セイコーファーストダイバー用の19mmブレスレットが欲しい。SBEN003との互換性を考える。
昨年2023年に購入したSEIKO復刻ファーストダイバーSBEN003(SJE093)に、手持ちの60年代のスキンダイバーに付いていたライスブレスを取り付けた写真です。
やっぱりいいですね。H字型のスキンダイバー系のケースには同時代に人気だったライスブレスが良く似合います。スポーティーかつエレガントで、スーツでもTシャツでも難なく合わせられます。
次の写真は、そのスキンダイバーに19mmのオイスタータイプの3連ブレスレットを合わせています。カーブエンド用の弓カンを根気よくヤスリで削って完成させました。試行錯誤の成果ゆえ、この1本をつくるのにエンドリンクを数個ダメにしています。
加工した3連ブレスレットはファーストダイバーSBEN003にも合うと思いますが、あまりホロータイプ(板金加工品)のエンドリンクを着脱するとラグ内に多少でも傷がつくリスクがあるのと、後述のカン足の奥の形状のために微調整が必要になるのでまだ試していません。
SBEN003には2017年に限定発売された19mm幅/ケースサイズ39.9mmのSBDX019/SLA017にワッフルパターンのベルトと共に付属していた純正3連ブレスレットがそのまま使えるのですが、単品では製造が終了しているのもあり、ネットオークション等では11万円超と高騰化していて手が出ません。SBEN003に付属していたトロピックタイプの純正ストラップはちょっと長め、シリコンが硬め(本家トロピックは加硫ゴム製)、遊環が金属製で神経を使うのと、もったいないので使わずにそのまま保管しています。
SBEN003自体も購入後半年以上箱に入れて保管していましたが、使わないほうが勿体ないので日常使用に投入しました。しばらく18mmのシャークメッシュブレスレットを使ったり、19mmのNATOストラップを通してみたり、20mm幅のトロピックタイプストラップを押し込んで使っていましたが、思い入れのある時計には隙間のないエンドリンクで好きなライスブレス使いたいと思い、現在のライスブレスに一旦落ち着いています。
それにしても流用加工の手段も限られていて、選択肢も少なく非常に悩みが多いのが19mmラグ幅。昔はポピュラーなラグ幅であり、60年代のスキンダイバーもほとんどが19mmでした。今ではアフターマーケットパーツメーカー製品のサイズ展開の多くが18mmの次が20mmで、19mm幅は飛ばされがち。さらにスキンダイバースタイルのラグ形状だと、現実的な選択肢はストレートエンドのものしか存在せず、ストレートエンド特有のラグの隙間を受け入れるしかありません。ストレートエンドでも格好いいブレスレットは沢山ありますが、再び19mmというラグ幅が選択肢を狭めてしまいます。
そんな不便だらけの19mmスキンダイバースタイルのラグ形状ですが、それでも私は19mmがベストサイズだと考えていて、私が日本発のスキンダイバーを計画しているのも、美しいスキンダイバーを世に出しつつ、同時にブレスレットの選択肢の少なさを解消したいというのも動機となっています。
そこで計画中のスキンダイバーのアクセサリーはそのままSBEN003と互換性を持たせたいと考え、SBEN003をノギスで採寸して大まかなデータを起こしてみました。ラグの奥行きとラグ穴の縦方向のサイズは手持ちのスキンダイバーと全く同じという偶然。なぜかあまり語られませんが、元々ファーストダイバーが当時の典型的なスキンダイバーのフォーマットを踏襲したデザインなので当然といえば当然です。
SBEN003は本命の38mmサイズ(ケースは37.0mm径、ベゼル外周が38.0mm)で復刻された夢のファーストダイバーなので本当に大好きな時計です。
SBEN003(左)のカン足付け根部分のケース裏側には、四角く切り取ったような形状になっています。純正ブレスレットや純正シリコンストラップとの勘合用かと思いましたが、特に干渉部分があるわけでもなさそうなので、セイコーの時計によく見られる、ストラップとケースのクリアランスを確保するための形状だと解釈しています。(訂正 : 純正エンドリンクの勘合部でもあるようです)ただ、エンドリンクを受け止める面積が狭くなるので、さきほどの弓カンタイプのエンドリンクを支える部分が少ないのでフィッティングに注意を要します。
この部分は対策をしていないと鋭角のエッジが出やすく、NATOストラップのような引き通しベルトが傷みそうな不安を感じたことがあります。そこでラグ奥の部分の厚みを増やしつつ、丸くエッジを処理し、同時にカン足内側のケースバック側にカン穴の肉厚が足りない部分を補強するように処理してみました。