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チャイルドブックとコロンかいぞくだんと子供とわたし。

子供が幼稚園に入園して、園を通して絵本の購読をするようになった。

当時の子供はやや成長がゆっくりなのもあり、絵本を読み聞かせていても次のページをめくってしまったりと、購読していた絵本のようにストーリー仕立てのものは早かったかな…という私の勝手な諦めもあり、毎月1冊ずつ増える絵本は数回読んで本棚に眠ることが多かった。

今思えば、絵本を読むことで子供の成長がゆっくりなことに直面するのが私自身辛かったというのもあっただろう。

そんな子供も園生活に慣れるとめきめきと成長していくのと共に、絵本の読み聞かせが好きになり、寝る前に「えほんよんで」と持ってくるようになった。

絵本は子供なりに選択基準があるのか、連続して同じ絵本ということはなく、日々違うのを代わる代わる持ってきていた。

そんな子供がある時から、1冊の絵本ばかりを毎夜よんでほしいと頼むようになった。

その本は「コロンかいぞくだん こおりの しまへ いく」

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毎月購読していた絵本の2月の絵本だった。初めて読み聞かせた時いつもより聞き入っていて、明らかに今までの絵本とは反応が違うと感じたのを覚えている。

少しの好奇心から検索して調べてみると、過去に3冊出版されているということがわかった。ただ、購読の絵本だったので結局は購入方法がわからなかった。

そして毎夜毎夜よんでいたせいか、ある日子供がゆっくりで、片言ではあったけれど、一人でその絵本を音読して読み切った。

私は猛烈に感動した。
そしてこの「コロンかいぞくだん」という絵本にものすごく感謝した。

こうなったら老婆心なのか親ばかなのか、ただの執念なのか。
私はその出版された3冊はどうすれば手に入るのかと編集部さんにはがきを出してみることにした。

・初めて子供が音読して読み切ったこと
・かいぞくせんが沈むところからスタートするが、子供が「なぜしずんだのか」に疑問を持っていたこと
・3冊出版されていることは知ったが、入手方法がわからずなにか方法があるのか教えてほしいこと

以上を事を書いた気がする。今思えばただの親ばかだ。

投函して数日、きれいな手書きの字で私宛に郵便が届いた。
封筒には「チャイルドブック」と書かれていた。

手紙の中身も手書きで、縦書きの便箋に季語も取り入れたとても丁寧な文章で返信を頂いた。こういった本に関わる仕事の人は字も綺麗なのか。と明後日な感動をした。

詳細な手紙の内容は大切にしたいので割愛するが、

・通常バックナンバー販売を行っていないこと
・しかしながら特別に販売をするので、希望であれば電話をしてほしい

という内容だった。ただでさえ手書きの返信というだけで感動しているのに、特別にお譲りいただけるというありがたい申し出。すぐに電話した。

購入したい本を確認し、住所を伝えた。コンビニ払いの請求書を送ってくださるそうで、それの支払いが確認出来たら発送してくださるとのことだった。

もちろん即支払った。ありがたすぎてすぐにやらなければならないと思った。そして、数日後には半ばあきらめていたコロンかいぞくだんの過去の3冊が手元にやってきた。

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届いた3冊を見て気づいた。
私もすっかり「コロンかいぞくだん」のファンだということに。
手元に来たとき子供は幼稚園に行っていて、私はどうやってこの3冊を子供にみせようか、そんな事をふわふわ考えながら仕事をしていた。

そしてお迎えに行き、家に帰ってきた子供に「じゃーん!」と、結局なんの面白みもない見せ方をした。

「うわぁー!!コロンかいぞくだんだー!」

子供はそんなのはお構いなしに大喜びしていた。もちろんそんな顔をした子供に私も大喜びした。

「はやくよんで!」と、届いた3冊+持っていた1冊を一気に読む羽目になったけれど、いつもより明らかにお風呂がスムーズに終わり、聞くまでもなく寝る前の絵本は「コロンかいぞくだん」だった。

単純にバックナンバー販売はしていない。で終わっても当然だとは思う。
しかしながらこうやって購入できて子供の喜ぶ顔をみたからこそ、より特別な作品になったのは間違いない。

チャイルドブックのみなさん

そしてなにより作者である、かろくこうぼう さん。

本当に、本当にありがとうございました。

私にとって「コロンかいぞくだん」は特別な作品のひとつになりました。
子供が初めて音読をしてくれた作品でもありますが、今回のように温かい気持ちになる出来事を作ってくれた作品だからです。

もしかしたら、チャイルドブックの方からすればよくある話の一つかもしれないけれど、私にとっては子育ての中のとても大切な出来事の一つになったのは間違いなく。

本当は人と言う人におすすめして配って回りたいところではありますが、手に入れた1冊を大切に大切に読んで行こうと思います。

ありがとうございました。

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