の中には倒すと味方になってバフを与えてくれる「ディーヴァ」という存在がいる。

ディーヴァにバフを貰うには戦闘中に条件を満たす必要があるが、そんなに条件は重くない感じ。むしろ軽い。
また、ディーヴァの起動条件を満たすと専用曲が流れる。全専用曲歌ありなんだけど、もしかして豪華すぎるかこれ?

起動すると画面左端で歌い出す

ディーヴァを起動するたびに上書きされて新たに曲が流れるので、条件の軽さもあってカード1枚プレイするたび戦闘BGMがめくるめく変わっていく。
超賑やかになってきた。

ディーヴァは複数体起動しても効果が重複するためどんどん獲得しに行く。貰い得だぜ。



そうやってガンガン探索を進めていると、いつの間にか画面と手札が異様な事になっていることに気づく。

なんかすげえ……

おそらくカードに付与された効果とディーヴァによるものだが、とにかくよく分からんあらゆる効果が重なりまくって全てが凄いことになっている。


ディーヴァの専用曲は各ディーヴァごとに設定されており、全50曲存在する。
ジャンルは多様だがどれもノれる曲ばかりで、これを聞きながらワケのわからなくなった手札を連打していると脳内物質がドバドバ溢れて気持ちよくなってしまう。


おおよそすべてのアクションにボイスが鳴り響き、エフェクトが舞い、歌も入り乱れる。
それらを見・聞きつつ、新たな選択を行ったことでキャンセル、そしてまた目と耳から畳み掛けられ、見聞き、選択・キャンセル・選択…

軽快なBGMの中、繰り返しの動作の中で断片的な発動ボイスと画面効果が幾重に脳内と網膜に残り続け、段々とトリップするような感覚に陥いっていく。

 

うお〜〜〜気持ちええ〜〜〜〜〜~~~



……とやってる内にボスが倒れてしまった。


なんか知らんけど……勝ったぜ!!!



考える

よく分からんままクリアしたので、とりあえずもう一回ダンジョンに潜ってみる。

このゲーム、ダンジョンを潜る際に難易度を11段階から設定できる
一旦クリアしたわけだし、3番目のハード+1とかいうの?やってやるか!




????

……クリアできるけど…クリアできるけど!!
評価星1…???

いや、ごちゃごちゃしてるのをまだ理解してないだけで、ちゃんと考えてやれば絶対余裕なんですけど??


とりあえず攻略のため冷静になってみると……一時的にカードを超強化できる「必殺技」が使えるのとかすっかり忘れてた。
あと事前にセットしたカードを1度だけでいつでも使える「ワイルドカード」システム
やれることが多くて基本システムがかなり抜け落ちてた……けどこれさらに選択肢増えてるな?

ともかく基本システムはちゃんと抑えて、その上で更にゲームの特徴をよく見てみる。



0コストカード

0コストでプレイできるカードはタダだからとにかくオトクなわけだが、このゲーム、よく見てみると0コストカードが異様に多い。

体験版で確認できる取得可能カード97種のうち32種が0コスト。
更に「特定の条件を満たすと0コストになる」というカードも存在し、それを含めると種類はもっと増える。

もちろん3コストのカードが大半を占めててもどうしようもないので低コストカードが多くなるのは当然の設計ではあるが、すげー単純に考えると1/3が0コストってことは初期手札5枚引いたら1、2枚は0コストカード。つまり常にオトクになることを推奨されているらしい。


効果のランダム性

特定カードの中からランダムで取得したり、カードにランダムでバフを付与したりというランダム要素も見逃せない。

ランダム性なんかはどんなゲームにもある要素だが、このゲームのランダム性の良いところは、基本的に+αのボーナスとして設計されているところだ。「どう有利になるか」を思考する必要はあるが、「どうやって不利を回避するか」に苦心する必要はない。


ディーヴァ最強

戦闘中に得られるディーヴァのバフは非常に強力だ。

カードを3倍に増やしたり、手札のカードを全部0コストに変換したり……かなりぶっ飛んだ効果をしている。
しかもそれらが所持しているディーヴァの数だけ全部発動する!!

ディーヴァを起動すればその分だけ必殺技を打てるようにもなるので、戦闘を進めるごとに何重にも気持ちよさが増していく。


カードのボーナス

カードに付与されるバフもよく見ると凄まじく、バフのくせにカードの効果そのものみたいな内容が付与されたりする。

画像の左端とかまさにそれで、カードの能力が「ランダムな3コストのカードを2枚生成」なのに対し、バフが「ランダムな3コストのカードを1枚生成」。突然効果量が1.5倍に。

更にこのバフ、1種のカードにつき最大3つ付与されるので、同じバフが乗ればこの場合効果量2.5倍まで伸びたりする。ヤケクソ?

