息子とスイカ、娘とわたがし
息子とスイカ
小学校2年生の夏。
息子の夢は、スイカをまるごと食べたいだった。
スーパーへ行くたびにせがまれるので、とりあえず4分の1サイズを出してみた。
念願のスイカに満面の笑みの息子は、思いっきり真ん中からガブリ。その後は一心不乱に食べ続けていた。
ものすごい勢いで平らげて、満足したようだった。
夏のあいだ中、スイカを見ると「スイカ買って」という息子。夏が終わる頃、「来年はスイカ割りをして、まるごと一個食べたい。」が夢になった。
小学校3年生。またもや「スイカ買って」のシーズン到来。
先日初物を嬉しそうにかぶりつく息子に聞いてみた。
「すいかのどこがすきなの?」
もぐもぐとスイカを頬張りつつ、しばらく考えた息子の答えは……
「うーん……あかとみどりの色かな?」
「え?色……?色だったの?」
「うん、色もおいしいってことだよ!」
想像もつかない答えが返ってくるから面白い。
娘とわたがし
週末、わたがしを買った娘。
学校から帰宅すると、ちまちまと口に運び、一口食べる毎に「おいし〜」と幸せそうにしていた。
仕事をしている私のもとに来て、「ちょっとおすそわけしてあげようか」というので、ほんのちょっともらうと、「おいしいでしょ〜幸せでしょ〜」と言いながら、ちびちびとわたがしをつまんでいる。
ふと双子が3歳の頃、私は一人で双子を連れて街のお祭りにいったことを思い出した。
あのとき、双子が食べたいというから、わたがしを買ったのに、二人とも甘すぎて食べれないと言い出して、結局私が食べるはめになったのだ。
私は小さい頃からわたがしが苦手で、ワンオペでお祭りまで連れてきて、わたがしを無理やり食べた。という苦い思い出だった。
「小さい頃、わたがし食べれなかったのにね」そう言うと
「え?だってさー、しょうがないじゃん、あのときは毛布だと思ってたんだから」
「え? 毛布? 毛布と思ってた?」
耳を疑いたくなるような会話。これも子育ての醍醐味か。