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Q.好きな人とそうじゃない人への優しさのメリハリってちゃんとつけるべきなんでしょうか?

A.まあまあ、美味しいコーヒー淹れたからゆっくりして……そうですねぇ。

相手のことを選別せず、誰に対しても同じ対応・同じ優しさで係わることは、ひとりの人間として尊敬に値する素晴らしい行いです。

しかし、好きな人に対する優しい行いを誰に対しても行うのは、(ある意味慈愛に満ちていますが)やはり良いことではないと思います。

なにも他人を無視や蔑ろにしろなんて言いません。

ただ「特別」の意味を改めて意識してもらう必要があります。

私の手元にある『新明解国語辞典』によると……

【特別】……もっぱらそのことのためだけに設けられるなどして、普通一般のものとは同じ扱いが出来ない様子だ。

『新明解国語辞典 第七版』三省堂

つまりは「特別」とは、自ら生むものではなく自ずと生まれるものです。

今回の質問にあります「優しさのメリハリ」ですが、ちゃんとつけられないということはまだちゃんと好きではないんじゃないでしょうか?

面白い話、美味しい料理、綺麗な景色……自分の今感じた感性をその人にも伝えたい、この痺れている感性をその人と共有したい。

そして、その人がなにか疲れていると共有した感性で自分も疲れてしまう、だからこそ手伝いたい助けてあげたい。

そういう気持ちこそが「特別」であり、好きな人への特別な優しさです。

「みんなのことが好き」みたいな博愛主義ならば「みんなに優しい」で良いのです。

けれど「誰かのことが好き」ならば、一度立ち止まってみて一度底知れない優しさをやってみてください。

その人のためにどれくらい優先できるか、一度測ってみましょう。

他の人とあまり差が無いようなら、あなたの今の人生でその人の存在はあまり必要ないと思います。

その人を必要と思うから優しさに差ができてしまうのです。

あっ、あなたのコーヒーなくなりましたね。

おかわりいりますか? いる? じゃあ待ってて。

まあ、おかわりの用意よりも急ぐことではありませんので、ゆっくり考えてみてください。

ちなみに相手のカップに気遣うのもまた特別な優しさですよ。

あなたは私の特別なお客様ですからね、気にせずにいくらでもおかわりしてください。

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渡邉綿飴
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