「1種」というのも凄くて、あるカードにバフがついたら同名カードは同じバフを得る。つまり1つのバフでデッキが一瞬で化けるのだ。とんでもねえ。


結構死ににくい

これは体験版の範囲内での話にはなるが、このゲーム基本的に無理をしなければあまり死ぬことはない。

ダンジョン攻略の際は最短効率を求めて敵と戦闘せずに進行し続けるとデバフが課されるようになるため、調子に乗ってるとそれに押しつぶされて死ぬ。
ただしデバフが課されないように細かく戦闘を行い、報酬で十分なカードを収集し、戦闘自体も避けに徹すれば時間はかかってもどうにかなる。



つまり死ににくいという土台があった上で、0コストでカードを連打する無法感とボーナス的に付随するランダム効果。戦闘を進めるごとに幾重にも重なり加速していくバフ。
これらを豪華な演出の中でぶん回していく気持ちよさ!それがカルドアンシェル!!

これが当初感じた気持ちよさだったわけか。確かにこれは「ぶっ壊れ爽快カードバトル」と言って差し支えない!!



そんな具合でこのゲームの設計とコツを理解し、もう一度ダンジョンにチャレンジしてみる。
とにかくバフをよく読み、0コストカードへアクセスすることを意識だ。

いくつもの選択肢に圧倒されるがとにかく頑張りボス戦へ……


一見どうしようもない手札だけど

1ターン目の間にカードをぶん回して第2形態まで持っていき

うおおおおおおおおおおおおおおおお先行1キル!!!






…星2……???



”理解”ってくる


こうして理解が進みながらあと一歩…!となると、もう完全にドツボだ。

見落としてるシナジーはないか確認し、ワイルドカードを選定、最も無駄のないルート取りを考え、デッキを最適化、効果的なカードバフ・ディーヴァを見極め、そして思考をフル稼働して戦闘を攻略……

もちろんこのジャンルのゲームの常で運は絡みまくる。
しかし選択肢の幅広さ故に、実力で詰め切れるところがこのゲームは無数に存在する。

HP?ブレイク?アクション?移動?ワイルドカード?必殺?受け切る?ディーヴァ起動までの最短距離は?リシャッフルが起こるのはいつ?ワイルドカードを移動に切るのはありか?バフのスタックは?ランダム発生カードまで考慮すると?

爽快さの中で聡明さを保つ。「ぶっ壊れ」の手綱を握りもはや自分がゲームを「ぶっ壊す」。


果てにはボスより強い、HP1000を超える特殊エネミーすら1キル!


そして……




星3!!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

爽・快……!!



気になるところ

という具合に、とにかく体験版にあるまじきハマり方をしてしまった。
まあ体験版では2ステージしか遊べない上、あと2ランク上の難易度までプレイできるのでこれでも序の口ではあるのだが。

超久々に人に勧めたくなって感想など書いたが、同時に気になる点もいくつかあったので製品版との比較用に記す。ついでに購入の判断基準にもなれば。


演出がうるさい?

演出の豪華さはこのゲームの最大の売りだが、逆にそれが煩わしいと思う人はいるかも。
デッキ構築型ローグライトって大抵はターン制ゆえの落ち着いたゲームなので「じっくり静かにプレイしたいんだが…」という人にとって、フルボイスで道中会話がひっきりなしに流れ、戦闘中にも発動ボイス・歌・会話ログなどが飛び交うこのゲームとの相性は如何ほどか。


フィールド上で敵避けのアクション要素がある

カルドアンシェルの探索パートはダンジョンをあちこち移動して行う。
この際敵もフィールド上を動き回っており、見つかるとこちらを追いかけ回してくる。戦闘したくない場合、これを頑張って避ける必要がある。

ダンジョン内を歩けたりするからこそ、いくらでもミニマムにできるデッキ構築型ローグライトの淡白さがより低減されていると感じるし、動けるなら動けるだけの面白みがあった方が良いと思うので、淡白の逆を行くこのゲームに合った設計ではあると思う。
が、「戦闘がメインなのにフィールドアクションさせんなよ!」と思うかもしれない。というか自分も一瞬なった。

