片面取りのシリコン型!! 型取りできる形状・できない形状は?
フィギュアを自宅で複製する際には、シリコン型で複製するのが一般的です。
シリコン型で型取りできる形状、型取りできない形状があります。
フィギュアの原型を作る前にあらかじめ理解しておきましょう!
今回は片面取りのシリコン型における型抜きのご説明です。
「片面取り」「両面取り」の違いはこの記事の最後に記載する記事をご覧ください!
そもそも型取りできない形状だとどうなるか?
物理的にシリコン型から抜けない
正確には「型取りできない形状」というよりは「型抜きできない形状」という意味になりますが、物理的にシリコン型から抜けないということが起きます。抜けないとどうなるか、シリコン型を切って原型を取り出すしかありません。もし原型を石粉粘土で作っている場合、原型は壊れてしまいます。
樹脂が流れ込まず不完全な形状になる
型からは抜けるがレジンキャストが隅々まで流れ込まず不完全な形になることもあります。流し込みの技術でリカバーする方法もありますが、どう頑張っても形状的に樹脂が流れ込まないような場合は、原型のデザインを変更したりパーツを分割して作る必要があります。
物理的にシリコン型から抜けない
樹脂が流れ込まず不完全な形状になる
ここでは、この2点を「型取りできない形状」と呼ぶことにします。
❶型取りしやすい形状
山のような形
シリコン型の「片面取り」の基本的な考え方として、山のような形状は型抜きができます。製氷機で作った氷やプリンのような形状を想像するとわかりやすいです。
このような形状であればスムーズに抜き出すことができます。
多少の凹凸はOK
手足や目口などのパーツをつける場合は、多少の凸凹であれば型抜き時に引っかかることはありません。どのくらいなら抜けるかは形状・大きさやシリコン型の種類にもよって異なります。
❷型取りできない(しにくい)形状
逆の山の形
❶で説明した形状を逆さまにしたような形状をイメージしてください。簡単に言うと逆の山の形です。このような形状はシリコン型から抜き出すことができません。
片面取りの取り出し口の広さよりフィギュア本体の一番広い幅があまりにも大きいと抜き出すことが困難になります。
大きく飛び出した形
フィギュア本体は筒のようになっていても抜けそうな形であっても、腕や角などが横に大きく飛び出している場合も型抜きができません。
抜き出そうとしてもビクともしないので、このような形状を作る場合は「片面取り」ではなく「両面取り」のシリコン型を作りましょう。
シリコン型のやわらかさによっては抜けることも
抜き出しが難しそうな形状でも、シリコン型が柔らかいと抜き出すことができる場合があります。どのくらいなら抜き出せるかは判断するには経験が必要です。
私が行なっているマンツーマンのフィギュア制作レッスンでは、シリコン型と原型のセオリーをお伝えしつつ、どのくらいなら抜き出せるかを実践してお伝えしています。
キャンドルのシリコン型で使うような透明のシリコンであれば、やわらかいので難しい形状でも抜き出すことができます。
型取りしにくい形状
型取りしにくい形状には、以下の二つがあります。
・物理的に型抜きしにくい
・樹脂が流れこみにくく不良品になりやすい
このような形状は上記の二点に当てはまる形状です。
腕が出っ張っているため、物理的に型抜きしにくい形状でありながら、
樹脂が流れこみにくく不良品になりやすいです。
手の部分には樹脂が流れずに空気が溜まって不完全な状態になります。
まとめ
片面取りで、型取りしやすい形状・型取りできない形状についてご説明しました!
たくさんのフィギュアを制作することを前提とするならば、なるべくスムーズに綺麗に型取りできる形状にする必要があります。
キャラクターのデザインと型取りの制約との兼ね合いが難しいですが、フィギュア制作の醍醐味でもあります。
販売を目指すのであれば、綺麗に効率よく抜き出せる形状をしっかり考えて原型を考えて作っていきましょう!
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