このゲームで最高評価を得るためには戦闘回数を極力減らす必要があるのだが、移動中敵に当たってしまうと戦闘からは逃げられても戦闘回数のカウントが1進んでしまう。あと一歩のとこでこれが起こると流石に発狂もする。

とはいえゲーム内スコアにはクリア時間は一切関わらないので、単に焦らなければ済む話でもある。


先行入力広くを受け付けてしまっているタイミングが割とある

このゲーム、例えばBボタンが「カードを移動として使う」コマンドなのだが、もちろん選択をキャンセルする役割で使う場面もある。
選択肢の多いゲームだからこそ、画面ごとでボタンに割り振られている役割が違うのは分かる話だろう。
そんな中で先行入力可能なタイミングが広いと、キャンセルの際にちょっと連打してしまうと遷移先のカード選択画面で間違ってカードを使ってしまう…なんてことが起こり得る。

おそらくこれは連打でスムーズにカードを連続プレイして気持ちよくなれるように意図的に設定されてるものだが、慣れが必要な部分ではある。


UIが詰めきれてない

UIについて細かいが不便に感じるところがいくつか合ったので例として挙げる。

・所持トークンの表示
以下は報酬で得られる「トークン」を消費して永続強化を得る画面だが…右上にそのトークンがあるの気付きにくくないか?
この画面で重要なのは所持トークンと消費トークンの関係なのでそれらを隣接させるためにも右上よりは右下に配置してほしいし、細々こういったところがある。


・カードの選択時に別のUIで敵の表示が隠れる
例えばこの画面のように自身のカードを選択する画面に入るとUIで敵のHPが隠れてしまう。非表示にする方法もないのでガチャガチャ画面遷移をしてその間に覗き見るしかなくなる。

・あらゆる場所にキャンセルボタンがない
選択の不可逆性はローグライトには必要だが、必要でない部分までキャンセルできないようになっていると多々感じる。

あとホーム画面がちょっと寂しい。突き詰めるとスコアを高めていくゲームなので、各ダンジョン・各難易度の最高レコードくらいは見れても良いよね(製品版だと見れるのかもしれないけど)。


ノリ

ハツラツなオタク主人公が架空のゲーム・またはインティのゲーム世界に入り込み、その設定やらをメタ・ギャグ込みでノリノリで解説したりヒロインと語らったりするのがこのゲームの基本会話だ。

お祭りゲーってこの感じだよな!という軽さはあるが、このノリ、遊び過ぎでは…!?と思う感じがなくもない!(架空のゲーム世界に主人公よりどうしようもないオタクが出てきてその素行にツッコんだりしてるのを見るに、多分計算してこの雰囲気を作ってるのが凄いが)。
でもまあ、インティのゲームは全然やったこと無いけど慣れ親しんだ日本一ソフトウェアのゲームとかこれ系のノリだし、なんだかんだ自分の肉体の構成要素なんだよな…。


デカパイ

今作のナビゲーションキャラ兼ヒロインである”アンシェ”は初っ端から主人公にベタ惚れゾッコンで、恥じらいはありつつも全身好意丸出し女である。

会話の中では一言ごとに主人公への好意を何らかの形で表現し、またホーム画面はほんの少しのメニュー以外は彼女の全身で占領されている。

あと「アンシェに膝枕してもらうボタン」が存在する。

そしてデカパイ。2D絵の中でも特に部分的に稼働して超ユッサユサ揺れる。

こんな具合の激甘ヒロインを全面に押し出してくるゲームなので、死ぬほど背中が痒くなる人もいるかもしれない。

自分はプレイしていくうちにまあ慣れた……と思っていたが、特典のポスターを見て「これ突き詰めちゃう感じなの?!」とビビった。

全身好意丸出し激甘デカパイ女を剥くのは、でもまあ潔いな。

このゲーム超面白い!!と思ったので、ここまで剥くと買われない理由になったりしないかな…みたいな心配はする。
インティの過去作特典もこんな感じらしいけど!!



おわりに

ともかく発売が楽しみである。困ることがあるとすれば、発売日の2024年10月24日までにはしばらく時間があるので、それまでに体験版を遊び過ぎてやり尽くしたような気持ちにならないか……くらいだろうか。

体験版は現在Nintendo Switch/ Steam(PC)のみだが、販売はPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S/ Steam(PC)と幅広いプラットフォームで予定されているので色んな人がプレイすると…嬉しい!



それでは!!!


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